【感想・ネタバレ】わが投資術 市場は誰に微笑むかのレビュー

あらすじ

個人資産800億円超。長者番付1位となった伝説のサラリーマン投資家・清原達郎。
咽頭がんで声帯を失い、引退を決めたいま、全人生で得た株式投資のノウハウを明かす

■新NISA完全対応! すべての投資家のバイブル誕生

私には後継者がいない。ならばすべてのノウハウを全部世の中に「ぶちまけてしまえ」という気持ちになった。

今や株式市場は「個人が自由に儲けることができる市場」です。2024年からは新NISAも始まりました。「やらなきゃ絶対損」という個人にとっては夢のような制度です。(本書より)

■株式投資に才能など存在しない。
「自分の失敗からどれだけ学んだか」だけだ。

《本書の内容》
市場はあなたを見捨てない/すべての情報にはバイアスがかっている/ヘッジファンド創設への道のり/割安小型成長株の破壊力/地獄の沙汰は持株次第/REIT 落ちてくるナイフを2度つかむ/実践のハイライト──ロング、ショート・ペアートレード/やってはいけない投資/これからの日本株市場/10年以内に起きる破滅的リスク ほか

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Posted by ブクログ

長者番付第1位にもなった著名な投資家(タワーK1ファンド経営者)による経験談。完全に理解できたわけではないが、今まで行ってきた投資の成功、失敗についてかなり深く述べているように思う。とても勉強になった。

「ハードルレートとは成功報酬をもらうためには最低このぐらい儲けてくれよ、という基準です。我々のファンドのハードルレートは3%でした。運用フィーが1%かかるので4%以上儲けないと成功報酬はゼロです」p3
「大勢と同じ考えやポジションを持っていると間違ったときに大損しやすく、少数派の考えやポジションであれば間違っても損失が少ない」p18
「とにかく値上がりした株はできるだけ買うのを避けるのが私の基本的な考えです」p36
「大型株で投資家が儲けるためには「市場が見せる一瞬の隙」を逃さないことです。まあ割安小型株の場合には驚くほど隙だらけなのですがね」p43
「個人投資家が日本の大型株に分散投資をしたいならTOPIXのETFが一番合理的」p50
「出会いを大切にする。自分に実力があって人としての信頼があれば、良い話は向こうからやってくる。ここぞと思ったときには思いっきり自分をアピールする」p55
「(ヘッジファンドの私の定義)1 ロングだけでなくショートもできる。2 成功報酬が大きい。典型的には1・20ストラクチャー(ワン トウェンティー ストラクチャー)と呼ばれ、運用フィーが運用資産(AUM)の1%、成功報酬が儲かった分の20%。3 運用責任者の金融資産の相当部分がファンドにつぎ込まれている」p85
「ボラティリティーをリスクと勘違いしている金融関係者が多すぎます」p87
「リスクのないヘッジファンドなど存在しません」p87
「私はリスクのない世界は「死んだ世界」だと思っています。人間は生きている限りリスクから逃れられません」p89
「ヘッジファンドは自分のアイデアに自信があるときは力いっぱい勝負しなけりゃいかん」p90
「築年数30年の物件を買ってポートフォリオに入れると、その30年分の減価償却費の積み立てが最初からないわけですから、基本、建て替え時に償却費の積み立て不足に直面するわけですよ」p108
「今の日本の長期金利を前提にすると、PERが10倍以下の株は総じて信じられないぐらい割安。長期金利が3%まで上昇してもまだ十分に割安」p109
「(似鳥社長)これだ、っていう優秀なやつ見つけたら、どこまでも追いかけて絶対にうちで働いてもらう。それが社長の仕事だ」p185
「小型株投資は個人投資家の方が機関投資家より圧倒的に有利です。ヘッジファンドを新たに始めるなら、AUMが小さいうちに小型株でパフォーマンスレコードをつくっておくのがマーケッティングを楽にする一番の方法です」p188
「我々が危機に落ちいった理由を整理してみるとこうなります。1 リーマン危機前、すでにショートで大損してNAVが激減していた。結果としてロングポジションのNAVに対する比率も激増し、マージンに余裕がなくなっていた。2 ファンドの投資家の半分が解約した。3 プライムブローカーからマージンのルール改定(株の担保価値引き下げ)の申し出があった。4 リーマンショックで小型株がさらに下がった」p199
「(落ちてくるナイフを2度つかむ)底値付近で買おうと思ったら落ちてくるナイフをつかまなきゃ」p229
「マイクロプラスチックの主要な発生源はどうやら洗濯機の排水だとわかってきた。ポリエステル繊維などの合成繊維から微小の粒子が無数に発生するのです」p283
「エリートコースから外れ、死に体企業のCFOになって悪事を働く証券会社のOBは後を絶ちません。気を付けましょう」p295
「人間には快適に暮らしていくだけの収入が必要です。しかし、それ以上の幸福感を得るためには「なんでもいいから他人の役に立っている」という実感が必要なのではないでしょうか」p314
「(清原達郎)ファンドを閉じる際の個人資産総額は約800億円を超える」p319

