柿沼瑛子のレビュー一覧

  • キャロル

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    ネタバレ

    きっとテレーズにとって本当の初恋。
    だからこそキャロルしか見えないし、他のものに対して苛立ちが伴う。人を初めて苦しくなるほど愛するとはこういうことだったなぁと思い返したりした。
    2人が離れてからのほうが結構好きだったかな。
    冷静になって彼女をまた愛するの良かった

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    2024年01月15日
  • キャロル

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    映画版のビジュアルだけ見た状態で原作を読んだ。
    キャロル、ケイトブランシェットってはまり役すぎるだろ…。あまりにも「運命の女」が似合う。
    全く2人は変わってしまったけれど、でも、というラストが好きだった。

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    2022年12月31日
  • キャロル

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    パトリシア・ハイスミスはミステリーの作家さんだというイメージが強かったのですが、恋愛小説も書いたのですね。
    描かれている人々の生活ぶりが自分の住む世界とあまりにかけ離れていすぎて現実感が薄かった。現在よりも比べ物にならないくらい同性の恋愛への偏見の酷さを考えると希望のある終わり方。
    幸福感の描写がとても美しい。
    「テレーズの中で幸福感が緑の蔓のように広がり、細い巻きひげを伸ばして全身に花を咲かせていく。…」
    読みながら主人公の恍惚に私も一緒になって陶酔した。

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    2021年01月02日
  • キャロル

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    ネタバレ

    レズビアンへの差別や社会風刺が、とかよりもまず、単純に恋愛ものとしてとても刺激的。
    物語は終始テレーズ視点で進むが、上品で魅力的で思わせぶりなキャロルの態度にはらはらさせられる。
    そして、そんなキャロルがついに囁く「私の天使」という言葉!
    テレーズが夢中になってしまうのもわけはない人物だと思わせられる。

    運命というものは存在するし、どこにも転がってる。ただ、何もかもを捨ててそれに飛び込む勇気が普通の人には無いんだと思う。でもこの「キャロル」のテレーズは、最後はきっとうまく飛び込めた。

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    2019年06月22日
  • リプリーをまねた少年

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    少年はリプリーの何に共感したのか。リプリーは少年の何に共感したのか。それは自由の渇望か。
    本作のリプリーは悪事に手を染める、悪事に飛び込むのではなく、少年が悪に飲み込まれ溺れるのを救い出そうとしているように見える。
    少年が迎えた結末を考えると、リプリーが死と悪の狂気に陥らずにすんでいるのは、献身的で善良に見えるマダム・アネットと、悪に対してもおおらかで飲み込んでしまうエロイーズ、つまり母なる女性の存在なのかもしれない。

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    2018年08月27日
  • カーリーの歌

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    怖いお話なんだけど、それ以上に印象に残ったのがカルカッタの雑踏の雰囲気。街の喧噪とじっとりと絡みつくように吹き出る汗。
    いや、行ったことないんですけどね。

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    2017年11月27日
  • キャロル

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    ネタバレ

    女性が女性をあんなに好きになってしまう・・・
    分からないでもないけれど、イマイチ共感できない。
    男女間の恋愛とはやっぱり違うんだろうなとは思う。

    それでも最後までドキドキが止まらない。

    文章がきれいで(翻訳者のおかげで?)そういった偏見や嫌悪缶など持たずに読めた。
    私も10代のころならきっとこの本が人生のBEST10に入ったのかも。

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    2017年06月12日
  • キャロル

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    ハイスミスにとって本作は、イーヴリン・ウォーにとっての『ブライヅヘッドふたたび』みたいなものか。作家にとって異色作ということでも、同性愛を、はっきりと描くと、仄めかす程度の差はあれど、描いているという点で。静寂を感じた。ロードノヴェルの面はあるが、私立探偵との対決以外はこれといった事件は起きないし。テレーズが女優に惹かれる場面があるが、ということは、彼女はたまたま恋したキャロルが女性だったという訳ではなく、元々その傾向があって、それをキャロルが引き出したということ?キャロルはバイセクシャルかな。

