「新撰組」の作品は数あるが、もうお腹いっぱいという人にも是非読んでもらいたい作品。
剣術メインのストーリー構成と迫力満点の立会い、そして個性豊かなのちの「狼」たちのコミカルなやり取りがこの作品の魅力だ。
沖田総司となる惣次郎は格別の強さと「頭の弱い」感じの微妙なバランスが魅力的。そして、惣次郎が慕う近藤勇は引きこもり気味だが、圧倒的な大らかさと立会時の凄まじい迫力に読んでいて引きこまれてしまう。
そんな二人が通う道場・試衛館には、竹刀剣術とは異なる「斬る」ことを主とした教えと人を引き付ける近藤の魅力で「狼」が次々に集う。一人一人の「狼」を背景から丹念に描き個性豊かに仕上げているのも作品の魅力だ。
ただ、やはり一番の魅力は見ごたえ十分の立会シーン。刀は斬れる。その当たり前を存分に活かした描き口は、迫力がコマから溢れだす。
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ありふれた新撰組ものかと思って読み始めたらぐいぐい引き込まれた。さほど奇をてらったストーリー内容とは思えないが他の作品とはずいぶん違う印象を受けた。強気一本やり凄みを感じる場面だけではなく、息継ぎの場面も入っていてなかなかいい
いやあ、作者はよくもここまで新撰組の一人一人のイメージを膨らませたものだと感心してしまいました。漫画は、いえ、蓋し創作というものは受け手が楽しめればいいのだと言うことにあらためて気づかされました。これは青春活劇でございます。歴史考証などといわず是非是非ご一読をお奨め申し上げます。
リアルさを追求してる漫画だと思います。新撰組をよく知らない人も、これが入門書だったら相当楽しめると思いますし、そんな素敵な入門も無いだろうなってぐらい、良い作品です。着眼点がなかなか研究されてるんだろうなって思います。
Posted by ブクログ 2018年10月30日
新選組一番隊組長沖田総司。その少年時代から物語は始まります。
剣の才能に恵まれ、白河藩の御前試合に臨んだ沖田少年に待ち受けていたものは…
表紙の純朴な少年が、どうあって壬生狼の一員になっていくのか。彼の短い人生、剣の道、武士道、殺し合い、どういう成長をしていくのか、ですね。
林太郎・みつ夫婦がよ...続きを読むい。お調子者の林太郎とかかあ天下のみつ。
調子乗って、京都へ行っちゃうんだよなぁ。新徴組加入のいきさつはどうなるんだろ?勢い余って引くにひけず、って形かなぁ?
Posted by ブクログ 2017年03月12日
#本
主人公・沖田総司をはじめ、歴史に名を残す「普通でない人」たちを、リアルな人間として描いているところが面白い。
といっても、そのリアルは「自分と同じ」という等身大の共感に基づくものではなく、「この時代のこういう奴は、こういう時こんな風に反応するのか」という異質な人間の中身を間近で観察している感じ...続きを読むだ。
作者の作品は昔「アグネス仮面」を読んだことがある。幕末といいプロレスといい、豪快な変人が闊歩する、雑多で奇妙でおおらかな世界が作風に合うのかもしれない。
Posted by ブクログ 2013年03月21日
新撰組の沖田総司を主人公にした剣術漫画。
剣術の神童、沖田少年が御前試合で勝利するところから物語が始まる。
極真っ当な正統派の時代剣術漫画で、雰囲気的には井上雄彦のバガボンドに近いかな。
画力と構成力が高いので非常に読みやすいし、読んでいて面白かった。
Posted by ブクログ 2011年04月25日
この物語は、沖田総司(惣次郎)12歳、白河藩の剣術指南と立ち会い、勝ちを収めた、というエピソードから始まる。
総司主役で12歳!江戸の試衛館時代の話からスタート!
これだけで心躍る設定ですぐさま買い求めたんだけど、実際に読んでみたらこれがまた面白い!
青年誌っぽい絵柄で人を選ぶ、というような評を...続きを読む見かけたけれど、なんの、うまいし迫力もあるし、何より人物が活き活きしている。
沖田少年の表情がいいよね。子どもらしくて、喜怒哀楽のはっきりでる顔。
従来の沖田のイメージで読むと違うかも、というような評も見かけたような。
たしかに儚い系や美少年系を期待すると違うかもしれないけど、「生意気盛りの明るい天才少年」というこの漫画の沖田像もすごくいい。
変に達観していないというか、傲慢だったり天狗になってたりするのが、ちゃんと子供らしくて。
それに、そんなに従来のイメージと離れている気もしないな。あんまり物を深く考えない(=感覚的な)たちの沖田ってけっこう見かけるよね(笑)。
剣は天才的なのに、性格が未熟で発展途上なのが、読んでてとてもおもしろいし、先が気になる。
十分、“かわいい”沖田総司だと思う。
ただ、まだ重要キャラが近藤勇しか出てこないのと、切腹&介錯のシーンや拷問のシーンがリアルで、ちょっとでもグロいのがダメなひとは厳しいかも。
2巻以降は、なじみのキャラも出てくるし、話的にもとっつきやすくなっている気がする。
1巻と2巻両方(土方ファンなら3巻まで)同時に買うことをおすすめします(笑)。
新撰組といえば、かっこよく素敵に描かれることが多いですが、ちゃんとみんなちょんまげで、内部の裏切りや処罰もしっかり描かれてます。考えさせられます。沖田がカッコいい感じじゃないの面白い。主人公が沖田なので、どこまで描かれるのか、、、新撰組の最後まで続いてほしい、、、!