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2025年04月25日

Posted by ブクログ

機関投資家の参加しにくい小型株は、しばしば本来の価値より安く放置されていることがある。PERとネットキャッシュ比率のスクリーニングにより小型割安成長株を見出す手法が詳解されている。

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2025年04月19日

Posted by ブクログ

難しい。が、ところどころ勉強になる部分もあり、なにより株式投資にはこのような気概や観点が必要であることを知れたのがとても新鮮だった。

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2025年02月24日

Posted by ブクログ

★コントラリアンの尋常ならざる気迫★長者番付トップで名前を見て以降、どんな人なのだろうとずっと思っていた。比較的軽いタッチで書いているが、逆張りを徹底できる激烈な人であることは透けて見える。ファンドの基準価格の上げ下げ、そして自分の金融資産をほぼすべてつぎ込んでいること(確かにそうしたファンドでなければ信用できない)に耐えられるのも、もちろん並の神経ではない。

株式投資で小型割安成長株に投資すれば、自分の判断が間違っていたからといって損をするとは限らないし、正しかったもうかるとは限らない、ということを冒頭に持ってくる。なるほど。

PERで単純に割安を判断することに感じていたモヤモヤ(資本と借入の構成で変わる)についても、キャッシュニュートラルPERという視点で整理する。
▼キャッシュニュートラルPER=PER×(1ーネットキャッシュ比率)
▼ネットキャッシュ比率=(流動資産+投資有価証券×0.7ー負債)/時価総額
▼ネットキャッシュ→会社が赤字になろうが売れる資産

消費者金融や不動産、銀行などイメージの悪い業界ほど可能性があるという。最大のヒットはプレサンスとのこと。確かに大阪に行くと林立するマンションを見て、いまなら強さをはっきりを感じられる。社長個人の資質をリサーチできなければ、個人投資家にはリスクが大きいが。

会社の規模拡大とともに競争力を高められるのか、それとも将来需要を先食いしているだけなのか。企業分析で重要な視点だ。

野村証券からゴールドマンサックスを経てヘッジファンドに至るまで、自分の価値をどうやったら最大化できるのか極めて意識的。その経緯もとても面白い。

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2025年01月18日

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著者の投資人生がよく分かる本。
内容は具体的に銘柄名や損得の額まで書いてあり、理解しやすかった。
投資の教科書としては最適な本だと思った。

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2025年11月16日

Posted by ブクログ

市場は時に冷たく、でもそこにただよう確かな温度もある。
清原達郎の『わが投資術 市場は誰に微笑むか』は、計算された数値の世界に身を沈める日々の中で、その細部に宿る異様な執着と狂気を感じさせる。適正PERやネットキャッシュ比率を丹念に追う様子は、まるで夜の静寂にこだまする独り言のように刺さる。逆張りを貫く孤独な覚悟には共感できるが、専門用語が並ぶページには何度も心が折れそうに。とはいえ、その難解さが逆に、市場を深く知りたいなら避けて通れぬ異境だと教えてくれる。投資を生活の一部とする人間のリアルな葛藤と理論の狭間が絶妙で、読みながら自分の不完全さにも目を向けてしまった。そこがこの本の面白さだと思う。

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2025年10月23日

Posted by ブクログ

話題の本なので手に取ってみたところ、著者のキャラクターや考え方が出ていて、読み物として面白くすぐに読み切ってしまった。

ファンドマネージャーが、何百億かける投資先の経営者の見方の版画あれば面白いけど、まぁ出ないと思っていたところに、本書がハマった。

投資スタイルは千差万別だけれども、著者のスタイルとその考え方、いままでの成功と反省が述べられており、衝撃を受けた。

また、投資関係なしに、金融リテラシーというか、自分の頭で考える力を養えると思う。読者関係なく、読んでおいて損はない一冊だと思えた。

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2025年06月20日

Posted by ブクログ

大変面白い。
投資の話や考え方の話は専門用語が多く、私にとっては難しい本でした。
しかし投資術以上に、投資を生業として歩んだ人生から、気概や生き方を学びました。

お金を稼ぐことより、誰かのためになっていると感じることが幸せ。
誰よりもお金を稼ぐことにこだわった人が放つこの台詞に本物の重さを感じた。
サイコーですね。

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2025年06月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2回目の読破。個別株投資について、6ヶ月から数年単位で保有を目指す人は是非読むべき。今の時流であるインフレの時流に乗るためにも、投資を検討する人には学びが多い。

