【感想・ネタバレ】アサギロ~浅葱狼~ 32のレビュー

あらすじ

史潮が変わる時、新選組が進むべき道は!?

第十四代将軍 徳川家茂の死。
孝明天皇の崩御。
更に混沌としていく幕末―――

長州は徳川に弓を引き、薩摩は虎視眈々と武力を蓄える。
土佐は勤王か佐幕かで揺れ、雄藩がそれぞれに動き出す中、新選組では伊東甲子太郎が局から脱することを画策する。
対する近藤と土方はどう動くのか!?
そして徐々に病魔に身体を蝕まれる沖田の運命は!!?

幕末剣劇新選組雄篇漫画、第32巻は通常より一話増での収録。計218頁のフルボリュームで見参!

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「新撰組」の作品は数あるが、もうお腹いっぱいという人にも是非読んでもらいたい作品。
剣術メインのストーリー構成と迫力満点の立会い、そして個性豊かなのちの「狼」たちのコミカルなやり取りがこの作品の魅力だ。
沖田総司となる惣次郎は格別の強さと「頭の弱い」感じの微妙なバランスが魅力的。そして、惣次郎が慕う近藤勇は引きこもり気味だが、圧倒的な大らかさと立会時の凄まじい迫力に読んでいて引きこまれてしまう。
そんな二人が通う道場・試衛館には、竹刀剣術とは異なる「斬る」ことを主とした教えと人を引き付ける近藤の魅力で「狼」が次々に集う。一人一人の「狼」を背景から丹念に描き個性豊かに仕上げているのも作品の魅力だ。
ただ、やはり一番の魅力は見ごたえ十分の立会シーン。刀は斬れる。その当たり前を存分に活かした描き口は、迫力がコマから溢れだす。

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