あらすじ
当初、二百回ぐらいの約束で、新聞連載が開始されたが、作者の意気込み、読者・新聞社の熱望で、千余回の大作に発展した。一度スタートした構成を途中から変えることは至難だが、さすがは新聞小説の名手。ただし構成は幾変転しようと、巌流島の対決で終局を飾ることは、不動の構成であった。作者が結びの筆をおいたとき、十二貫の痩身は、十貫台に--。文字通り、鏤骨の名作。
...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント /
※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
よくよく考えると武蔵と小次郎の対決の必然性がお世辞にも滑らかに、自然な形で導入されていないな、これは大きな弱点。
ただそれを補ってあり余る魅力が満載、この巻の小次郎との最後の対決シーンもそうなんだが、戦いの場面の文章が凄い。
映像が浮かんでくる表現とはまさにこの作品に当てはまる。
でも詰まるところ本作の魅力は最後の文章に詰まってるんだろうな。
『波にまかせて、泳ぎ上手に、雑魚は歌い雑魚は踊る。けれど、誰か知ろう、百尺下の水の心を。水のふかさを。』