【感想・ネタバレ】社会思想としてのクラシック音楽(新潮選書)のレビュー

あらすじ

近代の歩みは音楽が雄弁に語っている。バッハは誰に向けて曲を書き、どうやって収入を得たのか。ハイドンの曲が徐々にオペラ化し、モーツァルトがパトロンを失ってから傑作を連発したのはなぜか。ショスタコーヴィチは独裁体制下でいかにして名曲を生み出したのか。音楽と政治経済の深い結びつきを、社会科学の視点で描く。

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Posted by ブクログ

人間が社会的生き物であるかぎり、芸術家もそれぞれの生きた時代から何らかの影響を受けることは想像に難くない。とすれば、その芸術家が生み出した作品についても、その時代の痕跡が何らかの形で記されているのである。
現代はデモクラシーの社会である。その社会におけるクラシック音楽をどう位置づければいいのか、ここにはそのひとつの答えが書かれている。

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2021年12月21日

Posted by ブクログ

経済学で紫綬褒章、文化功労者の先生がクラシック音楽を語るとこうなる、みたいなやつで、音楽家のエピソードは知られているものばかりといえばそうだが、かなりおもしろい。好きだったのねえ。ショスタコの『証言』は評価する派のようだ。

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2021年07月20日

Posted by ブクログ

・技術進歩がもたらす平等化(153)
・「オリジナル」あるいは「ホンモノ(authenticity)」とは何か(161)

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2023年02月17日

Posted by ブクログ

18世紀以降のクラシック音楽の歴史的変遷を、同時代の社会思想や政治経済の視点から考察。音楽芸術という「創造の世界」が持つ、社会的意味を捉え直す。

西欧では18世紀末まで、音楽家は教会や貴族の注文に応じて作品を作っていた。その後、デモクラシーと市場経済が社会の基本制度となり、キリスト教の重みが失われ始めると、音楽も教会から劇場へと、その創作目的や演奏場所を移した。

教会から劇場へと移行する際、音楽が両者の間を彷徨っていた期間があった。このことを示すものに、ハイドンが晩年に作ったミサ曲がある。それらの曲から受ける感動は、宗教的なものなのか、劇場的なものなのか、戸惑いを覚えさせる。

音楽で起きた歴史的な変化は、絵画の世界でも起こった。西洋絵画では宗教画が大きなウエイトを占めていたが、18世紀になると、普通の人々の生活や風景を描く画家が増え始めた。

19世紀には、ロマン主義が芸術の主流となった。それは、自由な「個」の強調と「条件の平等化」を中核とする近代デモクラシーの進展と、軌を一にしながら展開した。

哲学者のオルテガ・イ・ガセットは、デモクラシーの「個の自律と平等」を尊重する思想が、芸術においては形式よりも内容を重視し、人と自然への抒情に重きを置くロマン主義という形で現れたと見ている。

中産階級が富を蓄え、劇場に通う時代になると、音楽の聴き手に2つの相反する気持ちが生まれた。1つは、自分はこの芸術が理解できるのだという「少数派」であることの誇り。もう1つは、デモクラティックな社会の原理に忠実に「多数」へと向かい、流行に順応しようとする気持ちである。

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2023年01月08日

Posted by ブクログ

テーマとしては面白いが、少々わかりにくかった。まだ自分の理解不足か。それとも著者の説明不足か。また次の著作を期待

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2022年02月22日

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