遠山美都男のレビュー一覧

  • 天皇誕生 日本書紀が描いた王朝交替

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    いかに日本書紀が作り話であるかを検証した本。といっても、日本書紀を万世一系の根拠とすることに疑問を呈しているのであって、日本書紀の価値を否定しているわけではない。
    中国の歴史書や書記編纂当時の日本の状況などを引き比べながら、内容をひとつひとつ検証していておもしろかった。

    0
    2020年01月19日
  • 天皇誕生 日本書紀が描いた王朝交替

    Posted by ブクログ

      終章にて著者曰く(241p.)、
     「江戸時代に始まった国学は、『古事記』『日本書紀』や『万葉集』などのうち、とくに『古事記』を読めば(徹底的に読み込めば)、中国の思想や文化の影響をこうむる以前の日本の真の姿が明らかにできるのだと考えた。だが、本書において『日本書紀』の前半部分の叙述を取り上げ、いろいろと検討を加えた結果、国学者には残念ながら、ことに『日本書紀』は、それをいくら読み込んでも、歴史的な事実のかけらや、中国の思想・文化の日本固有の姿を拾い上げることはほとんど不可能であることが明らかになった。むしろ、『日本書紀』という歴史書は、中国の文化・思想の受容と摂取なしには、その骨格すら成

    0
    2009年10月04日
  • 人事の日本史

    Posted by ブクログ

    人事の視点から日本史を読み解いた本。

    人事は組織を運営するうえで大事な要素。人事権を握る人次第で組織は大きく変わる。人事で得をする人、泣きを見る人、文句を言う人がいる。これは古今東西変わらないもの。

    本書はビジネスを経験した人が読むと、さらにおもしろく読める日本史の本です。

    0
    2024年06月05日
  • 人事の日本史

    Posted by ブクログ

    人事に焦点を当てた日本史の本でした。3人の書き手がおり、文体が違うこと、古代は流石に学説の域を出ないことなど、読みづらさもありましたが、全体的に大変読み応えがありました。

    0
    2021年11月07日
  • 人事の日本史

    Posted by ブクログ

    普段は特に歴史への興味がない人でも、読めばなんらかの読後感を残すように・・すなわち自分の立場や仕事に置き換えて歴史上の人物に共感できるように、うまく書いてあるなあという感想。大江広元、天武天皇の取り上げ方については、なるほどな、と思った。

    0
    2021年11月06日
  • 天皇誕生 日本書紀が描いた王朝交替

    Posted by ブクログ

    面白い!良書です。いつかは古事記や日本書紀を読みたいと思っていたので、巻末にある通り入門書として有用だったので嬉しい。そして何よりも面白い。ふとした拍子に重心を失って転倒、箸が陰部に突き刺さり、それが原因で亡くなったヤマトトトヒモモソヒメの墓を「箸墓」と呼ぶ?ひどい。双子の誕生に驚いた天皇が碓に向かって絶叫したので、兄がオオウス(大碓)、弟はオウス(小碓)?いい加減だ。このオウスがヤマトタケルだからまた笑える。あとアマテラスの息子の名前、マサカアカツカチハヤヒアメノオシホミミノミコト。長すぎです!

    0
    2013年06月16日
  • 天智と持統

    Posted by ブクログ

    いわゆる大化の改新の時代は、学校で習ったことから変更された史実も少なくない。本書は、さらに丁寧な検証によって新たな歴史認識を提示している。謎も多い時代だけに読んでいて大変おもしろい。そして、何よりも丁寧なルビふりなど、我々のよな素人でも読みやすくつくられている。

    0
    2011年12月23日
  • 人事の日本史

    Posted by ブクログ

     本書は2003年から2004年に雑誌「エコノミスト」に連載されたものを書籍化したので、日本の歴史を「人事」を通して考えようとするもの。自分も何年かに一回は異動になっていたし、上司・部下にどのような人物が来るかで仕事のやり方が変わってくるので、組織人であれば誰しも人事にそれなりの関心を持たざるを得ないであろうから、テーマとして面白い。

     良く知らなかったこと、特に興味を惹かれたもの
    ・「再就職」が厳しい中高年豪族~郡司の任命制度、試験プロセスが理解できた。
    ・「学閥」出身者の悲劇~菅原道真失脚について、他の学閥の嫉妬が原因であった。
    ・「実力主義」を育てた乱世~朝倉孝景と朝倉孝景条々の内容が

    0
    2024年03月04日
  • 新版 大化改新 「乙巳の変」の謎を解く

    Posted by ブクログ

    645年(無事故の日なし)の大化改新(今は暗殺事件は乙巳の変)のみでなく前提として蘇我一族と天皇家との関わりから書いてあるのが分かりやすかった。中大兄皇子がメインという事ではないという点が興味深かった。
    本筋から少し外れるが蘇我家滅亡に際して貴重な史書まで灰燼と化したのは残念な話。本家筋の蘇我蝦夷、蘇我入鹿や厩戸皇子(聖徳太子)の息子も亡き後となっては死人に口無しで後の藤原氏が得する様な展開になっている気もした。

