赤木智弘のレビュー一覧
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日本の貧困問題について、経済学の立場から切り込んだ本です。
この本を読んで、自分が経済学についてわかっているようでわかっていないこと実感。
いろいろな政策がある中で、経済的合理性の視点で確認する必要があることを感じました。
それと正規・非正規問題では、正規の雇用条件を悪く(解雇しやすくする)方向での解決策を考えていたけど、それでは受け入れられないから、他の方策を検討すべきというのは示唆に富んでいると思う。
それにしても、贈与税や相続税減税は消費を減退させるって本当かな?大前研一さんも主張しているぐらいだから消費の活性化になると思っていたんだけどね~ -
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タイトルそのものの答えは、「日々社会は進歩→新しい価値を生み出さないと人が余る→成長そのものが社会を支えるために必要」というとこでしょうか。やっぱり少し詭弁かなと感じてしまう…
Anyway, コーディネーターの経済学者が私より若いことに驚きました。キレのある文章を書くなー。論理構成やスタンスは賛同できますが、あらまほしき社会像というのはやはり個々違うのかな。
それから、「年越し派遣村」を主催した湯浅誠さんのインタビューは面白かったです。単なる活動家ではなく、思想背景の部分や現実の戦略に落とし込む際の葛藤(「いかに中流階層に共感してもらうか」)などを垣間見ると、優れた人なんだろうなぁと思いました。 -
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知の生産と流通を大学という特権的な場から解放して、現代人の生活にもっと身近なかたちで展開することを組織目的とする「シノドス」が、現代社会を多角的に検討する「知」の交流スペースにおいて、経済政策、マクロ経済学者の飯田泰之氏、内閣府経済社会総合研究所主任研究官岡田靖氏、フリーライターの赤木智弘氏、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長の湯浅誠氏との対談を行い、その内容をまとめたのがこの作品である。
連続対談では高度経済成長、若年失業問題、貧困問題を経て論壇における経済学の役割と多岐にわたったものである。
何が貧困を救うのか、反貧困運動の最前線に立つ運動家と、経済学者が説く経済学的な合理性。
シノドスが目指す知の交流がますます広がる日本社会を作っていくことの重要性を思った作品である。 -
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貧困問題の解決を経済学の視点からアプローチ
飯田泰之と他参加者との対談という形式
対談=話し言葉なので読みやすい
飯田泰之(経済学者)×岡田 靖(経済学者)
…高度成長時代のまとめ タメになります
飯田泰之(経済学者)×赤木智弘(「『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」の著者)
…赤木氏は発言も少なく 飯田氏の主張にやや取り込まれた感じ(あまり反対する要素がなかったのかな)
飯田泰之(経済学者)×湯浅誠(「年越し派遣村」の主催者)
…湯浅氏は飯田氏の提案に理解を示しつつ その方法では世間の理解を得られないから 自分はあえて(世間の認知を得やすい)回りくどい方法を取っていると発言 さすが歴戦の活動家といった感じ
飯田氏の貧困問題の解決に対する提案は次のとおり
・人間はほっといても年2%程度生産効率がUPするので 成長しないと人がその分人が余ってしまう
・全員が2%づつ貧しくなるのではなく、特定の人(ロスジェネ)にしわ寄せ(貧困)が行っているのが現在の状態
・解決策は、年2%程度で穏やかに経済成長すること
・賃金に比例して支給額の増える「擬似ベーシックインカム」の導入 =政治時に受け入れやすい育児に対する給付から初めて徐々に最低所得手当的なものにする=>子供手当て?
・財源は社会保障費の配分見直し=>公共事業(事実上の社会保障費支給)を廃止 =仕分け?
※飯田氏は時々民主党の政策を連想させる発言をする…民主党の関係者?
