あらすじ
刑事総務課の大友鉄は、かつて所属していた劇団の記念公演に招待される。だが、主宰の笹倉が舞台上で絶命。背中を向けて、小道具のナイフを胸に突き刺す迫真の演技と思われたそれは、仕組まれた衆人環視の中での惨事だった。すぐに第二の犠牲者が出る。一連の事件が上演作品のシナリオそのままとすると、次は看板女優が狙われる番……。犯人の狙いは何か? 昔の演劇仲間が容疑者という特殊な事件に、大友が立ち向かう! ドラマ化原作。大人気シリーズ第3弾。
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鉄が学生時代に所属していた劇団が舞台の殺人事件。
偶然にも、息子と義母の3人で鑑賞していた劇中で、俳優にして劇団代表の笹倉が殺されるというオープニング。
笹倉という人物が、あまりに独善的だった為、恨みや不満を持つ人間が多く、更に、上演していた作品のシナリオに沿って事件が起こっているのではないかとの疑惑も浮上するなど、それこそ小説の様な展開に戸惑い悩む鉄と柴。
学生時代、鉄に想いを寄せていた女優も登場するなど、人間関係も複雑に絡み合って面白く、読みごたえがありました。
アナザーフェイスは、以前ドラマ化されていたそうですが、このエピソード3は、まさにドラマ向きのストーリーだと思います。
ラストで語られる鉄の、亡き妻への想いが切なく心に染みました。
Posted by ブクログ
大友さんの学生時代の仲間内での事件
アノニマス
アノニマスのように仮面を被った人たちが何重にも仮面を被った作品だった
作品半ばに
彼らは、自分がそうであったかもしれない姿だ
引き伸ばされた青春の喜び
という大友さんの言葉がある
自分が演劇を辞めたことを後悔したような表現が続き、彼が纏う『複雑』の雰囲気がより混乱させていたように思う
詰めきれない、あと一言が引き出せない情報にもやもやした
そこから刑事の大友に戻してくれたのが警察の同期
一転して彼は警察官になり、芯のあるいつもの大友さんになって安心した
Posted by ブクログ
かつて所属していた劇団で起こった殺人事件。かつての仲間相手だと、いつもように上手く立ち回れない姿が人間らしくていい。悪が強いけど吸引力がある笹倉に振り回されて、負のループに周りが陥った感じだった。
Posted by ブクログ
堂場瞬一による、“いわゆる推理小説”か?
…とガッカリしかけたが、相変わらずに後半からは引き込まれた。シリーズ3作目となりマンネリ感も出てくるかと危惧しながらの前半を、無事裏切ってくれて安堵した。
堂場瞬一にハズレなし………なんとか更新
★4つ、7ポイント。
2012.10.19.了。
Posted by ブクログ
アナザーフェイス3作目にして最初からのウリだった役者としての
大友鉄の原点が描かれていることはとても興味深いのですが、
全作まではそこまで本格的な劇団で役者をやっていたような
描かれ方ではなかったので最初からちょっと違和感がありました。
(巷で売れている俳優・女優・脚本家を何人も輩出している劇団てかなりですよね)
そして本筋である脚本に合わせて殺人事件が起こるというのは
面白い設定であったのですが、途中から破綻をきたし
最後の方は強引にまとめてしまった感があってイマイチ
ストーリーに惹き込まれませんでした。
それでも大友鉄という人柄によるものなのか面白く読めるのですけれど。
Posted by ブクログ
2015/4/9
1が一番おもしろかったなぁ…
鉄の柔和なキャラに慣れたからっていうのもあるけど、なんか事件がスッキリしないタイプのだからかなぁ?
犯人悪い!探偵の推理かっこいい!スッキリ!ってのが基本であって欲しいんだけどこのシリーズはモヤモヤ残るんよね。
それに鉄はあんまり打ちひしがれてないけどなかなか悲惨な状況よ。
奥さん急逝。今度は昔の友達が殺し合い。
息子と柴だけが支えやん。って思うのに本人ケロッとしてるのもなんかなー
凹まれても読むのしんどいねんけどね。
Posted by ブクログ
堂場瞬一による警察小説シリーズ第三弾。
本作はこれまで以上に本格ミステリ臭が濃い作品という印象。衆人環視の中、演劇の舞台上で殺人が起こり、主人公・大友鉄はその解決に乗り出す。
劇団は大友が学生時代に入っていた劇団で、人気俳優、人気女優も輩出している。捜査の途中、劇団の友人との会話から大友と亡くなった妻の過去も少しずつ明かされて行く。その辺りの物語はさすがに引き込まれるが、肝心のミステリ部分はなんとも、、、、特に今回は警察がほとんど役に立たず、大友が個人的に動き回ることで解決を迎えるという、本格ミステリ調の展開になるのもどうにもいただけない。
大友がもてすぎる上に、それに気がついていなさすぎるのもやりすぎな感じがだんだんついて行けなくなってきた。いい加減優斗のこともちゃんと考えて再婚も検討しないとかわいそうな気もする。
面白くないわけではないが、鼻につく部分が結構目立ってきたかなあ、という印象。とはいえ、次作に期待して読んでしまうんだろうなあ。