    0
    2022年12月01日
  • 天智と持統

    Posted by ブクログ

    「武の人」であるとともに「文の人」でもあるという、われわれによく知られている天智天皇像が、持統天皇によってつくられたという著者の主張が語られている本です。

    本書の前半では、『日本書紀』と『鎌足伝』にえがかれた天智天皇像について、批判的な検討がおこなわれており、あらためてわれわれの知っている天智天皇のイメージに対する疑問を提示するとともに、そうしたイメージがだれによってつくられたのかということを明らかにする必要があると主張します。

    後半では、持統天皇の生涯をたどるかたちで、天智天皇の事跡がどのようなしかたで継承されていったのかということが論じられます。持統天皇は、夫である天武天皇から政治の手

    0
    2022年10月27日
  • 天皇誕生 日本書紀が描いた王朝交替

    Posted by ブクログ

    日本書紀入門書として最適ですね☺️
    安康天皇が眉輪王(7歳)に殺害されていたの忘れてた❗️雄略天皇や武烈天皇の下りは明らかに革命思想に基づいて記述されているから、平安の昔から、天皇家の万世一系が自慢だった日本の歴史も今一度検証すべきだと主張されています

    0
    2019年01月04日
  • 天皇誕生 日本書紀が描いた王朝交替

    Posted by ブクログ

    古書店にて200円で。万世一系を説きつつ武烈→継体間に王朝交替を匂わせる日本書紀の記述を読み解き、中国(当時は唐)が誇る長大な王朝の歴史に対抗すべく、自国史として天皇の系譜を〈紡いだ〉のだと主張している。その当否は扠措くとしても、特定の天皇を指して実在云々を論うことの不毛さは理解できるし、まるでその生涯における自分の役割を予知するかのような各天皇の和名は、確かにそれら一連の記載が史実ではなかったことの証左になっているのかもしれない。鵜呑みにはできないが示唆には富んでいる。

    0
    2016年02月21日
  • 天皇誕生 日本書紀が描いた王朝交替

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    [ 内容 ]
    神武以来、連綿と続く万世一系の皇統の歴史を綴った書物として尊重されてきた『日本書紀』。
    戦後はそれに徹底的な批判が加えられ、王朝交替という、万世一系とは対立する古代史が提唱されるに至った。
    本書は『日本書紀』の神武天皇から武烈天皇までの物語を精細に読み解き、その叙述を貫く主題・構想や歴史認識を鮮やかにあぶり出す。
    律令制国家として新生した日本が描こうとした天皇と国家の歴史とはいかなるものか。

    [ 目次 ]
    序章 万世一系と王朝交替と
    1 律令制国家と天皇―その誕生の物語(イワレヒコの東征―神武天皇;神々のむすめとの蜜月―綏靖天皇~開化天皇(欠史八代)
    ハツクニシラス天皇―崇神天

    0
    2011年04月06日
  • 天平の三姉妹 聖武皇女の矜持と悲劇

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    [ 内容 ]
    聖武天皇には三人の娘がいた。
    生涯不婚を定められ、孝謙天皇(重祚して称徳天皇)となって権力を振るった阿倍内親王。
    光仁天皇の皇后でありながら、夫を呪詛したとして大逆罪に処された井上内親王。
    恵美押勝の乱に加わった夫を失った後、息子たちの謀反に連坐、流罪とされて没年すら伝わらない不破内親王。
    凄惨な宮廷闘争の背景にあったのは何か―。
    皇位継承の安定のために人生を翻弄された三人の皇女の物語。

    [ 目次 ]
    序章 松虫寺の墓碑銘
    第1章 三姉妹の誕生
    第2章 それぞれの出発
    第3章 塩焼王流刑
    第4章 遺詔
    第5章 道祖王、杖下に死す
    第6章 今帝、湖畔に果つ
    第7章 姉妹の同床異夢

    0
    2011年04月06日
  • 天智と持統

    Posted by ブクログ

    なかなか興味深い本だった。著者は「天武と持統」でないのは意外なのでは、と「序」で書いているが、私はやはり、持統はあくまで「天智の娘」だったと思うので意外性はなかった。ただ、従来描かれてきた天智像の矛盾などを解き明かすプロセスは面白い。

    0
    2011年02月18日
  • 天皇誕生 日本書紀が描いた王朝交替

    ネタバレ 購入済み

    結論は終章

    終章から読むことをお勧めします。結論がそこにあり、それ以外は結論を強化する部分です。
    古代天皇が実在したか?という質問に、それに答えることの意味を見出せないという点に共感しました。ときの国家が国書を編纂し、そこには当事者にとって一見不都合とも思える記述を記す?否、不都合だと感じることが現代の価値観に縛られている証拠だと本書は論じていると思う。国書=自国の正統性の主張に他ならない、との観念に従えば、その含意を読み解ける。本書の主張が証明される日が来るといい。

    0
    2021年12月26日