柿沼瑛子のレビュー一覧
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クリスマスのとある本の交換会で送った本。送ったら再読したくなった。
クリスマス前のデパート。おもちゃ売り場で働くテレーズは一際輝きを放つ女性キャロルと出会う。この出会いが素敵なんだ!人混みのなかでも一瞬でバチっと合う感じ。
そこからお家に遊びに行ったり、車で旅に出かけたりと親しくなっていく。
キャロルの夫とのすったもんだもあり、一度は縁を切った2人だったが…。
終わり方もいいんだよな。余韻に浸りまくってる。あと数日浸れる。テレーズの成熟しきっていない精神面は30代になった自分でも共感できる部分がある。
作品中の「古典とは時代を超越した、人間の業を描くものだと思います」を噛み締めた。
テレー -
- カート
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試し読み
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ふんさつ、と読む。
こんな言葉はない。
焚 という字は焚書、くらいしか思い浮かばない。
書物を思想弾圧して大勢の前で燃やす行為。
これになぞらえた造語、焚殺。
「焚」は火をつけて燃やす、という意味だから、その上殺の字を加えることで、
火をつけて燃やして殺す、ということになる。
殺されたのは同性愛者32人。時は1973年、場所はアメリカニューオリンズ。
ゲイ・クラブ〈アップステアーズ・ラウンジ〉での放火事件。
300ページ以上のこの小説は、犯人が放火に至るまでの行動、思いと、
亡くなった人たちの周囲、そして社会を描いている。
この時代でも30人以上が焼き殺されれば大きなニュースになるところが、 -
- カート
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試し読み
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焚殺 とは、これまたすごい文言だ。秦の始皇帝の焚書坑儒がぱっと浮かぶ。いわゆる焼死であるのに、この文言を使ったことには、その遺体の凄まじさが起因している。
1973年6月24日、アメリカ南部ニューオーリンズのゲイ・クラブ アップステアーズ・ラウンジで放火事件が発生し、32人が命を落とした。これはアメリカ史上、同性愛者を標的とした最大の大量殺人事件である。
アップステアーズ・ラウンジは、LGBTQ+の人々が安心して集える数少ない場所であり、当時同性愛者を受け入れた唯一の教会であるメトロポリタン・コミュニティ教会(MCC)の活動拠点でもあった。事件当夜、いつものように談笑する客たちの下階 -
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ネタバレ面白いミステリー書かれるだけあって、話の展開がとても秀逸。特にニョーヨークで2人が再会した場面からラストにかけて。
幸せの絶頂から一気に地に落ちて、神様のような存在だったキャロルは自分と変わらないただの人間だと気付いて…
そうしたテレーズの変化を察しながらも一緒にいたいと願うキャロルの純粋な思いに胸が締め付けられるほど切なくなった。
前半は超然とした、余裕のある大人の女性だったけど、だんだんと人間味が出てきて、臆病なところも垣間見えてくるキャロルのことが読んでいて大好きになってしまった。
別れを経て、華々しい世界に足を踏み入れようとするテレーズは、キャロルとの経験を踏み台にできる若さがあっ -
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なぜ今バドリス?という意表をつく国書刊行会というより山口雅也氏のチョイス。
舞台はソビエト連邦ありし日の冷戦時代、国境付近の研究所での事故で重傷をおった研究員がソ連に収容されサイボーグ化され解放。顔はロボコップなみに仮面で覆われ体も多くが機械となって解放された。果たして本物の研究員なのかスパイなのか?
第三次大戦前夜の位置付けとなった現代において、もはや洒落にならない情報戦。歴史は懲りずに繰り返してしまうのか。という表面上のサスペンスもどきどきなのですが、この本の本質である自分とは何であるかどのように証明できるのか?という深いテーマが1周回って現代的。一度疑われたりレッテルを貼られたら「そう -
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舞台美術のデザイナーになる夢を追いながらNYのデパートで働く19歳のテレーズは、ある日接客した女性客を忘れられず、伝票から割り出した住所宛にクリスマスカードを投函する。それがキャロルとの運命的な出会いのはじまりだった。交際中の恋人リチャードとの関係に違和感を抱いていたテレーズは、キャロルへの燃えさかる感情に自分はやっと本当の恋を知ったのだと感じる。キャロルは夫と別居中で、一人娘の親権をめぐって争っている最中であることを明かし、娘を夫に預けているあいだの気晴らしとしてテレーズを車での旅行に誘う。旅中、ついに二人は心を打ち明けあい結ばれるも、キャロルの夫に雇われた探偵が二人を尾行していることが判明
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クリスマスも近づいて参りましたので、「キャロル」を。
実は映画化された当時に購入したまま、積読となっておりました。
イヤミス(嫌なミステリー:読後感が良くない)の祖と呼ばれるパトリシア・ハイスミスの作品ですが、今作は異例の恋愛小説だそうで。
主題としてはNYに住む女性二人の恋愛模様と紆余曲折……と言ったところでしょうか。
この作品の時代背景と詳しい経緯については「あとがき」や他の方のレビューにもある通りなので割愛させていただくこととして、途中で中だるみというか、読んでいてつまらないなと(個人的にですが)思える箇所を少しずつ挟みながらも、やはり最初とクライマックスから最後までは一気に引き込ま -
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とんでもなくよかった。控えめに言って最高。
映画を見て、次の日に原作を購入した。
映画では描かれていなかったテレーズの想いが書かれていてすごく共感した、キャロルと出会った時のテレーズと同い年の私。
最後キャロルの同棲の話を断った後のパーティで、美人な女優さんに好意を抱かれているのを見てやっぱりテレーズは相当美人なんだなと思ったし、映画のキャストさんであるルーニーマーラで当てはめると、そりゃあモテる…と思った。テンション上がる。今でさえそうなんだから昔はかなりLGBTへの差別がキツくて、相当辛かっただろうし葛藤しただろうなと思う。今でさえ、同性で付き合うってなった時に間違ってるとか言わせてし -
ネタバレ 購入済み
面白かった
もしもホームズとワトソンの関係が友情以上のものだったらのお話。
お互い想い合ってたけどこういう時代だからはっきり意思表示して愛し合えなかった、と直接的な身体の接触の表現はほぼ無いからこそ萌えた。
事件を交えながら進むストーリーも面白かった。
ワトソンははっきりとホームズが好きだと言っていて、片思いの関係を悩む様子が不憫。
でも嫉妬してるらしく回りくどく文句を言ってるホームズがいたり、やっぱり友情以上の何かがあると思わせる。
独身男性同士が同居してたら邪推したくなるよね!って論じられてるのわかる。
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Posted by ブクログ
「太陽がいっぱい」などで有名なパトリシア・ハイスミスが1952年に別名義で発表した作品。
恋愛物です。
マッカーシズムの赤狩り旋風が吹き荒れた厳しい時代だが、ペーパーバックでベストセラーになったそう。
若い娘テレーズと、美しい人妻キャロルが出会う。
テレーズは舞台美術家の卵で、クリスマス商戦でにぎわうデパートでアルバイトをしていた。
感受性豊かなのが災いして不慣れな環境に戸惑い、感性が暴走しそうになっていたのだが。
それとなく惹かれあう気持ちを伝えていく二人。
キャロルは教養があり裕福な社交界の女性だが、じつは離婚の危機を迎えていました。
テレーズにもステディなボーイフレンドがいたのですが