※リフレ派の「経済成長で全て解決」という論理に対して、池田信夫は「経済成長はそんなに簡単なものじゃない」と反論 -
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ネタバレ最近よく目にする「下流」。いまや老人ではなく中年も入る。
私はいわゆる就職氷河期世代なのだが、当時は友達もなんだかんだと就職していて(地方の公立大学、文系)、実感としてそんなに氷河期だった覚えはないのだが、当時就職した人たちはだいたい5年の間に職を変えている。派遣で就職してうから試験受けて公務員に移行した子もいた。みんな留学したりと方向性を変えて、25年経った今、みんなそれなりに生活はしているが、50歳ともなると子供がいたら学費、独り身なら仕事できなくなったらどうしようなどという不安が重くのしかかってくるのである。自分の子供たちが成功できるように地ならしをしてあげるような余力は私にあるんだろうか・・・と思うが、実際、ないです。
そんな不安を抱きつつ、こんな本を読んだら、正直、深刻すぎて気が塞ぐ。「転落」なんて、たとえば事業に失敗するとか薬に手を出して依存症になるとか大事故に合うとか、ドラマで使うことばじゃないか。それがいまや普通に生きてる普通の人に適用される「転落」。真面目に生きてればなんとかなる、ということはない。
筆者ひとりの文筆家赤木さんは、人生を川の流れに例えて、そこには水の取り入れ口があるという。時代によって水の取り入れ口が広くなる時と狭くなる時があり、60年代の高度成長期は就職が容易だった時、つまり取り入れ口が広かった時、就職氷河期は狭くなった時だった、という指摘をしており、全くその通りだなと思った。取り入れ口は歴史的・経済的な状況によって決定されるので、私たちには選択権なんてない。努力しても取り入れ口に吸い込まれないことがある。そして、流れてしまったらもう戻ることができない。あとになってから、「自己責任だよね」と言うのは残酷なことである。
最近は人手不足なので仕事自体はできるのであろうが、AIの登場などで労働環境が激変する可能性もあり、仕事があってもそれがいつまで続くかわからないという不安は大きいと思う。
世界的にも社会の不安定さが増しており、日本では日本人ファーストを掲げる政党が躍進したりして、少ないパイを取られたくない、という気持ちがとくに中流階級に広がっているようだ(ヨーロッパも同じ)。みんな下流には落ちたくないのだ。これが排他主義の源泉になると思う。そして、排他主義が跋扈するといいことはない。 -
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ネタバレこの本の最大の欠点は、筆者の社会への問題意識や憤りが正確なものであったにも関わらず、「平和」を敵に置いてしまったことだと感じる。2020年代半ばになってみれば、この本で書かれている若者バッシング及び「貧困労働層」の放置の“結果として”取り返しの付かない少子高齢化、失われたX0年が到来し、「安定労働層」がどんどん減少していっていることは明らかで、つまり筆者は「平和」を敵として、彼らも自分たちも「戦争」に巻き込もうと叫ぶのではなく、「平和」が“そのまま”「戦争」に繋がっていることを示すことができたのではないか。そのような視点はこの本では、「安定労働層」への反感の影に隠れてしまっているように思える。
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高齢者の貧困率は統計的に改善を見る一方で、深刻化しているのが40代中年層と子ども。
高齢者の改善は、終身雇用で年金を満額でもらえる層の増加。でも、バブル崩壊後リストラの煽りを受けた方々も多いでしょうし、一概にそう言えるのかはよく分からない。
下流中年の背景には、就職氷河期に遭遇し、雇用の調整弁として使われてきた世代であるということ。派遣労働から抜け出せず、給与も年金も低いまま推移。
決して個々人の能力の問題でなく、社会が作り出した作られた下流。この世代が高齢化する中で、社会の助けを必要としてくる。
このツケにどう向き合っていくのか?重たい課題。 -
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下流老人よりも、下流中年の問題の方が深刻。
1度、非正規に落ちたら、戻ることのできない悲劇。上司からの罵倒や、職安からのダメだしなどの悲観的な話。コミュニケーション能力の大切さ。
差別や格差はいけないと言うけど、この先も解決されない問題と認識すべきではないのか。
