猪木武徳のレビュー一覧

  • 戦後世界経済史 自由と平等の視点から

    Posted by ブクログ

    戦後経済の5つの特徴
    ・公共部門の拡大
    ・グローバリゼーション
    いかなる産業も集積のメリットが実現する方向へ動くが、その利益を阻む最大の障害は「距離」。地球が小さくなったり、言語が同一になったり、歴史を完全に共有しない限り、グローバリゼーションは必ずしも世界の均質化をもたらすものではない。
    ・所得格差
    日本では年代内格差よりも世代間格差のほうが大きい。
    ・グローバルガヴァナンス
    ・市場の設計と信頼
    人類は知恵を用い、技術を開発しながら巨大な富を築いて来たが、我々の視野は狭くなり、お互いの信頼感を弱めるような風土を作り上げた。信頼をベースにした自由な経済活動こそ、いつの時代も健全な経済発展に重要

    0
    2020年06月18日
  • 戦後世界経済史 自由と平等の視点から

    Posted by ブクログ

    取り扱う題材の範囲が広い本は、初学者が概要を把握するために詳細を省いたものと、習熟者が効率よく復習するために詳細を省いたものがあるが、本書は後者。
    いくら戦後に絞ると行っても、世界の60年を新書一冊で語るのが難しいのは当然。因果関係が見えにくい政治と経済においてはさらに難易度が上がる。
    例えばモルゲンソープランが東西対立の一因であったとかマーシャルプランが欧州を救ったみたいな、経済政策がストーリーを作ったと明確に語られるわけではないのだが、そもそも歴史をストーリー抜きで理解するのは難しい。
    であれば、間違っている前提として乱暴なストーリーで概要を把握しつつ、その後各要素について詳細を抑えるのが

    0
    2020年03月29日
  • 経済学に何ができるか 文明社会の制度的枠組み

    Posted by ブクログ

    ユーロ危機や格差、投資など人々の相反する価値がぶつかる事象を、経済学の観点から解説する。
    著者によれば経済学を通じて事象を論理的に見ることは大いに役立つが、だからといって経済学の単独の論理がすべてを解決するのではないと説く。その上に人間の情念が左右する政治的な要素が加わることを言及する。
    物事を解決するには正論をかざすだけでなく、複眼的な視点を持つことが肝ということだろう。

    0
    2020年03月16日
  • 自由の思想史―市場とデモクラシーは擁護できるか―

    Posted by ブクログ

    経済学者が自由について書いた本。雑誌「考える人」に連載されたものを纏めたもの。自由について哲学的歴史的な分析、自殺、宗教、教育、言論、経済などいくつかの視点から簡潔にまとめている。理解しやすいところと理解できないところがあるが、雑誌に連載された内容だけに読みやすいものの、浅く広い内容となっており物足りなさもあった。
    「現代では、自由以外の価値、たとえば平等が70~80年前よりもさらに重みを増している」p28
    「(言論の自由(古代ギリシア))対話こそが真理に到達する主要な方法であるということを発見した。自由に語る権利は、真理への接近と善き社会の形成にとって欠くべからざる手段のひとつだと気付いた

    0
    2018年10月23日
  • 経済学に何ができるか 文明社会の制度的枠組み

    Posted by ブクログ

    新書という読み物としてはよかった。

    「リスク」と「不確実性」が異なるものであると、今更初めて認識した。「言われれば、確かに」という感じだが。
    「リスク」は、人間の知識の不完全性に起因しているが、その事象が生起する客観的な確率分布がわかっている事象に適用する概念。「不確実性」は前例や経験の蓄積がないために客観的な確率分布を知りえない事象で、主観的に推定するしかない事象にまつわるもの。

    0
    2021年08月08日
  • 戦後世界経済史 自由と平等の視点から

    Posted by ブクログ

    戦後世界経済学史と勘違いして、気合を入れて読んでいたら、よくみたら戦後世界経済史だった。網羅的に書かれていて、新書の割にはページ数も多かったのだが、読みやすかった。社会主義的、計画経済的な体制なり政策は失敗するということが戦後世界各地で多く見られたと言うのが総括だろうか。