新選組ものです。
面白いのは面白いのですがその分進み具合もかなり遅いですw
沖田総司の少年時代から話が始まります。
まだあどけなくてかわいいです。
Posted by ブクログ 2013年08月14日
7巻まで読み終わる。
沖田総司を主人公にした新撰組マンガ。美形の天才剣士(労咳持ち)という属性持ちの沖田総司は、その反面、土方歳三や近藤勇と比べて、あんまりエピソードというエピソードがないんだよねぇ。なので、脇役としては見栄えがいいけれども、主役としてはちょっと荷が重いような気がする……と思ってい...続きを読むたのだけれど、ちゃんと物語が成り立っているところは、作者の力量によるところか。
というよりも、新撰組マンガが出続けた結果、ある程度の要点の押さえどころが作り手にも周知されつつある……ということかもしれない。あと、「有名藩士や志士がどんなキャラで出てくるのか~」という見所もあるし。このマンガの場合は史実にも沿っているし、これまでの作品から継承しているフィクションとしての新撰組にも目配せしてる。このバランス感覚は特筆されるものがある。
絵や雰囲気は、井上雄彦と岩明均の良いところを合わせた感じ。主人公の沖田総司はまんま岩明キャラだよねぇ。で、その他が井上キャラっぽい。『バガボンド』や『ヒストリエ』でも観られる、「刃物が当たると死ぬ(切断される)」という描写も受け継いでいると思う。反面、人物の書き分けができていないような気がする。特に、山南とか永倉とか。一枚絵で描くと違うんだけれど、ちょっとしたコマ(面を被っているところとか)では、誰が誰だか分からん場合が多い。
ちょっと面白いと思うのは、新撰組の中核を成す近藤勇と土方歳三が、試衛館時代を描いている序盤でも、あまり表に出てこないというところ。近藤勇がそうなのは他の作品でもままあるのだけれども、土方が石田散薬を売り歩いている薬屋から脱皮していないのは珍しい。
久々に続きが気になる漫画だった。
Posted by ブクログ 2011年07月05日
これは面白いマンガ。どこまで描かれるのかわからないけど、この巻では沖田総司の子供の頃が描かれていて、その無邪気さが妙な史実感がする。とりあえず、1巻だけ買ってみたけど、残りの既刊分を発注した。
ご存知新選組がテーマの物語。
新選組を扱った作品は、メインに据えたもの、そうでないものを含め、ゴマンとある。
要は、幕末を扱った作品ならほぼ間違いなく出てくるというくらい、メジャーな存在。
そんな中、本作は沖田総司を主人公に据え、京に上るよりずっと前の段階からを詳細に描いている。
試...続きを読む衛館時代をここまで長く(京へ上るのは8~9巻?)扱う作品は初めてではないだろうか?
一方、新選組メンバーの中で、おそらく土方と並んで最も人気のある、「飄々とした美少年」キャラが定着しているであろう沖田総司を、顔が大きくすぐ不貞腐れる極めて人間臭いキャラに仕上げているのも新しいアプローチ。
これは新しすぎて、違和感を感じる人も多いのではないだろうか?
(もっとも、史実で美少年とはどこにも書かれていないようだが)
最初の介錯からみのエピソードも創作が過ぎる感があり、あのエピソードだけで嫌悪感を感じる人もいるのではないかと思う。
(いくら12歳とは言え、あの行為が取り返しのつかない失態であるということくらいはわかるだろう。最も、依頼する時点でありえないが)
こういう点を、プラスに評価するか、マイナスと感じるかで本作のウケは大きく変わるのではないか?
個人的には…あまり美少年過ぎるのもアレだが、本作の沖田総司はちょっと好きになれない感じ。
それにより、感情移入しにくくなってウケが悪くなると感じた。
新しいアプローチという面で、評価は出来るんだけどなあ。
Posted by ブクログ 2012年01月09日
「REGGIE」からなにがあった?モーニングで「REGGIE」という日本プロ野球界にやって来た助っ人外国人選手のマンガを描いていたヒラマツミノルが、ゲッサンで連載している新選組マンガ。つくりとしては「バガボンド」の沖田総司版と言うのが一番近いか。実際の記録をベースに、それをはみ出さない範囲でアレンジ...続きを読むしていっている。目新しさはないが、わりと面白い。ただ、突出したものはなく、このまま行くと人気がでないまま終了しそう。なにかトガリが欲しい。