柿沼瑛子のレビュー一覧

  • キャロル

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    クリスマスのとある本の交換会で送った本。送ったら再読したくなった。

    クリスマス前のデパート。おもちゃ売り場で働くテレーズは一際輝きを放つ女性キャロルと出会う。この出会いが素敵なんだ!人混みのなかでも一瞬でバチっと合う感じ。
    そこからお家に遊びに行ったり、車で旅に出かけたりと親しくなっていく。
    キャロルの夫とのすったもんだもあり、一度は縁を切った2人だったが…。

    終わり方もいいんだよな。余韻に浸りまくってる。あと数日浸れる。テレーズの成熟しきっていない精神面は30代になった自分でも共感できる部分がある。
    作品中の「古典とは時代を超越した、人間の業を描くものだと思います」を噛み締めた。
    テレー

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    2025年12月30日
  • 焚殺 歴史の闇に隠されたあるゲイ・クラブの悲劇

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    ふんさつ、と読む。
    こんな言葉はない。
    焚 という字は焚書、くらいしか思い浮かばない。
    書物を思想弾圧して大勢の前で燃やす行為。
    これになぞらえた造語、焚殺。
    「焚」は火をつけて燃やす、という意味だから、その上殺の字を加えることで、
    火をつけて燃やして殺す、ということになる。

    殺されたのは同性愛者32人。時は1973年、場所はアメリカニューオリンズ。
    ゲイ・クラブ〈アップステアーズ・ラウンジ〉での放火事件。
    300ページ以上のこの小説は、犯人が放火に至るまでの行動、思いと、
    亡くなった人たちの周囲、そして社会を描いている。
    この時代でも30人以上が焼き殺されれば大きなニュースになるところが、

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    2025年12月28日
  • 焚殺 歴史の闇に隠されたあるゲイ・クラブの悲劇

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     焚殺 とは、これまたすごい文言だ。秦の始皇帝の焚書坑儒がぱっと浮かぶ。いわゆる焼死であるのに、この文言を使ったことには、その遺体の凄まじさが起因している。

     1973年6月24日、アメリカ南部ニューオーリンズのゲイ・クラブ アップステアーズ・ラウンジで放火事件が発生し、32人が命を落とした。これはアメリカ史上、同性愛者を標的とした最大の大量殺人事件である。

     アップステアーズ・ラウンジは、LGBTQ+の人々が安心して集える数少ない場所であり、当時同性愛者を受け入れた唯一の教会であるメトロポリタン・コミュニティ教会(MCC)の活動拠点でもあった。事件当夜、いつものように談笑する客たちの下階

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    2025年11月24日
  • キャロル

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    4.7

    軽い気持ちで読み始めたのに読み終わった時にはすごくいい気持ちになったし、傑作!と思ってしまったことが自分でも意外でした。
    この時代の小説は車で逃避行(のような)するシーンが描かれたものが多いような気がします。トレンドだったのだろうか。

    映画版も観なければ!

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    2025年09月12日
  • キャロル

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    半世紀以上前のニューヨークを想像しながら読んだ。古き良き時代。しかし、現代以上に、偏見や差別も酷かった時代。愛するとは何か、愛されるとは何か。愛とは理屈ではない。この本を読んで、強くそう思った。

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    2025年08月26日
  • キャロル

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    ネタバレ

    面白いミステリー書かれるだけあって、話の展開がとても秀逸。特にニョーヨークで2人が再会した場面からラストにかけて。

    幸せの絶頂から一気に地に落ちて、神様のような存在だったキャロルは自分と変わらないただの人間だと気付いて…
    そうしたテレーズの変化を察しながらも一緒にいたいと願うキャロルの純粋な思いに胸が締め付けられるほど切なくなった。
    前半は超然とした、余裕のある大人の女性だったけど、だんだんと人間味が出てきて、臆病なところも垣間見えてくるキャロルのことが読んでいて大好きになってしまった。