非正規は正社員にならないといけないのか。もう10年以上も言われてる話だけど、なれないし、ならなくて良いのでは。
あまりにも、年配のひとたちの右肩上がりの時代の当然に付き合って、傷付かなくて良いのではないか。
誰かが何とかしてくれる。実際のところ、誰も何もしてくれない。結局のところ、自分しか信用できないと言うこと。 -
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経済学者、貧困問題に取り組む人(湯浅誠氏)、格差を論じた人(赤木氏)との対談を通じて、「経済成長」が今の日本にどれだけ必要か?というのを論じた一冊。
資源の制約を完全にクリアしたならば、経済成長=右肩上がりというのは絶対的な解である、というのはこの本を読んで納得する部分である。
しかし現実世界では、資源はやはり有限なものではないかと思うので、ここでいくら経済成長こそ日本の特効薬ともてはやされても、それは実現してはいけない解のように思えた。
また、実質この本の主張のメインである飯田泰之氏が、やや上から目線的に対談を仕切って、さも「経済学は偉い」という印象を与えていることに不快感を感じなくもない。
経済学をいかに世の中で活かすかを考えると、この本のアプローチは至極まっとうなものなのだと思うが、今ある世界が求めているのは果たしてそれだろうか、という疑問が残った。 -
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そこそこ面白い対談集。軸となっている飯田泰之氏の他の著書としては『ダメな議論』を読んだことがあるけど、こっちの方が氏の専門性が発揮されている感はある。
ただ、面白いと思った部分には付箋を貼っていく読書スタイルなんですが、気づいたら序盤の半分ぐらいに付箋が集中。公判が面白くない訳じゃないんだけど、ちょっと物足りないかな。
子どもが教育を受けられるという状況が、とても恵まれた贅沢なことであることは同感。そういう最低限を保障するために貧困をどう撲滅していくか。世界でこの問題に対処する時にはMDGsが掲げられるわけですが、本書で指摘されているとおり、日本国内の貧困に抗するためにも、日本版MDGsを作るべきというのは、面白い主張だと思います。
それなりに経済学の基礎知識がないと読みにくいので、その辺はちょっと評価を抑えました。 -
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第1章はとても面白い。
毎年2%の経済成長というのは実にリーズナブルだ。
たしかに立ち止まるというのは衰退を意味するわけで、0%成長というのはありえない。とはいえ、もういちど高度成長を行うのは無意味なわけで、この成長率は現実的だ。
マクロは良く分からないが、会社経営の視点から見ても、成長期が終わって安定期に入った会社にとって、この程度で成長するのは、妥当なところだろう。
国も会社と同じと考えたときに、GDPは粗利だというのは、非常によく分かる。
粗利が毎年2%成長する。それは必要だし、それができなければ、いろいろと会社全体がきしみ始める。そしてそのきしみは、弱い部署や、新規事業や、生活共同体としての会社の居心地の良さといったものから影響してくる・・・
しかし、赤木智弘や湯浅誠との対談の第2章、第3章は余計だと思う。
面白くないことはないのだが、せっかくの第1章の切れ味のよさが、どこかに行ってしまっているように思う。
赤木智弘、湯浅誠という、いわば「業界の有名人」と対談したからこそ、本としての価値が出たわけで、飯田泰之さんのピンで、この本、という過去の企画が成り立ったかどうかは、いささか疑問はある。
私も手に取ったかどうか。
「赤木智弘や湯浅誠との対談がつまらないわけじゃない、むしろ面白のだけど、なんだろうこのもやもや感は・・・」と読みながら思っていたが、あとがきを読んで腑に落ちた。
著者が論壇を意識しているからだ。それが何だかもどかしいからだ。
「経済学はツールであり、ツールをどのように使うかは外部から与えられる。外部とは社会的合意のことであり、その形成過程に参与するために、論壇に加わる」
という理論である。ここまではいいんだが、
「しかるに論壇は、年寄りくさい、情緒的、非科学的、人文科学的インテリスノッブどもが占拠しており・・・」というようになるから、なにかいたたまれない。
それはそうかもしれないけど、努力や意識の向けどころが間違っている。
ミクロ的に言うと、マーケティング的見地や、戦略が足りないと思う。
素晴らしい著者だけに、それが残念。
へんな沼に足を取られていないで、もっと跳躍してほしいと思う。