ダーウィンのレビュー一覧
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ダーウィンとは、あの進化論のダーウィンである。彼が家族の協力を得ながら40年もミミズの研究をしていたとは、恥ずかしながら知らなかった。ダーウィン最後の著書がこの本。
この本によって、ミミズは単なる釣り餌ではない、大地を耕して潤してくれる存在であると、世に知らしめたのだ。
いまだに分からないことも多いミミズだが、ミミズがいなければ、作物は育たない。畑に薬を撒いて除草すると、ミミズも死んでしまい、豊かな畑にはならない。とても大事な存在なのだ。
ダーウィンが実験に使っていたミミズは日本のものより大きいらしいが、巣穴の入り口は葉っぱなどで塞ぎ、寒さをしのいだり、食べ物にしたりする話やローマ時代の遺跡が -
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読もうと思った理由
前巻と同じ
気づき
・自然淘汰説が基盤としている考え方は単純である。
個々の新しい変種、最終的には個々の新種が生み出さ
れ維持されるのは、競争相手となる種類よりも何らか
の利点を有しているからである。一方、そうした利点
のない種類は、ほぼ必然的に絶滅することになる
・変化した子孫をたくさん生み出す優勢な種類は、長い
時間をかけて分布を広げていく。そしてその結果とし
て、類縁関係にある変化した子孫が世界を席巻してい
く。一般にその理由は、優勢な種類の子孫が生存闘争
において劣った種のグループにとって代わっていくか
らだと考えればよい
進化論は当時、社 -
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今更ながら人類の歴史的名著を読む。まずは上巻。
なぜ本書が人々の常識を一変させたか、それは一般読者向けに分かり易く書かれたことのほかに、シンプルな主張を徹底的な論理武装で身にまとった点にあろう。本書内で厖大な事例が列挙されているが、彼は帰納的に進化論を導き出しているのではなく、観察と実地調査から既に結論を有しており、その論証としてあらゆる角度・視点から推敲を重ねて丁寧に理論の層を重ねている。そこには反証に対する準備も含まれる。「自然淘汰」が最も有名だが途中変異や本能など充分に検討と熟慮を以って慎重に進化論を温めていたことがわかる。ウォレス氏が手紙を出さなければ、ひょっとすると発表せぬまま亡く -
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言わずと知れた古典。その構成は、第一部(1~5章)で自然淘汰説(自然選択説)を説明し、第二部(6~9章)でその難点を取り上げ、第三部(10~14章)で生物学諸分野の知見が自然淘汰による枝分かれ的進化によって理解できることを示している。
私がこの本を読んだ目的は二つあり、一つ目はダーウィンの入念な論証を追体験することである。これは、種の起源はダーウィン本人による一般人向けの要約書であることから、なるべく専門的な知識なしに容赦のない思考のヒントを得ることができると考えたからである。二つ目はある程度ボリュームのある読書体験をすることである。上下巻合わせて800ページ超もある大著を読み通す経験は今後 -
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上巻に続き、とても深い研究書である。150年前に書かれたとは思えないほど、進化論について緻密な研究に基づく詳細な記述がある。驚きの一冊。
「自然は、個々の生物自身の利益になりそうなことならば、膨大な時間をかけてゆっくりとたゆむことなく生物の体のつくり全体に働きかける。そして、どれか一つの種に由来する複数の子孫の生殖機能を、相関作用の法則を通じて変更することができる。つまり、一カ所を変えると、それに応じて次々と別の箇所の変更も進むのだ」p56
「長い目で見ると、同じ地域にすむすべての種はなぜ最終的には変化するのかという理由がわかってくる。変わらない種は絶滅してしまうからなのだ」p129
「自然 -
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19世紀に書かれたとは思えないほど、動植物についてよく調査・研究され、論理的にまとめられている。正確な論述は、ダーウィンがいかに厳格な人間であったかを伺わせる。生物学の基礎をなす極めて重要な古典だと思う。
「どの生物種でも、生き残れる以上の数の子供が生まれてくる。しかもその結果として、生存闘争が繰り返し起こる。こうした状況下では、自分自身の生存にとって少しでも利益となるような変異をそなえた個体は、たとえそれがいかに小さな変異であっても、複雑で変化しやすい環境下において生き残る可能性が高くなるはずであり、自然によって選抜されることになる(自然淘汰)」p21
「すべての生物は、ある年などに個体数 -
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「種の起源の見解が,一般に受容されるときには,博物学に重大な革命がおこるであろう」
上巻に続き,自説に対する批判に応える形でダーウィンは自然選択による変化を伴う由来の論理を確かめていきます.化石記録が不完全であること,種によって地理的分布が広大であること.これに対する論説の中に「日本」発見.「・・・これらオーストラリアの植物は・・北にむかって日本まで・・散らばっている.」あの有名なガラパゴスもでてきますが,イグアナやフィンチの絵もなく,下巻では各論もありません.「生命の最初のあけぼのにおいては,もっとも単純な構造をもつごく少数の種類があっただけであって,変化の速度は極度に緩徐であったと思われ -
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ダーウィンといえば進化論ですが,本書下巻の最後尾の付録に「進化evolution」とようやく,それも,ダーウィンと同時代の博物学者は生物が環境にあわせて身体を変化させること自体は承知している,という文脈で使っています.その原動力が自然選択なのだ,という言い方です.本編では変化を伴う由来,descent with modificationという表現がよく用いられます.迂遠な言い回しが生真面目に訳出されているので,読みにくいです.ですがおそらく,当時としては平易な語り口で書かれており,現代で一般的な科学エッセイとに相当すると思います.目を引くイラストなどは一切なく,唯一の写真は著者ご本人の肖像写
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下巻もやっとこさ読み終わった。上巻に引き続きダーウィンの偉大さに感嘆する内容だった。くどいと感じるほどに自説や対立仮説に疑問を投げかけ検証しているため、若干の読みづらさはあるけれども。
実際に読んでみるまでは、種の起源は自然淘汰説により人の起源が猿人類であることを唱える本であると思い込んでいた。
植物から魚類、鳥類、昆虫など、様々な生物に関してだけでなく、地質学や気候学など話題は多岐にわたる。遺伝の法則がわかっていない時代の著作であるから、分子生物学的な話は出てこないが、それでもこの時代によくぞここまでと驚いてしまう。
生物学を学ぶ者として、手に取ってみて良かった。
もっと視野を広げて、様 -
Posted by ブクログ
読み終わるまでに結構な時間が掛かってしまったけれど、買ってみて良かったと思える。ダーウィンがいかに偉大であるかが理解できる。
メンデルによる遺伝の法則の発表より前の著作。自然淘汰説は10年以上温め続けていた持論…遺伝の法則よりもずっと前からこの説を胸の内に秘めていたということ。
進化論の礎を築き、自然淘汰説を提唱した。凄い…。
生物学を学ぶ人間として読んで良かったと思えるし、一度は読むべき気がする。
自分の仮説に真っ向から対立する事例を敢えて取り上げ、それについて厳しく言及し、考察する。そして、特殊な例を排除し、自分の仮説を一般的な形に落とし込む。
客観的な分析能力の高さ、先見の明は驚異