種村季弘のレビュー一覧

  • チリの地震 クライスト短篇集

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    文章が読みにくい。
    他、難しい熟語、雅語などが出てくる。

    『エンデの読んだ本』より「マリオネット芝居について」で興味を持ち購入。
    この評論の切れ味が良すぎて、ほかの短編作品もいいのだが、それを読んだ時ほどの衝撃は得られなかった。

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    2013年05月19日
  • チリの地震 クライスト短篇集

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    ネタバレ

    「チリの地震」
    首都サンチャゴで、何千という人間が落命した1647年のあの大地震のまさにその瞬間、さる犯罪のために告訴された、その名もジェローニモ・ルグェーラという一人の若いスペイン人が、監禁されていた牢獄の柱の下に立っていましも自ら首をくびろうとしていた。(p11)

    どよめきの中に投げ込まれたあの衝撃からこの方、人々は皆許し合っている、とでもいうかのようなのだ。人々の記憶はもうあの衝撃の瞬間までしか立ち戻れなかった。 (P22)

    最初の大揺れの直後、市内は男たちの目の前で分娩する女どもであふれ返ったということであり、修道僧たちがそのなかを手に十字架を持って走り回って、世界の終りがきた、と

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    2012年08月08日
  • チリの地震 クライスト短篇集

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    【チリの地震】
    処刑という絶望の中、起こった大地震。そして、地震は離れ離れになっていた男と女と二人の子どもを再会させる。一瞬、希望が彼らを包む。まるで、それはユートピア。
    しかし、たくさんの人々の「犠牲」の上に成り立つ再会と幸せなど長続きすることはない。
    一組の男女を生かすのも、許すのも、裁くのも、殺すのも、それらは決して神が行うのではない。すべては、人間が行うことなのだ。

    この作品が、3.11後に再び出版された意味とは一体何なのだろうか。わたしたちは、400年以上前のチリで起こった地震をテーマにした作品から何を感じ取るべきなのだろうか。

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    2011年11月08日
  • 江戸東京《奇想》徘徊記 新装版

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    当代きっての博覧強記にして粋人・種村季弘が、厳選された東京の裏町30を闊歩。本書は2006年7月朝日新聞社より刊行された文庫の新装版。新装版に際し、森まゆみ氏の「二十年後の徘徊」を収録。

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    2024年06月18日
  • 美食倶楽部 ――谷崎潤一郎 大正作品集

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    ネタバレ

    谷崎潤一郎のイメージというと、耽美、エログロナンセンスあたりが思い浮かびます。

    私も若いころ「痴人の愛」「卍」「細雪」らを読んで、驚嘆した覚えがあります。いわゆるフェティシズムのはしりといえるかもしれませんが、明治生まれの人があそこまで極端な性癖を文章として露出できることに感激したものです。といっても内容は概ね忘れてしまいましたが。

    ・・・
    さて、本作「美食倶楽部」は、表題作を含め7作品を収録しています。

    個人的に面白いと感じたのは「白昼鬼語」「美食倶楽部」「友田と松永の話」あたりです。

    「白昼鬼語」は語り手の私が、神経症的な友人園村の「これから、殺人が起こる。一緒に見に行こう」という

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    2023年02月19日
  • 雨の日はソファで散歩

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    本屋さんの雨の日フェアで見かけて、素敵なタイトルだったので購入。

    もはやファンタジーと言ってもいいような古き良き日本人の生活(食事・旅行など)についてを中心に博学な著者がユーモラスに語ったエッセイといった感じの本でした。
    時折さらっと核心をついていくような、胸に留めておきたい言葉も散りばめられてとても為になりました。

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    2022年07月06日
  • 書国探検記

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    エッセイ集。

    ただ様々な雑誌から集めたエッセイが時代別ではなくテーマ別というべきかバラバラに掲載されているため、人によっては一瞬読みにくいと感じる事もあるかもしれません。

    しかし著者が本当に幅広く本を読み本を愛しているのかが伝わってくる一冊でした。

    また様々な本が紹介されているので、それを目当てに読むのも面白いかもしれません

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    2021年02月27日
  • 雨の日はソファで散歩

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    固有名詞も多く、引用される本も多いのだが、どちらかというとユーモアというよりは、過去を振り返ったりするものが多く、この作家に特に入れ込んでいる人でなければ、それほど興味を持てないのではないだろうか?