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2025年03月23日

Posted by ブクログ

銘柄の「視聴率」が低い方が猛者は少ない。小型でも人気テーマ化すると掘り出し物は探しにくいと思われる。

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2025年03月02日

Posted by ブクログ

成功したヘッジファンドのマネージャーが、自分自身の運用経験に基づいて、株式投資について書いた本なので、非常に説得力がある。
銘柄の選定方法など、今後の株式投資の参考にしたい事が沢山あった。

上昇トレンドでは順張りが速いとは思うけれど、やっぱり逆張りが正解かな・・・・。

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2025年01月14日

Posted by ブクログ

2024年度の実用書部門第1位候補。(私的ランキングです)
清原氏の投資ノウハウが惜しげもなく明かされており、109ページの適正PERの考え方などは明快で秀逸。
珠玉のノウハウを知っても必ず儲かるわけではないが、一部でも忠実に実践したら相当に勝率が上がると思う。
内容もさることながら、本書がすごいのは単純に読み物としても面白いところ。独特の語り口で示された清原氏の投資哲学、信念にも深く共感した。
何度も読み返すであろう一冊に出会えて嬉しい。

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2025年06月25日

購入済み

経験者でも十分に役立ちます

経験と言っても、気に入った企業へ投資している程度ですが。
某ネット通販で売上1位と新聞広告にあり取り寄せました。
「どうして値上げして高くなったものに群がるんだろう」 清原氏のスタイルはその真逆、安く注目されていない銘柄を集めます。その方法は本書にて。
失敗談も赤裸々に語り、全く偉ぶってない書き方も好感が持てました。

#アツい #タメになる

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2024年04月06日

Posted by ブクログ

上がる株を捉えるのではなく、浮上するまで待つということは原則であるということを学んだ。
個人投資家だからといって証券会社員の話を聞き参考にするのは一概には難しいな・・・

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2025年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

たまーに野村證券への皮肉を挟むけど、参考点は多い。

株の決めつけは禁物。100%はあり得ない。なぜか?そこで思考停止してしまうから。失敗しないということはそこから何も学べないことにつながる。
情報について、誰が発信したのかを確かめる。信頼度が低いものには近付かない。さらに過去の実績が良かったからといって今後も良いとは限らない。

ヘッジファンドって何?P85
適正PERとは?P97
小型株が割安である理由?P124

人々が当然だと思っていることと現実が違うということ。←ここを探ることが株式投資において重要な概念となる。

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

決算書を読みこなせないとわからないと思うが、説得力がある
ジェットコースターのような暴投暴落にファンドの大変さが伝わってきた

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2025年09月29日

Posted by ブクログ

株での儲け方がわかるんじゃないかと思ってこの本を手に取った人はつまらないと思うかもしれないな。でも、商売のキホンである「安く買って高く売る」を徹底してやるために、いろいろな努力をされてきたのがよくわかります。あっさり書いてるけど、大変だったんだろうなと。

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2025年09月23日

Posted by ブクログ

伝説の投資家の清原さんの著作。

野村證券時代の豪快なエピソード、投資顧問会社での経験、割安成長小型株の優位性、確かな投資哲学、品性とユーモアがギリギリ調和しているキャラクターの印象を持ちました。

特にネットキャッシュ比率と言う概念を知れたのは良かったです。
※簡単に言うと流動資産と有価証券(に一定の比率をかけたもの)から負債を引いた金額/時価総額で、会社を丸ごと買収したら現金がどれくらい手に入るか。イービッダーに近い概念でしょうか。

