竹内好のレビュー一覧

  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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    清朝末期の貧窮知識人(?)を描き出す短編

    ■孔乙己
     官僚身分であることを示す官服(すでにボロボロになっている)を着てツケで呑む。そのうちツケも通らなくなり…


    ■風波

    村の知識人
    本を振りかざして三国志の人物批評をする

    “趙七爺は隣村の茂源酒店の主人である。五里四方の内ではたった一人の図抜けた人物で兼ねてなかなかの学者先生である。彼は学問があるのでいささか遺老の臭気がある。


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    2022年11月03日
  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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    岩波文庫 
    魯迅 「 吶喊 」 解説 竹内好

    愚民の精神を改造するには、医学でなく文芸だと宣言した「自序」に始まる短編集。苦労人 魯迅の雄叫びと皮肉といったところ


    儒教道徳が人を生きづらくすることを人喰いに喩えた「 狂人日記 」〜ラストシーンは、仁義道徳をまだ知らない子供に将来を託したということか?


    奴隷根性の世界を描いた代表作「 阿Q正伝 」〜ラストシーンは、自序の「具弱な国民は〜どんなに頑強であっても〜見せしめの材料と、その見物人になるだけだ」を意味?


    政治的な意図を持つ啓蒙小説なので、対立は匂わせるだけで、抵抗を煽るレジタンス文学というより、寂寞を憂い、民心改造を強調して

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    2022年06月09日
  • 中国の思想(1) 韓非子(改訂版)

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    統治理論の名著。韓非子には、政治を実践する立場からの課題、解決策が書かれており、また現場のリアリティがふんだんに盛り込まれている。君主からすれば、先王の政、道徳による政治等の抽象的な儒家の説法より、富国強兵を真剣に考え、血なまぐさい政治現場を実際に見てきた韓の公子、韓非の法・術論を知りたかったのだ。だからこそ始皇帝の評価も高かったのだろう。しかし、法治では統治の正統性を担保できないのが欠点だ。この点では、韓非が馬鹿にした儒教の方が圧倒的に優れていたことに留意したい。秦が滅びた一因もまた韓非子にある。

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    2022年04月26日
  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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    おまえ(祖国フィリピン)は社会的な病に苦しんでいる。わたしはみずからの自尊心さえ犠牲にして、ベールに隠された(病に苦しむ)おまえの姿を明らかにしよう。わたしもおまえの子として、おまえの欠点と弱点のために苦しまなければならない。ホセ・リサールRizal『ノリ・メ・タンヘレ』1887

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    阿Q。日雇い労働者。自尊心が強い。強者には媚びへつらい、弱者には威張り散らす。強者の理不尽には理屈をつけて自分を慰める「精神勝利法」。都合の悪いことはなかったことにする「忘却術」。ちっぽけな自尊心を癒している。無知と無自覚。中国民衆に蔓延した情けない道徳観(奴隷根性)を変えなければならな

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    2025年05月05日
  • 中国の思想(2) 戦国策(改訂版)

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    劉向編『戦国策』十二国のうち、まとまりのある説話を抄録。底本は、横田惟孝『戦国策正解』とし、諸本を参照されている。

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    2019年01月13日
  • 中国の思想(12) 荘子(改訂版)

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    『荘子』は三十三篇からなる。内篇(7)、外篇(15)、雑篇(11)である。内篇は全訳。外・雑篇は著名な話や成句の出展となったものを抄訳されている。

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    2019年01月13日
  • 中国の思想(6) 老子・列子(改訂版)

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    『老子』は81章全てを収録。『列子』は抄録のようである。岩波文庫の小林勝人訳注『列子(上)(下)』は絶版のため、徳間文庫の[中国の思想]シリーズの『老子・列子』が、『列子』の内容を知るための貴重な書籍である。が、この徳間文庫の[中国の思想]シリーズも、最近は、書店で取り扱いされていないため、困った状況である。

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    2019年01月13日
  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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    「故郷」は確か、高校の現代文の授業で読んだ覚えがある。非常に情景描写の美しい短編で、印象的である。特に好みなのは、「孔乙己」。酒場の描写で、映画「紅いコーリャン」のワンシーンを思い出した。それにしても、孔乙己はお人よし過ぎたのだ。
    中国事情に疎すぎるため、巻末の注をパラパラとみていると、頁がなかなか進まなくて苦労した。背景知識もある程度ないと、本当の意味では楽しめないのかもしれない。

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    2018年06月18日
  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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    多分大多数の人と同じく、教科書で「故郷」を読んだだけで大人になってしまったのだが、名作をきちんと読みたいと思うようになり、読んでみた。やっぱり魯迅は竹内好、と昔買ってほったらかしていた岩波文庫を読む。
    原題は『吶喊』。はじめの「自序」で、魯迅が文学を志し、この短編集を書くに至った理由が綴られている。父が闘病中、名医と言われていた漢方医にかかり、高価な薬(三年霜にあたった砂糖きび、つがいのコーロギなど、)を処方された挙句死んでしまい、「漢方医というものは意識するとしないとにかかわらず一種の騙りに過ぎない」と西洋医学を学ぼうとするが、仙台の医学専門学校に留学した時、ロシアのスパイの容疑で斬首される