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    2017年01月05日
  • 雨の日はソファで散歩

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    最後のエッセイ集。想像していた種村季弘像と少し違う人物像が想像されて、あれ?と思うのに、その人が語る話は確かに種村季弘氏、というなんだか不思議なエッセイ集だった。

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    2014年09月19日
  • 書国探検記

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    書評というより、読書エッセイってところかな。
    一応メインの本はあるものの、あちこちに話題を移せるのがさすが種村といったところでしょうか。
    対象となっている本も、堅いのから柔らかいのまで、色々とそろっていて、どれかしらは興味を引く本が有るんじゃないかな。

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    2013年10月12日
  • 迷信博覧会

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    過ぎし時代の迷信あれこれ……と共に、
    クスッと笑える、ちょっとおかしなこぼれ話を蒐集した、
    雑誌連載エッセイを纏めた本。
    迷信とは「原因と結果が科学的因果関係で一筋につながっていない」(p.226)
    ものの由、とか。

    ■杉浦日向子『百物語』其ノ五「狸の僧の話」の元ネタも登場。
     松浦静山『甲子夜話』だった。
    ■トイレが鬼門に当たっていては困ると頑なに信ずる人に一言、
     昔の和式はいざ知らず、今時は洋式なんだから、
     座ったら鬼門に背を向ける格好になるんだし――には笑った。
    ■エイプリル・フールの本来の趣旨について。
     嘘によって他者に「無駄足を踏ませる」のが胆(きも)だった、
     とは知らなん

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    2013年04月21日
  • 書国探検記

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    古今東西、多岐にわたる書物に関する縦横無尽な随筆集。著者の博識ぶりに圧倒されるばかりで、たまに出てくる知った題名を見て喜んでいる自身の不明を恥じるばかりである。

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    2013年04月07日
  • 書国探検記

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    博学であることはなにであれ素晴らしい。人として太い。ぶっとい。余裕がある。
    斜め読みだが今後読み直したい。
    ・しもじものものに毒見させた本を、古本屋で買う。
    ・森羅万象を読む、すべてが本。
    ・理系的頭脳(本は物質だ)を相手に震えている読書家たち。
    ・日記=日記(ダイアリ)+夜記(ノクチュアリ)の総体。
    ・悪。
    ・民話と夢。
    ・宇宙論。
    ・ベケット……陸の河童の干物(ウンコ臭い)の味。
    ・タルホ……ホムンクルスに翼がつけば飛行機……本書中もっともためになった。
    ・ヤプー
    ・正気を演じること、ポーの一族。

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    2012年12月21日
  • 雨の日はソファで散歩

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    梅雨入り。タイトルにつられた。種村季弘が自ら編んだ最後のエッセイ集。
    何度も前を通っているのに入ったことのない橫浜・野毛の中華料理店、豆腐、芸人、岡本綺堂、山田風太郎、と、ボールは散っているのに、何故か自分のストライクゾーンに入ってくる話題を楽しませてもらった。終わりの『聞き書き篇』三編の軽妙な語りが逆にもの悲しい。
    ☆は5でもいいのだが、そんなに気張らなくても、という気持ちで3。

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    2012年06月12日
  • 迷信博覧会

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    迷信を信じるか信じないかではなく、せっかく迷信という不思議なものがあるのだから楽しんだらいいよ、という筆者の言い様はとてもよくわかる。

    書いてある内容は「くだらない」と言ってしまえばそれまでの妄信を文化的に解釈したもの。


    解説者が言う、普段の思考を覆すことは脳に快楽をもたらすという発想がおもろい。

    脳の引き出しを作るのではなく、ニューロンの繋がりに新たな道を作ること、そのために読むとおもろい本のひとつ。

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    2012年04月27日
  • チリの地震 クライスト短篇集

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    起承転結のしっかりした、王道の短編集といった印象。

    「チリの地震」
    天災が人間の心の中に、ある種逆説的に平穏さをもたらす場面の描写が凄く上手。★★★

    「聖ドミンゴ島の婚約」
    分かりやすい悲劇。起承転結がハッキリしていて短編のお手本といった観あり。ベタだけど普通に面白い。★★★★

    「ロカルノの女乞食」
    いや、流石にそこまではいかないんじゃないか。と思ってしまう幽霊の影響力の強さ。★★★

    「拾い子」
    シンプルな構成ながらも、怒り心頭のピアキの迫力はなかなかのもの。★★★

    「聖ツェツィーリアあるいは音楽の魔力」
    これは奇蹟と言えばいいのか何なのか。神の配剤は少なくとも俺の理解を超えている。

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    2011年08月20日