猪木武徳のレビュー一覧

  • 経済学に何ができるか 文明社会の制度的枠組み

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    さまざまな「価値」がぶつかり合う、現代の自由社会。その結果、様々の難題が私たちの前に立ちはだかっています。

    人間にとって正義とは、幸福とは。

    著者は、経済学の基本的な論理を解説しながら、問題の本質に迫る。

    デモクラシーのもとにおける経済学の可能性と限界を問い直す試みがなされたものである。以下、内容。

    序章 制度と政策をめぐる二つの視点

    第Ⅰ部 自由と責任

    第1章 税と国債 ― ギリシャ危機を通して見る

    第2章 中央銀行の責任 ― なぜ「独立性」が重要なのか

    第3章 インフレーションの不安 ― 貨幣は正確には操作できない

    第Ⅱ部 平等と偶然

    第4章 不確実性と投資 ― 「賭け

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    2013年05月23日
  • 経済学に何ができるか 文明社会の制度的枠組み

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    数年前に流行った政治哲学のように、問題に対して経済学なりの解答を出そうとしている本だと思う。もちろん理論と実践が異なることも指摘している。

    内容は下記の通りだが、処方箋を出すと言うよりも考え方を紹介してる方が強く、簡単に説明することよりもその裏にある単純化の問題を指摘している。

    第1部 自由と責任
     ・税と国債
     ・中央銀行の責任
     ・インフレーションの不安

    第2部 平等と偶然
     ・不確実性と投資
     ・貧困と失業の罠
     ・なぜ所得格差が問題なのか
     ・知識は公共財か
     ・消費の外部性

    第3部 中庸と幸福
     ・中間組織の役割
     ・分配の正義と交換の正義
     ・経済的厚生と幸福
       ・経済

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    2013年04月22日
  • 戦後世界経済史 自由と平等の視点から

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    ネタバレ

            -20090731

    自由と平等の視点から、と副題。第2次大戦後の60年はかつてない急激な変化を経験した。そのKeywordは民主制と市場経済。本書では「市場化」を軸にこの半世紀を概観、経済の政治化、Globalizationの進行、所得分配の変容、世界的な統治機構の関与、そして自由と平等の相剋―市場Systemがもたらした歴史的変化の本質とは何か。

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    2013年03月29日
  • 経済学に何ができるか 文明社会の制度的枠組み

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    題名のとおり「経済学という分野に何ができるのか」そのような問いに対して、筆者なりの回答をだしている。かなり抽象度の高い話なため、一読では一体何を言っているのか、よくわからないところが多い。それはすべて読者の責だが、各章同士の連関は強くないので、関心がある章を引っ張って読むのもよし。第9章の「中間組織の役割」では、現代の経済学が個人と国家(政府)という二元的な対立図式で社会制度を考えているところが経済学の見落としであるいう。個人と国家の間には、消費者団体や労働組合、経営者団体などの「結社」が存在し、それが現在の経済システムを構築しているという。このように、個人と国家という図式は、社会制度を考える

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    2013年02月06日
  • 経済学に何ができるか 文明社会の制度的枠組み

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    経済学に出来ることそして出来ないことについて書いた本。
    やや雑多ですが新書にしてはボリュームがあり読み応えもなかなか。

    出来ないことをはっきりさせた上で経済学の担う役割を示している点は、
    ものごとを混同して考える人の多い昨今において有意義だと思います。
    経済学の扱っている範囲の広さも分かりますしね。
    とりわけ価値の問題と実効性の問題が興味深かったです。

    経済学の外郭についての本であり中心についての本ではないので、
    入門書くらいの知識はあった方が良いかもしれません。

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    2013年02月02日
  • 経済学に何ができるか 文明社会の制度的枠組み

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    ネタバレ

    現在経済学が解決しなければいくつかの課題と経済学の対処方法等を述べていく。
    経済学が想定する仮定の限界を示してくれる。

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    2013年01月13日
  • 経済学に何ができるか 文明社会の制度的枠組み

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    経済の入門書ではないが、入門書を読んだ次くらいに読むとちょうど良い気がする本。
    様々な社会問題について、経済学的な視点でそれらを考えるとどうなるかについて簡潔に解説してくれる。
    机上の空論を展開するのに終始せず、一つ一つの問題と正面から現実的に、倫理的に向き合っている本書のテーマはまさに「経済学に何ができるか」「何ができないか」についてであり、この本にはこの題名こそがふさわしいと思った。

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    2013年01月04日
  • 経済学に何ができるか 文明社会の制度的枠組み

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    筆者なりの概念の整理により、経済学にまつわる現代的な問題が紹介されている。
    全くこの分野に知識がなくとも読めなくはないが、前提知識がないとツライ。じっくり腰を据えて読むべき本である。そう言った意味で高度な新書であると言えるだろう。

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    2012年11月23日
  • 戦後世界経済史 自由と平等の視点から

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    第二次世界大戦後の世界経済を概観するという、ある意味では恐ろしく挑戦的な内容の一冊。非常にまっとうな視点から書かれているので、安心して読み進めることができる。ただ、残念ながら、2009年の世界経済と、2012年の世界経済は、あまりにも多くの点で異なってしまっている。今となっては、やや古いか。

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    2012年03月04日
  • 戦後世界経済史 自由と平等の視点から