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    2017年05月31日
  • キャロル

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    ネタバレ

    ハイスミスは、本格ミステリ、暗いミステリ、と思っていて読んでいなかったのだけれど、この作品はミステリではなくて恋愛モノ、ときいて、しかもものすごく評判がいいし、映画のほうの評判もすごくいいので読んでみたんだけど、評判どおり、すごくよかった。まったくミステリではなくて、文章も純文学っぽく、雰囲気があって、美しい。

    主人公テレーズがデパートの売り子っていうのはきいていたけど、舞台美術家志望ってきいたらもっと早く読んだかも。舞台の話がちょっと出てきたり、彼女がセットの模型つくったりしているのが楽しい。時代は1950年代、そのころのニューヨークのデパートや街の雰囲気、ふたりが旅するいろいろな街のホテ

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    2016年12月18日
  • キャロル

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    テレーズとキャロル、年齢や環境も異なる2人の女性の出会いと愛を描いた一作。
    芸術関連の夢を持ちつつ、そういった人におおそうな現実とのギャップで
    若さの割にややくたびれた印象のあるテレーズ。
    そして、そんな彼女と出会うキャロルも、
    上品な美しさと裏腹に、グラグラした夫婦関係に陰りが見えて…。

    ふたりの眩い煌きを感じる出会い、
    そして手紙を通して距離を縮めていく様子は、
    ふたりが同性ということを除いても特別な高揚感があります。
    キャロルとの出会いまでに灰色く濁った空気が漂っていたテレーズの日常だけに、その輝きは一層強い。


    しかしその後の、夫婦、男の誇りに振り回され、今一歩踏み出せない関係と、

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    2016年11月09日
  • キャロル

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    映画化され、映画は観てないけど、帯の宣伝など見ているとすごく期待していた。

    だからか、読み進めているうちに、あまり面白くないなぁと思い始めた。ダラダラしているというか…冗長というか。
    だけど、最後まで読み終わると、良かったなと思う。

    テレーズもキャロルもその他の男たちも、ワガママ、気まぐれ、自分勝手、意地悪な感じ。そういうもんなんだろうな。

    キャロルの選択、決断は、かなりキツイものだ。

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    2016年10月02日
  • キャロル

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    初出は1952年、当時売り出し中のミステリ作家が世に問うた女性同士の恋愛小説。LGBTなどという言葉はもちろん無く、同性愛者が蔑視されていた時代にあって、主人公があじわう逡巡、煩悶、そして歓びが行間にあふれる。

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    2016年07月24日
  • キャロル

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    映画化で話題となり、観る前に読もうと思った。1950年代という背景を意識すると、とてもリアルに描かれているのを感じる。
    同性愛者の筆者による女性2人の描写は説得力があるが、そういう前提を取り払い、切ない愛の物語、成長する若い女性、夫婦仲に悩む女性の悲哀、といった方向で読むこともでき、どのテーマにおいてもしっかり描かれていて重みがある。

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    2016年08月25日
  • 殺戮のチェスゲーム(下)

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    ネタバレ

    一気に最後まで読んだけ、面白かった。
    ただあまりにも多くのエピソードが並行して進むし、その場面転換が頻繁なので物語がぶつ切りの印象は否めない。4人位の主観で描くのだが、一つのシーンはそれをそれぞれで描くから重複してしまうし、却って物足りない。何より本質に関係のない細部描写が多いし、このヴァンパイア共が何をしたかったのかはっきりしない。
    人類の運命をかけたチェスだけ?
    そのオチがしっかりしてれば、もっと物語の方向性がしっかりしただろうに。とはいえ十分楽しめたから、次は「ハイペリオン」シリーズかな?