    0
    2021年08月08日
  • 戦後世界経済史 自由と平等の視点から

    Posted by ブクログ

    戦後の世界の経済がいっきに判る気がする。難しい話なのだが、意外とすいすい読めた。この後も、世界の経済は激変してきているが、これまでの流れを知る上でも良い。

    0
    2018年02月10日
  • 戦後世界経済史 自由と平等の視点から

    Posted by ブクログ

    流読。
    世界経済の主要な出来事、流れ、各地域、各国の経済発展の流れが一通り眺められる。

    理解するには個別理解が必要。

    20世紀の課題については現在に通じるもの、この時点では現れていないものがある。

    0
    2017年05月20日
  • 戦後世界経済史 自由と平等の視点から

    Posted by ブクログ

    タイトル通り、戦後の世界史を経済面から通観する内容。
    政治の安定が経済発展にとっての大前提であること、経済における自由と平等を追い求めた各国の苦闘の歴史。

    0
    2014年03月03日
  • 経済学に何ができるか 文明社会の制度的枠組み

    Posted by ブクログ

    経済学と一口に言っているが,哲学的な面や社会学的な面まで手広く取り扱っている.人間自身を取り扱う学問であるからこその難しさについては非常に納得がいった.

    0
    2014年02月06日
  • 戦後世界経済史 自由と平等の視点から

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この1年で出た経済本の中ではかなり新自由主義に寛容な立場と受け止めた。「貪欲を批判するだけでは始まらない」と。それはそうかもしれないが、だからといって、貪欲を批判しなくてよいことにはならないだろう。それにしても、の貪欲さを見せ付けられるとどうにも説得力が無い。

    0
    2014年01月12日
  • 戦後世界経済史 自由と平等の視点から

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    題名の通りの内容で、世界経済を俯瞰して理解するにはいいと思う。経済の専門家でなければ、あまり深く考えずに、ざっと流し読むくらいでちょうどいいかな。自由と平等が両立し難い点は難しい問題だ。

    0
    2013年06月05日
  • 経済学に何ができるか 文明社会の制度的枠組み

    Posted by ブクログ

    税と国債 徴税能力
    中央銀行の責任 ハイエクの貨幣発行自由化論
    インフレーションの不安 富の強制移転 自己実現的という罠
    不確実性と投資 有限責任の不思議
    貧困と失業の罠 
    なぜ所得格差が問題なのか 豊富な情報はやる気をそぐ
    知識は公共財か 
    消費の外部性 倫理は習慣である
    中間組織の役割 結社
    分配の正義と交換の正義
    経済的厚生と幸福 効用と福祉
    経済学に何ができるか

    0
    2013年03月29日
  • 経済学に何ができるか 文明社会の制度的枠組み

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「第2章 中央銀行の責任」 にて、ハイエクの貨幣発行自由化論が扱われているが、南北戦争までの四半世紀の米国は、フリーバンキングの実験場と化した結果、銀行倒産が続出し失敗に終わったことは興味深い。

    0
    2013年03月16日
  • 経済学に何ができるか 文明社会の制度的枠組み

    Posted by ブクログ

    経済学に何ができるか、というよりは経済学者の猪木氏は何を考えているか、の色彩が濃い
    一般向けの新書に有りがちな、素人騙しの一部学説をコンセンサスにしたてあげてない所は評価できるし、スミスやナイト、ピグーといった歴々からの引用も硬派でいい
    ただし内容が中央銀行、TPP、貧困などといった最近の話題にその面子を絡めてるので、想定読者層をどこにおいているのかは疑問である

    0
    2013年02月12日
  • 経済学に何ができるか 文明社会の制度的枠組み

    Posted by ブクログ

    財政の破綻懸念、ユーロ危機、貧困問題等々、我々を取り巻く様々な経済事象について考えるとき自ずと本著のタイトルそのままの疑念が浮かんでくる。そうした現実的な諸問題に対する経済学の効用と限界、そして政治・社会とのしがらみを図表や数式を一切用いずにプラグマティックに解説し、「経世済民」という言葉を頭に刻んでくれる好著。

    0
    2013年02月11日
  • 経済学に何ができるか 文明社会の制度的枠組み

    Posted by ブクログ

    経済学の役割について個々のトピックをあげて、経済学の歴史的アプローチの背景を解説している。概論的なトピックではあるが、著者のこれまでの著作と同じく、深い理解のもと経済史的な観点からよくまとまっており、経済学の復習には良いと考える。
    トピック:税と国債(国家のファイナンス)、中央銀行の役割、インフレ、不確実性、貧困、所得格差、知識、分配と交換、中間組織、幸福。

    0
    2013年01月29日
  • 戦後世界経済史 自由と平等の視点から

    Posted by ブクログ

    ようやく読み終わった~。世界の状況を経済面から概観・俯瞰できるよい本でした。ところどころ理解できず、己の浅さを知りますが。

    0
    2011年12月11日