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    2016年08月18日
  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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    狂人日記が印象的。他の短編も、当時の中国の農村の様子が目に浮かぶ佳作。翻訳もとてもこなれていて読みやすい。
    (2015.6)

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    2015年06月16日
  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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    国語の教科書で読んだ「故郷」が、妙に印象に残っていたので。
    歪んだ倫理やおぞましい迷信を暴露した話は読んでいて背筋が寒くなった。我々の社会はこんな病根を抱えているのだよ、という魯迅の訴えを感じた。

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    2013年05月08日
  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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    わたしは阿Q正伝を読んでわたしもまた阿Qだと思ったが、阿Qは阿Q正伝を読んでも己を阿Qだと思うことはないのだろう。


    装飾と情緒を削いでなおふくらみと余韻のある、魯迅の文章は好みだ。
    訳が良かった、日本語として好きな文章だった。竹内好訳。肌触りがしっとりさらりとしていて、心地良い。

    とても陰鬱な色調の話で始まって戦慄いたのだが、行きつ戻りつだんだんとほの明るい色調になった。
    昼の明るさではなく月のささやかな光。最初のどうしようもないどん底の絶望を読まねば、この明るさをさほどに感じなかったと思う。
    話の配置の良い短編集。
    最初の狂人日記の食事がすげーまずそうなのに、最後の村芝居の食事はすげー

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    2012年06月02日
  • 中国の思想(1) 韓非子(改訂版)

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    ・君主を説得する難しさは、相手の心を読み取った上で、こちらの意見をそれに適応させること、この1点につきるのである。

    ・昔の聖人である堯・舜・湯・武のとった方法を、現在の世の中でそのまま手本にするものが、新しい時代の新しい聖人に笑われることも、またたしかである。聖人とは昔にとらわれ一定不変の基準に固執する者ではない。聖人とは、現在を問題とし、その解決をはかる者をいうのである。

    ・「仁義」を行うものに名誉をあたえてはいけない。これに名誉を与えれば功績の妨げとなる。また、学問があるというだけで登用してはいけない。登用すれば方が乱れる。

    ・修正ができるように気を配って行えば、あまり失敗はしない。

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    2010年12月31日
  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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    短編集。やはり阿Q正伝が心に留まる。
    自分の中にも阿Qがいるのではないか?山月記の李徴のような。

    「思うに希望とは、もともとあるものともいえぬし、ないものともいえない。それは地上の道のようなものである。もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。」(99頁、故郷)

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    2024年12月30日
  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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     標題の「阿Q正伝」は、阿Qと呼ばれる名前もはっきり分からない、行状もはっきり分からない、当時(1920年頃)の中国の最底辺で暮らす、家も無い、家族も無い、日雇労働者で稼いだ金は全て飲み代に使ってしまうような男が主人公。
     皆から馬鹿にされ、しょっちゅう殴られているのだが、変なプライドがあり、例えば殴られた時でも「息子に殴られたようなものだ」とか「我こそ自分を軽蔑出来る第一任者なり」などと考え、自分を納得させて、殴った相手よりも意気揚々とその場を立ち去る。
     しかし、自分よりも見すぼらしい者や女性のことは軽蔑している。
     ある時、その町に革命軍がやってきた。その革命軍が町の有力者を怯ませたと聞

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    2021年02月26日
  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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    「それになんとまぬけな死刑囚ではないか。あんなに長いあいだ引き廻されながら、歌ひとつうたえないなんて。これでは歩き損じゃないか、というのだ。」
    ちゃんと読んだことなかったけど面白いね。阿Qとそれを取り巻く人々を通じて旧弊な前近代が浮き彫りになる。その一方で、阿Qの死は近代化の波のなかで起こっていて、だから阿Qを殺したのは前近代と近代との相克だとも言える。

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    2016年03月06日
  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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    教科書で読んだときも寂しい風と、潮の厳しい香りが立ち昇るような話だったけど、いま読んでも虚しさは変わらず。
    可笑しみを湛えた阿Q正伝はなおのこと憐れさが増した。阿Qという男が馬鹿で愛嬌がある分なおのこと……。
    どの物語にも下の場所で生きる人たちのどうしようもない運命がざくっと切り取って並べられていて、読んだあとなんだか虚しい。これで奮起できる人間は偉い。

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    2019年01月03日
  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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    魯迅の代表作。辛亥革命期における何の変哲もない一民衆の姿が描かれている。抑揚のない筋書きの中で愚劣な民衆のありようが淡々と表現されている。

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    2014年01月04日
  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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    ほとんどの話が短編だった。
    ほんと超短い。10ページくらいで終わるのとか。
    短編だけど、ちゃんと内容はある。
    岩波はやはり何か読みづらいと感じてしまう。
    昔の中国の話で、背景がよくわからないので楽しめないというのもあった。
    何か終始あまり読む気ないままサラッと読んでたから、レビューも超適当。

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    2013年10月31日
  • 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊

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    ちょこちょこ読んでなんとか読破。狂人日記は本当に怖い。なんか凄まじいものを感じずにはいられなかった。阿Q正伝はよくわかんなかったなぁ…。兎と猫、あひると喜劇は結構好きだったけど。2011/168

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    2013年09月25日