    別れを経て、華々しい世界に足を踏み入れようとするテレーズは、キャロルとの経験を踏み台にできる若さがあっ

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    2024年09月20日
  • キャロル

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    解説にある通り、眠い目を擦りながら夢中で読み切ってしまった。どうしてやめられないのか不思議~。
    「見知らぬ乗客」で初めて著者の作品を体験し、二作目がこちらで、途中までサスペンスと思い込んでいた。裏表紙の梗概を見て魂消たが、それはそれでホッとした。
    河出文庫のハイスミス作品の装丁、全て良すぎる。手に取らずにいられない。

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    2024年05月10日
  • キャロル

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    “恐れていながら人を愛することなんて出来はしない。恐れと愛は両立しない。ふたりでいることで日ごとに強くなっているというのに、なぜ怯える必要があるのだろう? 昼だけではなく夜ごとにも。同じ夜は二度となく、同じ朝も決して訪れなかった。ふたりは一緒に奇跡を紡ぎ続けていた。” 

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    2023年06月19日
  • 誰?

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    なぜ今バドリス?という意表をつく国書刊行会というより山口雅也氏のチョイス。
    舞台はソビエト連邦ありし日の冷戦時代、国境付近の研究所での事故で重傷をおった研究員がソ連に収容されサイボーグ化され解放。顔はロボコップなみに仮面で覆われ体も多くが機械となって解放された。果たして本物の研究員なのかスパイなのか?

    第三次大戦前夜の位置付けとなった現代において、もはや洒落にならない情報戦。歴史は懲りずに繰り返してしまうのか。という表面上のサスペンスもどきどきなのですが、この本の本質である自分とは何であるかどのように証明できるのか?という深いテーマが1周回って現代的。一度疑われたりレッテルを貼られたら「そう

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    2023年03月16日
  • 誰?

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    はじめの方は退屈だったが、だんだん面白くなった。最後は少し判じ物。スパイスリラーに見せかけた、天才的科学者の成長と喪失の物語。

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    2023年02月09日
  • キャロル

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    「見知らぬ乗客」でサスペンス作家として世に名を轟かせたパトリシア・ハイスミスが、1952年に匿名(別名義)で出版した恋愛小説。

     心情描写の詩的比喩が多く、若く主観的なテレーズが成長していく姿とリンクしていて美しい。
    印をつけて大事にとっておきたい文章がいくつもあった。
    映画も小説も忘れられぬ作品。

    " 古典とは時代を超越した、人間の業を描くものだと思います "






    *余談 : 当時は「ザ・プライス・オブ・ソルト」として出版され、後に「キャロル」と改題されている。

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    2022年02月21日
  • キャロル

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    舞台美術のデザイナーになる夢を追いながらNYのデパートで働く19歳のテレーズは、ある日接客した女性客を忘れられず、伝票から割り出した住所宛にクリスマスカードを投函する。それがキャロルとの運命的な出会いのはじまりだった。交際中の恋人リチャードとの関係に違和感を抱いていたテレーズは、キャロルへの燃えさかる感情に自分はやっと本当の恋を知ったのだと感じる。キャロルは夫と別居中で、一人娘の親権をめぐって争っている最中であることを明かし、娘を夫に預けているあいだの気晴らしとしてテレーズを車での旅行に誘う。旅中、ついに二人は心を打ち明けあい結ばれるも、キャロルの夫に雇われた探偵が二人を尾行していることが判明

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    2020年05月22日
  • キャロル

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    クリスマスも近づいて参りましたので、「キャロル」を。
    実は映画化された当時に購入したまま、積読となっておりました。

    イヤミス(嫌なミステリー:読後感が良くない)の祖と呼ばれるパトリシア・ハイスミスの作品ですが、今作は異例の恋愛小説だそうで。
    主題としてはNYに住む女性二人の恋愛模様と紆余曲折……と言ったところでしょうか。

    この作品の時代背景と詳しい経緯については「あとがき」や他の方のレビューにもある通りなので割愛させていただくこととして、途中で中だるみというか、読んでいてつまらないなと(個人的にですが)思える箇所を少しずつ挟みながらも、やはり最初とクライマックスから最後までは一気に引き込ま

