あらすじ
イクメン刑事・大友鉄「最後の」事件!
子育てのため長く事務方の部署で刑事としてのモラトリアムの時代を過ごしてきた大友が、新たな岐路を迎えるシリーズ最終作。
最愛の妻を亡くして、残された息子の優斗を独り身で育てることになり、捜査一課から閑職の刑事総務課に移ったイクメン刑事の大友鉄。
その時々で事件の捜査の手伝いをしてきた彼はある日、息子のかつての同級生の母親からの電話を受ける。
娘が通う中学校の保護者が何者かに襲われたのだが、噂だけで真実が分からないと言う。
さらにその後、別の父兄が襲われ、大友はその捜査に加わることに。
容疑者は二転三転。やがて捜査を進めていくうちに、一人の男性教師が浮上する。
だが、その動機とははたして――。
成長した息子が高校受験を控え、自らも今後の人生と新たに向き合うことになる大友。
好評シリーズ「アナザーフェイス」がついに完結!
解説・小橋めぐみ
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
大友さんと優斗君2人の人生を見せてもらったシリーズで、完結の寂しさと2人の絆に胸がいっぱいになった。
優斗君は子供と思えないくらいの器量があって
溢すことなく父からの愛を受け取って
大友さん自身も同僚・上司・義母皆に愛されつつ、彼の変わらない芯の強さが大友家を築いていたと思うと素敵な家族で、心からこの家族の幸せを願いたくなった。
父親からの虐待を受けて育った男が教師となり、虐待を受ける子供からの相談に乗り、制裁を加える。
自己を裁きを与える者と思い込んだ悲しい生い立ちの男の話。
大友さんは自分と重ねて考えており、感情的な面もあったが人間らしくてよかった。
人間が崩壊する紙一重を感じる作品でよかった。
シリーズ最終作は、児童虐待という今までで一番重たく悲しい事件の捜査。
自分と優斗の姿を重ね合わせ、いつになく冷静さを失い心乱れる大友だが、家族や仲間達に支えられ事件解決に奔走する。
最終作に相応しく⁉︎、まさにオールスター総出演。優斗に柴、敦美は当然のことながら、お久しぶりの福原、後山、聖子さん、他作品の村野や岩倉に名前だけの登場ではあるが西川に沖田と、出てくるたびに「わぁ、豪華」と得した気分になった。
読んでいてかなりヘビーな展開だった(辛かった)が、出演者に救われた感じがある。
全作読んでみて、アナザーフェイスはやっぱり良かった‼︎
これから読む方、途中まで読んだ方、ぜひぜひシリーズ読破して下さい。
それから堂場瞬一様、お願いです。是非、大友家のその後、書いて下さい。待ってます。
Posted by ブクログ
ステイホーム期間を利用して読破
犯行まで手を染めてしまう犯人の心情には一定の理解ができてしまう分、ずしんと心に重しが乗るような気持ちで読み切った。犯人の言っている事は正論であり正しい。でも・・・
Posted by ブクログ
本当にタイトル通りの内容だなと思いながら読んだ。子供の虐待がテーマになっていて重苦しかったが、現実でもこんなに多いのかと思ったら何だかやりきれなくなった。優斗の進路の方向が決まって次作でいよいよ捜査一課に復帰するのかと思いきやまさかの完結!著者のシリーズでは1番好きだったので残念でならない。
Posted by ブクログ
いよいよ捜査一課への復帰になるのか?と思わせる今回のお話。
容疑者の過去に踏み込んでいくのはいつも通りとしても
同期でタッグを組んで捜査にあたるも良かったし、
学校や家庭が舞台なのも面白かったし、
息子の優斗くんの成長もあって良かった。
ただ、最後の爆弾については、
行方不明のお父さんは殺されてるだろうなー、と思ってので、
自分としては不発でした。
優斗くんの成長は嬉しいけど、親元を離れてしまうのは少し寂しい。
Posted by ブクログ
やはり、シングルファザー大友の子育てと息子の成長が背景となっているため、優斗が独り立ちするとなると、このシリーズも完結となるのか。
今回は、事件の犯人は前半でほぼ確定するが、証拠がないため、解決に向けて大友たちは悪戦苦闘する。
容疑者を確保した後の、その生き方を懸けたともいえる大友の、犯人との取調室での対決は、タイトル「闇の叫び」通りに迫力ある場面となっている。
大友は、彼に説き放つ。「あなたは、子供を虐待している親に、正義の制裁を加えたつもりでしょう。でも、それは教師のー人間の枠をはみ出した行為だ。人には誰でも枠があります。その枠をはみ出した行為が、犯罪と呼ばれるんですよ。あなたは教師として勝負すべきだった。それを放棄したあなたの責任は重い・・・私はあなたを絶対に許しません」
最後、鉄と優斗との親子の会話は、悲惨で深刻な事件の後だけに、より一層明るくほのぼのとしており、このシリーズのフィナーレにふさわしい幕切れといえる。