あらすじ
元平戸藩主、松浦静山に気に入られ、たびたび下屋敷に呼び出されるようになった雙星彦馬。妻の織江を探しに江戸へ出てきたのだが、天体観測を付き合わされたり、巷で起きる事件の調査を頼まれたり。そのため彦馬の織江探しは、静山が綴る「甲子夜話」のようには着々と進まない。だが彦馬は知るよしもなかった。お庭番の密命を帯びた織江が、飯炊き女になりすまし静山の下屋敷に潜入していたことを。大好評のシリーズ第3弾。
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Posted by ブクログ
取り敢えず前巻最後で大ピンチだった織江が無事でよかった(爆)。
今回の謎解きは相変わらずのお気楽なものに混じって
殺しの下手人をあげるといった若干シリアスなものも含まれている。
それでもいつも通り飄々と謎を解いてしまう彦馬と
織江が彦馬に惚れていることに薄々気づいたらしき川村真一郎が
恋愛感情剥き出しで突っ走りそうな勢いになっている不穏な空気との対比が
このふたりの心持ちの余裕の有無を表している気がして興味深い。
この辺りからだいぶ静山が書く『甲子夜話』に絡めた話運びが多くなってきたような感じ。
この巻では適当に話題が散らされていて、話が急激に進展しないので安心して読めた気がする。
とはいえ、だいぶハマらされてきている(爆)。
続きが気になってしょうがない。いっそのこと買っちゃえって思うくらい(笑)。
余談だが、本編とは関係が薄い薀蓄が唐突に挟み込まれているのも面白い。
この巻では妻恋稲荷の現在の姿を解説してくれていたのが嬉しかった。
まさか時代小説で『ラブホテル』という単語を目にする日が来ようとは(笑)。