【感想・ネタバレ】三体0【ゼロ】 球状閃電のレビュー

あらすじ

謎の球電に魅せられた青年【陳/チェン】は、研究を進めるうち思いも寄らぬプロジェクトに巻き込まれる。〈三体〉シリーズ衝撃の前日譚文庫化

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Posted by ブクログ

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三体シリーズの前日譚

三体に出てきた人物や描写の背景など本編をさらに深掘りもしてくれた一冊。

球電という自然現象をめぐる科学者の話。科学は純粋な研究にもなるし、恐ろしい兵器にも転用できてしまい、ほんとに使い手次第になってしまう。

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2025年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『三体』の前日譚という触れ込みであったけれど、実際には丁儀という物理学者が共通して出ているという程度で、話の繋がりはほとんどない。
が、そんなことはどうでもよくて、『三体』に比べて圧倒的に若書きで詰め込み過ぎなのが気になってしょうがなかった。

出だしは面白かったんよ。
14歳の誕生日に、目の前で両親が球電によって灰にされた陳は人一倍死を怖れながら、球電に魅せられ、物理学徒となる。
最初は気象を学んでいたが、自分が知りたいことは物理を学ばなければ分かり得ないと気づき、ひたすら球電についての研究を一人で行っていた。

ところが軍属の美女・林雲と出会ったところから、急速に物語は加速していく。
究極の兵器づくりだけを追い求める林雲とは目指すものが違うはずなのに、彼女に引きずられるように球電を兵器として活用するための研究を始める陳。

量子力学っぽい話が出てきて、なんだかシュレーディンガーの猫の話になりそうだと思ったら案の定。
観測者の有無で消失までの速度が変わる?
人間だけじゃなく、そこに観測装置があれば存在できない?
観測の意志を球電はどうやって判断するというのか?

空気中に存在するという、見えない球電の卵を捕獲する方法も、今一つ曖昧だし、球電が向かいターゲットに指向性があるってどうやって分かった?
そして、その球電が何をターゲットにするのか、どうやって分かった?
実験して、分析して、何年もかかりそうな家庭はさっくり端折って、何千もの球電を捕獲って、全然現実的じゃない。
プロットが足りなすぎる。

林雲の恋人である江星辰が戦死したとき、ガンダムのウッディ大尉みたいな人だったなと思ったせいか、後に球電の兵器としての使われ方、周辺の電波の遮断もまたミノフスキー粒子の二番煎じみたいだと思ってしまった。

中国とアメリカとの戦争で海戦と言えば、日本は絶対に巻き込まれているはずなのに記載なしなのは、まあしょうがないとして、絶体絶命だった中国が結局連合国軍に勝って終わるというのもリアリティがなあ…。

そして、丁儀が陳にその後の林雲について話すのも、さらに戦後の彼らの生活も、もはや蛇足。
とにかくエキセントリックと言えばいいか、誇大妄想狂気味の林雲の行動を正当化するための言い訳にしか見えない。

第一部だけを丁寧に書き込んでくれれば良かったのに。
残念。

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2025年10月03日

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ネタバレ

これは三体シリーズに位置付けていいのか?
本国では三体とは銘打っていないらしい。
それを抜きにしてなかなか面白かった。

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2025年09月05日

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やはり面白かった。『三体』三部作のスピンアウト作品、と位置付けされているが、先にこちらを読んでから、三部作を読む順番の方が良い気がする。
というのは、本作品では、球電の謎が解き明かされていくに従って、量子状態やマクロ電子など取っ付きにくい言葉で説明される超(?)自然現象が、あたかも我々のいる世界で起きているかのようにすっとイメージを抱けるのではないかと思ったから。
ある程度の現代物理学の基礎知識があった方が楽しめるシリーズだと思うので、三部作の壮大×100倍位のスケールで、いきなり馴染のない言葉を追っかけるよりも、まず我々の世界と地続きにある本作品の世界で馴化しておくと、より楽しめるのではないと思った。といいつつ、読みこなすひと手間もSFの醍醐味ではある。

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2025年05月16日

Posted by ブクログ

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やっぱしスケール、規模感よな

扱う内容がどれも自身の生活の範疇を超えすぎていて、ニヤけてしまう。
最強の武器とは?球電とは?

そんなスケールを扱いつつ、叙情的でいちこましい描写が並び、そちら側でない人間の心にも寄り添ってくれたりしてにっこり。

男と女の関係性に関しては今作もほぼノータッチ、一方通行な恋慕があるだけ。まあこの作品はそれでいいんですよ。男女の関係はここに求めていないから。

シュレディンガーの猫やシェイクスピアを引用した人間存在が描かれているのは興味深いし、様々な武器を紹介するところは驚きとともに恐怖でもある。液体地雷とかね。

SFが強みだけどサイエンスフィクションの先端に行くに哲学的問が開かれその結果、見事にミクスチャーされ、面白みが増大する

また時間ができたら三体読もかな

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2025年04月12日

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