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    2014年04月12日
  • 殺戮のチェスゲーム(中)

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    ネタバレ

    話がますます大きくなって行きアクションも激しく、特に中盤の戦いのシーンは延々と続く。メラニー対保安官+ナタリー+ソール+黒人ギャング対FBIという熾烈な戦い。ただ文章だと何が何だか分かりにくい。それにいい加減バンバイアは簡単に死なないと分かってるんだから、狙撃すればいいのに、とか突っ込みが…。
    なんと保安官が死んでしまうのは意外!
    そして三カ月の時が流れそれぞれの旗色が鮮明になってくる。
    バーラント+トニー+マギーvsナタリー+ソールvsメラニーvsボーデン、という不思議な戦いか?
    筆力はあるからグイグイ読んでしまうが、時制は入り乱れるし、登場人物が次々に出てくるし、舞台は飛ぶし、細切れに場面

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    2014年04月12日
  • 殺戮のチェスゲーム(上)

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    ネタバレ

    「雪嵐」あたりに比べると文体も違って、こちらは「ハイペリオン」などのドラマに近い。
    ストーリーはドラキュラ同志?の抗争によって巻き込まれた一般人の殺人事件を追う、保安官、被害者の娘、かつての被害者の3人の物語となる。
    骨子はドラキュラものとなるが、そこがキングの様に壮大なドラマになり、クーンツの様に追うものと追われるものの戦いになる。
    しかもドラキュラ側も二手に分かれ、人間側も様々な思惑でいくつにも分かれているので複数の視点で物語が同時進行しててややこしい。
    時々戸惑うこともあるが、圧倒的な筆力でグイグイ引き込まれていく。
    上巻だけでも相当なページ数でスカスカの日本の小説の3冊分くらいありそう

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    2014年04月12日
  • カーリーの歌

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    ああ、やっぱりすごいよ、ダン・シモンズは。
    この物語を丸呑みしてインドを知ったつもりになってはいけないと思うけど、圧倒的な描写にクラクラして、本当にインドにさまよいこんだ気持ちになりました。
    読み終わってすぐ、最初から読み返して、ああ、やっぱりすごい。そして、このラスト。
    すばらしい。

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    2013年05月05日
  • カーリーの歌

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    8年前に死んだと聞いていたインドの大詩人ダースは生きていた。しかも新作まで書き上げて。編集者で詩人のルーザックはダースの新作を入手すべく、妻子を伴ってカルカッタへと飛んだ。しかし、熱気と汚濁と臭気に満ちたカルカッタは、ルーザックにとっては悪夢に等しい場所だった。ダース本人への面会を拒まれた彼は、インド人の若者から「ダースの死体が生き返ったのを見た」という奇妙な話を聞かされ、独自に大詩人を探そうとするが、暗黒神カーリーを崇める教団の魔の手がルーザックに迫る……。

    1985年度世界幻想文学大賞受賞作。
    ホラー小説としての怖さよりも、想像を絶する現実がこの世界にはあるということがこの作品の醸し出す

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    2010年04月17日
  • カーリーの歌

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     世界幻想文学大賞を獲得した、ダン・シモンズのデビュー作です。
     ダン・シモンズは『ハイペリオン4部作』で名声を博していますが、SFオンリーの作家ではなく、ホラーやアクション物も書いています。とにかく長編が得意な人で、どの作品でも一度読み始めると止まらなくなりますね。
     本作は、アメリカの詩人が、何年か前に死亡したはずのインドの有名詩人が生きていて、その新しい詩をアメリカで発表するためにインドはカルカッタを訪れることによって始ります。
     カルカッタの雑然とした状況と得体の知れない人物達が、ある大きな悲劇を引き起こすのですが、とにかく圧倒的な筆力でのめり込んでしまいました。
     なお、本作のテーマ

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    2009年10月04日
  • 妄想の世界史 10の奇想天外な話

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    難しくてよく分からない部分が多い。
    精神病や欧米の歴史に詳しい人ならより楽しめると思う。
    でも説明が丁寧なのでド素人の自分でもなんとなく概要は理解できた気がする。

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    2024年09月11日