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    自由主義経済と社会主義経済の比較を中心に、広く浅くまとまっていると思う。しかしながら、この分野についての知識が非常に乏しいため、特に導入部分が難しく感じた。おそらくかなり噛み砕いてわかりやすくまとめられているのだろうが…。

    個別の事象について、いくつか専門書にあたってからもう一度読み直してみたいと思う。

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    2012年03月01日
  • 戦後世界経済史 自由と平等の視点から

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     参考文献の紹介だけで20ページが割かれている点からだけでも、本書が分厚く、十分な根拠に基づいて書かれていることが読む前からでもわかる。
     実際の内容自体、そのタイトルが表す通り、戦後経済関して、日本、アメリカ、中国、ヨーロッパ、東欧、東南アジア、南米等、世界中の主要国に焦点を当て、戦後から現在にかけての経済の変化について客観的に説明されている。
     戦後の世界経済を理解する上で、必要最低限の情報を本書は提供している点で、世界経済を学ぶ入門書として推薦したい本である。

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    2012年02月03日
  • 戦後世界経済史 自由と平等の視点から

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    これ読めば、世界の状況がつかめると思う。あと、マクロの知識がない人はこの本とマクロ入門書を読み合わせれば、すぐに頭に入ると思う。ただ、マクロの知識があった方が面白く読める。

    FXトレーダーの視点から役に立つ部分も一部ある。

    でも最後の章はイマイチだったので読み飛ばした。

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    2012年01月14日
  • 戦後世界経済史 自由と平等の視点から

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    戦後の世界経済がどのように変遷していったのかを簡潔にまとめてあるので非常に良かった。大学の教養過程で経済史を学ぶならばそんなに専門的な知識はいらないのでオススメだと思う。
    自分が暮らしてる国の政治や経済のことを考えるときに土台として知識や情報が不可欠であり、発展していった国は人的資本のレベルが高く、結局は国の未来を考えるとき教育ってのは外せないことだと実感。

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    2012年01月10日
  • 戦後世界経済史 自由と平等の視点から

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     クルーグマンがアジアを全要素生産性から見て、アジアの成長は資本投資によるものではなく、停滞を象徴しているとしていた分析は、誤りであるとの指摘は筆者も同意する。著者による、この指摘は、鋭いと思うし、またノーベル経済学賞を採ったからといってすべての見解が正解ではないということにも通じる。
     
     野口旭、竹森俊平、高橋洋一などによるとアジア通貨危機は、国際経済の通貨の安定(固定相場)、金融政策の自由、資本移動の自由の三つは、経済原則として、同時に実現できない。通貨の安定のための金融政策は、外貨安の場合、外貨を外国証券を購入する形で外貨準備高を引き上げるための政策に割り当てられ、金融政策の自由は拘

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    2012年03月20日
  • 経済社会の学び方 健全な懐疑の目を養う

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    経済社会を理解し、その諸問題をどのように解決すべきか。

    この本では、その気構えや手法を教えてくれる。最近、経済政策的なマクロコントロールには限界があり、目的通りに社会や市場は動かせないという事、あるいは、その仕掛け人には予想通りの動きかも知れないが、社会の構成員にはその意図は分かりえない、という思考に至っている。それはつまり、人間が予想通りに動かない生き物であるという事や、そこに予測しきれない外部要因や連鎖反応があるという事だと理解する。

    南海トラフの危険性があると報道されると、一部で食料の買いだめをしておこうと動く。日銀が利上げを決定すれば、それに伴う変化が予想される。株価や為替、景気も

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    2024年08月21日
  • 社会思想としてのクラシック音楽(新潮選書)

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    ・技術進歩がもたらす平等化(153)
    ・「オリジナル」あるいは「ホンモノ(authenticity)」とは何か(161)

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    2023年02月17日
  • 社会思想としてのクラシック音楽(新潮選書)

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    18世紀以降のクラシック音楽の歴史的変遷を、同時代の社会思想や政治経済の視点から考察。音楽芸術という「創造の世界」が持つ、社会的意味を捉え直す。

    西欧では18世紀末まで、音楽家は教会や貴族の注文に応じて作品を作っていた。その後、デモクラシーと市場経済が社会の基本制度となり、キリスト教の重みが失われ始めると、音楽も教会から劇場へと、その創作目的や演奏場所を移した。

    教会から劇場へと移行する際、音楽が両者の間を彷徨っていた期間があった。このことを示すものに、ハイドンが晩年に作ったミサ曲がある。それらの曲から受ける感動は、宗教的なものなのか、劇場的なものなのか、戸惑いを覚えさせる。

    音楽で起き

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    2023年01月08日
  • 経済社会の学び方 健全な懐疑の目を養う

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    良書だと思うが、哲学的な内容であまり面白くなかった。この先生の本はそういうものだと分かっていたのだが、やはりそれほど楽しめなかったというのが正直な感想。

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    2022年03月29日
  • 社会思想としてのクラシック音楽(新潮選書)

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    テーマとしては面白いが、少々わかりにくかった。まだ自分の理解不足か。それとも著者の説明不足か。また次の著作を期待

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    2022年02月22日
  • 経済社会の学び方 健全な懐疑の目を養う

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    ムズい。
    第5章のQWERTY配列のデファクト確立の文脈で語られるベータマックスの逸話、眉唾だと思う。

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    2022年02月01日