19世紀、英国ロンドン近郊のリーフスタウンヒルには小さな仕立屋「薔薇色(ローズ・カラーズ)」。売り子である友人パメラとともにこの店を営む少女クリスが仕立てるドレスは恋をかなえてくれるという噂がある。噂を耳にした公爵家の長男シャーロックが妹のためにドレスを頼みに来て…というお話から始まる、短編集を挟みながら長く続く少女向けライトノベルです。これを「ラノベだから」と見逃すのはもったいない! 上流階級のシャーロックと労働者階級のクリスの恋を通底に、1冊ごとにドレスを仕立てたい令嬢たちを主役としたお話が完結しますが、「恋のドレス」とそれに対立する「闇のドレス」も登場し、ミステリの要素も。ヴィクトリア朝における身分違いの恋を描きながら、恋愛関係やご都合主義だけに終わらず、母娘や夫婦などの人間関係を含めて、登場人物たちの葛藤や成長が丁寧に表現されている非常に優れた少女小説です。シリーズの主人公2人の行く末が気になって、どんどん続きを読みたくなってしまうので、大人買いがオススメ。
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Posted by ブクログ
ついに読み終わってしまった。
と思う反面、もう睡眠不足の日々を送らなくていいんだとほっとしたりする。
単身で渡米したとき、はじめてクリスのことを好きだなあと思えました。
が、その後のクライマックスのためであるとは理解できても、我を通してシャーロックに大切なものを捨てさせてたクリスのことはやっぱり最後の最後まで好きになれなかった。
本当に傲慢なのはシャーロックではなくて、アルフレイドでもなくて、いつもいつもクリスだったと思う。
クライマックスのソフィア母の機転と、上級使用人達の道理をわきまえた素晴らしい言動は、英国人らしさをよく描写していてとても好き。
アディルが結婚相手の王子と出会うことになったエピソードも読みたいなあ。でないとジャレッドが不憫すぎて報われないと思います。
大満足の27冊でした。今月末に出る短編集もとても楽しみ。
新作の上海租界ものは、題材としてはものすごく興味があるけど
きっとまた雰囲気重視で、いろいろ小さいけどだからこそ大切なものがおざなりにされて結果世界観も雰囲気も台無しになる、という現象がおきると思うのできっと読まない…。
ヴィクロテも、ファンタジーなら気にならなかっただろうに、空気感がよく書けていすぎるだけに、かえって粗が目立ってちぐはぐさが浮き上がってしまっていて、ときどき無性にむずがゆくてしょうがなかった。それでもシャーリーが愛しすぎて一気読みしちゃったけど!
Posted by ブクログ
このシリーズはどこへ向かっていくのかと心配になることもあったけど、無事大団円を迎えてくれてよかった。いろいろな問題も一応(ほんとうに一応だけど)決着をつけてあって、最後にうろたえるシャーリーと例のあの幻のメニューが見られてハッピー。
Posted by ブクログ
長年続いたヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズもついに最終巻。
最後だからと言って突然派手になるわけでもなく、優しく落ち着いたこのシリーズに流れる空気感そのままの、素敵なエンディングでした。
私はこのシリーズの、あたかかったり可愛らしかったりする少女小説特有の空気の中にひっそりと落ちる影みたいなものがとても好きで、それが最後まで失われなかったことが何よりうれしかったです。
初回版についてくる小冊子には、以前シャーリーとクリスが二人でともに過ごした夜のことが描かれていました。
正直色々疑っていたので…シャーリーに謝らなくてはという気持ちです。
青木先生がblogで今後番外編も書く予定だとおっしゃっていたので、そちらも楽しみにしたいと思います。
とりあえず…ローストビーフおめでとう!!!
Posted by ブクログ
シャーリーは最後までヘタレだったな……。結婚式でのあのシーンに思わず爆笑してしまった。
最終巻はちょっと急ぎ足でさくさく進んだような気もするけど、今までがじれったすぎたのでこれはこれで。いいラストでした。