HEMさんの増配株投資と含めて小型株投資のバイブル本と呼べるでしょう。

一度ではエッセンスを完全には理解出来ない濃厚な一冊でした。折を見て読み返したいと思います。

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2025年05月13日

Posted by ブクログ

会社の後輩に勧められて読んだ本。

専門的な用語もたくさん出てくるが、知識がなくても比較的読みやすいとは思いました(もちろん、金融の知識があったほうがいいです)。

「市場は誰に微笑むか」というタイトル。百戦錬磨の著者が語ると重い言葉。

本書とは少し話が逸れますが、私は日頃後輩の仕事ぶりに感心していました。こういった本を読みながら勉強してるんだなと思うと個人的に嬉しくなりました。

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2025年05月07日

Posted by ブクログ

確率の話しは難しかったが、他の内容は語り口調で読みやすい。真の投資家の仕事への考え、姿勢が分かった。

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2025年05月07日

Posted by ブクログ

個人資産800億を持つ伝説の投資家清原達郎氏の投資哲学と投資手法を記述した本。新卒で証券会社に入社した私にとっては理解が難しい部分もあった。彼は小型割安株のショート、大型株のロングでポジションをとっていた。そこに至るまでの経験を赤裸々に記している点から、彼は長者番付で一位になった自身のノウハウを参考にしてほしいという強い意志が感じられた。あくまで彼の思考哲学に基づく投資手法であるため私に適切であるかどうかはわからない。しかし、株を極めた先人の一つのモデルケースとしてしっかり頭の隅に置いておきたい。

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2025年05月05日

Posted by ブクログ

理解するには難しい内容だけど、シンプルに読み物として面白かった。
会社の成績は社長次第というのはひしひし感じるので大きな勝負をするならその人となりを理解しないといけないのはよくわかる。

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2025年04月26日

Posted by ブクログ

読書に右脳も左脳も行き来して使うので難しかった。けど、面白かった!
株で勝つ方法とかテクニカル分析の読み方とか表面的な株の話しを期待して読む本ではない。
いまだから話せるぶっちゃけエピソード満載で、そこまで言って大丈夫?というレベルで読んでて楽しい。
200万円あったらこう投資する例も書いてあるので、ありがたい。
メルカリに出品せずに、もう1回、いやもう2回ぐらい読み返してみようと思う。

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2025年03月16日

Posted by ブクログ

鬼メンタル。プラス徹底した研究と勉強、そして向上心を忘れなかった人。運にも恵まれているかな。

参考になる部分はもちろん多々あった。しかし万人がこの投資スタイルを貫く事となるとやはり至難であろう。もう10年早い時期にこの本に出会っていたら、私の投資スタイルは大きく変わっていたかもしれないが。

ともあれパッシブ運用だけしていればいいという手法には違和感を感じていて、個別株への投資にも魅力を感じている私にとっては魅力的で学ぶことの多い本書であった。

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2025年02月24日

Posted by ブクログ

実体験ベース
単純に平均perでしかバリエーションの測り方がわからなかった自分としては、バリエーションの評価方法についてもっと学びたくなった。

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2025年10月20日

Posted by ブクログ

いろんな投資のやり方があるんだなぁ。

分散投資を投資対象にも時期にも当てはめろ、
その際たるがインデックス型の投信である、
というのが一般に広く言われる投資法。
でも、これは大きくは育たない。

アナリストがカバーしていない、すなわち、
市場を出し抜ける可能性ある、
小型の割安株を徹底してリサーチの上、見つけて
投資する。

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2025年07月04日

Posted by ブクログ

株式市場はまるで気まぐれな女神のようだ。清原達郎は『わが投資術』でその気まぐれに挑み続けてきた。彼は流行に踊らず時に孤独を選び自らの分析と信念で銘柄を見極める。短期の浮き沈みに惑わされず企業の本質を見抜く眼――そこにこそ投資の醍醐味があると説く。市場は常に正しいわけではない。だが、信念をもって歩む者には時に静かに微笑み返す。誠実な知性に報いるそれもまた市場の顔なのか。

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2025年06月22日

Posted by ブクログ

ファンドを運営する人の本
「割安かどうか」や「チャンスが来た時にすぐ動けるよう情報収集が終わっているか」など、確度を高めるための余念のなさを感じる。

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2025年05月08日

Posted by ブクログ

投資術が主題であれば、自分語りは不要で、投資手法とそれに至った経緯だけで充分。投資手法は参考になった。

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2025年04月07日

Posted by ブクログ

難解でしたが、こんな人がいるんだなぁと伝記のような気持ちで読む。個人株主は、ひたすら割安化な株を探して待つのが良いのかな。とりあえず詐欺には合わないようにしたいなぁ。

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2025年03月18日

Posted by ブクログ

血を吐くほどのプレッシャーと引き換えに富を得、健康を損なうのは価値観と違うが、そこまでやれるのは本分なのだろう

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2025年02月08日

「ビジネス・経済」ランキング