あらすじ
リボンを愛するちいさな淑女フリル(「恋のドレスとプリンセス・リボン」)、詩人に恋愛指南されながら失恋ばかりのジェイン(「黄色い花の法則(ルール)」)、舞台役者キースに心酔するエル(「さびしがりやの王子」)、雑貨屋で見かける謎の青年に想いを寄せるダイアナ(「あなたに眠る花の香」)。恋のドレスを求めて『薔薇色(ローズ・カラーズ)』を訪れる少女たちの物語に、クリスとパメラの出会い編を収録した番外短編集。
...続きを読む19世紀、英国ロンドン近郊のリーフスタウンヒルには小さな仕立屋「薔薇色(ローズ・カラーズ)」。売り子である友人パメラとともにこの店を営む少女クリスが仕立てるドレスは恋をかなえてくれるという噂がある。噂を耳にした公爵家の長男シャーロックが妹のためにドレスを頼みに来て…というお話から始まる、短編集を挟みながら長く続く少女向けライトノベルです。これを「ラノベだから」と見逃すのはもったいない! 上流階級のシャーロックと労働者階級のクリスの恋を通底に、1冊ごとにドレスを仕立てたい令嬢たちを主役としたお話が完結しますが、「恋のドレス」とそれに対立する「闇のドレス」も登場し、ミステリの要素も。ヴィクトリア朝における身分違いの恋を描きながら、恋愛関係やご都合主義だけに終わらず、母娘や夫婦などの人間関係を含めて、登場人物たちの葛藤や成長が丁寧に表現されている非常に優れた少女小説です。シリーズの主人公2人の行く末が気になって、どんどん続きを読みたくなってしまうので、大人買いがオススメ。
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