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    2019年12月16日
  • キャロル

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    恋愛小説
    デパート働くテレーズはお客のキャロルに一目で恋に落ちる。夫と子供がいるキャロルとの交際はテレーズに多くの葛藤をもたらす。一度はキャロルとの別離を決意し、仕事を選ぶテレーズだが、やはりキャロルのもとへ。

    先に映画を見たのだけど、セリフが少なく表情や背景で心情を折っていかなければならないので、彼女たちの気持ちがわからなかった。
    小説はテレーズの視点で描かれる。人を恋い慕い欲する心情が丁寧に書かれている。


    アメリカを車で旅するって疲れそう。

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    2019年05月27日
  • キャロル

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    とんでもなくよかった。控えめに言って最高。
    映画を見て、次の日に原作を購入した。
    映画では描かれていなかったテレーズの想いが書かれていてすごく共感した、キャロルと出会った時のテレーズと同い年の私。


    最後キャロルの同棲の話を断った後のパーティで、美人な女優さんに好意を抱かれているのを見てやっぱりテレーズは相当美人なんだなと思ったし、映画のキャストさんであるルーニーマーラで当てはめると、そりゃあモテる…と思った。テンション上がる。今でさえそうなんだから昔はかなりLGBTへの差別がキツくて、相当辛かっただろうし葛藤しただろうなと思う。今でさえ、同性で付き合うってなった時に間違ってるとか言わせてし

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    2019年01月21日
  • わが愛しのホームズ

    mu

    ネタバレ 購入済み

    面白かった

    もしもホームズとワトソンの関係が友情以上のものだったらのお話。

    お互い想い合ってたけどこういう時代だからはっきり意思表示して愛し合えなかった、と直接的な身体の接触の表現はほぼ無いからこそ萌えた。
    事件を交えながら進むストーリーも面白かった。

    ワトソンははっきりとホームズが好きだと言っていて、片思いの関係を悩む様子が不憫。
    でも嫉妬してるらしく回りくどく文句を言ってるホームズがいたり、やっぱり友情以上の何かがあると思わせる。

    独身男性同士が同居してたら邪推したくなるよね!って論じられてるのわかる。

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    2017年12月13日
  • キャロル

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    「太陽がいっぱい」などで有名なパトリシア・ハイスミスが1952年に別名義で発表した作品。
    恋愛物です。
    マッカーシズムの赤狩り旋風が吹き荒れた厳しい時代だが、ペーパーバックでベストセラーになったそう。

    若い娘テレーズと、美しい人妻キャロルが出会う。
    テレーズは舞台美術家の卵で、クリスマス商戦でにぎわうデパートでアルバイトをしていた。
    感受性豊かなのが災いして不慣れな環境に戸惑い、感性が暴走しそうになっていたのだが。
    それとなく惹かれあう気持ちを伝えていく二人。
    キャロルは教養があり裕福な社交界の女性だが、じつは離婚の危機を迎えていました。

    テレーズにもステディなボーイフレンドがいたのですが

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    2016年12月01日
  • キャロル

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    簡単に言ってしまえば、レズビアンの話だが、純粋な恋愛小説といってよい。
    異性愛と異なるのは周囲の偏見だけだし、異性愛だって条件によっては偏見を持たれることもある。
    繊細な感情の揺れ動きが行動によく表れていて、とてもよい小説。

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    2018年10月29日
  • キャロル

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    1回目の感想
     映画を観てから原作を読んだ。原作のキャロルは、脆さであったり危うさであったりがよく表現されていて、より人間らしく感じられた。テレーズが、キャロルをただ美しい理想の人間ではなく、現実の人間としてとらえはじめたところにテレーズの成長がある。
     この2人の織り成す関係性がとても美しい。人が求め合うとか惹かれあうといったことは、本来簡単なことではないはずでうまいこといくものでもないのだろうけれど。

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    2019年08月16日
  • キャロル

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    ネタバレ

    この季節に丁度良さそうな本だと思い読んでみましたが、読みやすく、当時の時代の雰囲気も感じられてとても素敵な小説でした。内容が分かりやすかったのも良かったです。ラストも悲しいまま終わらないのが好みでした。

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    2025年12月31日