あらすじ
「女の子になりたい男の子」二鳥修一と、「男の子になりたかった女の子」高槻よしの、そして、個性豊かなふたりの仲間たち。皆、それぞれに「大人」への階段を昇っていき、そして…。十年以上に渡って、思春期に揺れ動く少年と少女たちを瑞々しく描き出し、テレビアニメ化もされた大ヒット作、ついに完結。
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女の子になりたい男の子二鳥くんと、男の子になりたい女の子高槻さん。性を意識していなかった小学生時代から始まり、クラスメイトから変態扱いされてしまう中学生時代、そして、別々の学校に進学する高校生時代へ。はじめは家族と親しい友人だけで完結していた生活から、だんだんと人付き合いの幅が広がり始めます。これまでは人から傷つけられることは少なかったけど、この先出会う人たちはどうなんだろう?悲しいことが起こらないといいなぁ。と、ちょっと心配。
自分の気持ちに戸惑い、モヤモヤゆらゆらする2人を見ていると、なにがあっても健やかに大きくなれよーと思わずにはいられません。気分は親戚のお姉さん…。
10年以上に渡った連載も『月刊コミックビーム』の7月12日発売号で最終回を迎えます。完結目前のこの機会にぜひ!
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Posted by ブクログ
これは、男の子になりたい女の子と、女の子になりたい男の子という2人で1つだった存在が分化(人はそれを成長とよぶ)していく物語だった。表紙を見ればすぐわかることなのに気づかなかった。1巻の2人はうりふたつなのに、14巻の2人はどうみたって別々の人間。女の子の格好をした男の子と、男の子の格好をした女の子なのだ。
だから二鳥くんと高槻さんが恋人になるわけがなかった。
最後に二鳥くんと高槻さんが手をつないだ時、女として生きていくことを受け入れた高槻さんは1人で涙を流していた。そのシーンの見開きの半分では、二鳥くんがあんなちゃんとキスをしている。そして二鳥くんはあんなちゃんに「女の人になりたい」と言う。
これが、2人が分化する最後の地点。ここを境に2人は1人と1人になる。これは2人の終わりであり、1人の始まりの手繋ぎだったんだ。
この地点に至るまで、2人をおし進めたのは、誰かではなく、彼ら自身なのだという事実が切ない。高槻さんが女の子の格好をすることを肯定したのは二鳥くんだった。それゆえ、高槻さんは女の子になり、二鳥くんへの気持ちに気づく。高槻さんは告白し、二鳥くんはそれを断り、高槻さんと二鳥くんは離れていくことになる。最後に手をつないで。
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読み終わった後は、切ないとしか言えなかった。高槻さんに感情移入してしまって。その時は気づかなくて、気づくのはふと、突然で、でもその時にはもう手に入らない。それでもあんなちゃんを選ぶ二鳥くんは正しい。その正しさが、現実感を与えているし、切ない。
「ぼくの記録」で終わるのだってそう。分化してしまった二鳥くんは「ぼくたち」じゃないんだ。「彼女とぼくは同志だろうか?」と、ソウルメイトみたいな感じで終わらないのが切ないし、とんでもなく現実だと思う。高槻さんとの時間は、事実としてあるだけ 「片方は男の子になるのをやめた。それだけのこと。」なのだ。
続きが読みたい。めちゃくちゃにそう思った。けど、それは野暮なことなんだ。これが人生なんだし、ここで二鳥くんと高槻さんの記録は終わったのだから。続編があるとしたら、それはまた別の名前の物語だ。
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とにかくみんないい子で、みんな愛しい漫画だった。高槻さんは、年を追うごとにうじうじに。二鳥くんは、年を追うごとに淡々と。千葉さんは、高槻さんと二鳥くんの特別な関係に嫉妬していたことを客観的に認め、それを自分の宝物みたいに思い、高槻さんのその関係が崩れたという呟きに涙した。
みんな成長していってる。それが本当に愛しい。現実感があるとか書いたけど、現実にこんないい子たちいないよ。絶対に。
とにかく高槻さん大好きなので、高槻さんのその後をどこかで読みたい~。
久しぶりに、夢中になる作品に出会えて嬉しい。
Posted by ブクログ
完結。
読み終わった直後は、駆け足だけど、話が大きく急転したとも言えないし、思ってたより穏やかに終わったので実感がなかなか沸かなかったのだけれど、
いま読んでみると、二鳥くんと高槻さんの折り合いの付け方は紛れもなくただ現実だったんだと感じた。
千葉さんの、「二鳥くんと高槻さんが恋人同士になるんだと思ってた」という台詞がとにかく切なくて泣いた。
悲しいゴールではなく、2人がそれぞれの道を見つけて歩き始めたスタートへの話だった。
自分の子供の行方を見続けるような漫画でした。
Posted by ブクログ
二鳥君は自分のことを書くことで、少女のような時間を終わりにしました。変わっていく自分に折り合いをつけるのです。
高槻さんは男の子になりたかった(というか女でいたくなかったのですが、)けどやめました。
ふたりとも10年色んな経験をして、変わっていったんですよね。
二鳥君と高槻さんを見ると、やはりタイミングって恋愛の重要な要素なんだと思ってしまった。
Posted by ブクログ
(ニトリくんの性の話! うわぁー! とこちらまで赤くなってしまう。)
この漫画には、勇気づけられ、励まされ、中高生のころに読むことができればもっとよかったと、何度も何度も思いました。
志村先生お疲れ様でした!!!
Posted by ブクログ
また、追ってた漫画が終わってしまった。
どんどん変化していく自分の身体にも、心と引き裂かれるところまで行ってしまう前に、にとりんは言葉に変えていくことを選んだ、と。
かわいいかわいい安那ちゃんと、末永く、お願いします。
Posted by ブクログ
胸がもやもやしっぱなしです。
本当に終わってしまったのか〜。
44ページの言葉がとても心にきました。
成長して時が経つにつれて変わっていくことだってあるし、変わらないことだってある。
変わらないと思っていたことが変わっていくことは本当にいいことなのだろうか。今までのわたしは一体なんだったのだろう。
変わりたいと思う変わらない気持ちはずっとあるのに変われない。自分が変わりたいようには絶対に変わってくれない。それなら少し前のままでいたい気もする。変わらない思いを持ち続けることはいさぎよくないことなのか。これからのぼくはどこへ向かっていくのだろう。
ずっと過去と未来の間で生きているのに、大人に近づくとどうして苦しくてままならないのか。
「ただそれだけの話」なのに。
最後まで二鳥くんは本当にあんなちゃんのこと好きなのかな〜って疑問に思ってしまうのは、千葉さんと同じように高槻くんと二鳥くんが恋人同士になる、というか、なって欲しいという願望がそうさせてるのかな。
でもあんなちゃんとの方が二鳥くんは安心する。
みんなには大人になってもなんだかんだで連絡を取り合っていて欲しいです。