宮藤官九郎のレビュー一覧
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両親を喪って以来、笑うことが出来ず冗談も言えなくなってしまった流星会のヤクザ・山崎虎児。しかしある日、借金を取り立てるはずが落語家・林屋亭どん兵衛の落語を聴き「弟子にしてくれ」といきなり入門。教えて欲しい噺はこれまたいきなり大ネタ「三枚起請」。案の定うまくいくはずもなく、初高座が失敗に終わった虎児は「三枚起請」が出来る唯一の弟子を紹介してもらう。その弟子こそ、どん兵衛の息子にして落語家を廃業した売れないデザイナー・谷中竜二だった――落語の世界と現実で起こる騒動と人情が融合した時、新しい落語が生まれる! 宮藤官九郎が描く、笑いを失ったタイガー・山崎虎児と笑いを辞めたドラゴン・谷中竜二の二人を中心とした落語ドラマの代表作。
落語心中も始まったし、読書も落語に寄ってみようか、まずは私にとって落語のファーストインプレッションであるタイガー&ドラゴンのノベライズ……と思ったんですがクドカン作品はノベライズしちゃいけない決まりでもあるのか、あまちゃんと同じ脚本集です。吾輩は主婦であるもノベライズじゃなくて脚本だしね。なので作品を見てから読む方がいいかも。でも前に見たのは落語一年生の時分の2009年だったっけ……なのであんまり覚えてないのですが、それでもやはりクドカン脚本のパワーってのにぐいぐい引きこまれていきますね。めっちゃ面白かったです。
落語の内容と本編の内容がリンクする、落語の本歌取りのような作風はちりとてちんでもそうですが落語を知らない若者であった私(放送当時高校三年生)に虎児(小虎)が本編であったドタバタ劇をうまく落語に落とし込み、当意即妙!なサゲをつける、それが実に爽快で落語ってなんて面白いんだ! こんなすごいものがずっと昔からあったなんてすごいな~! なんで今まで知らずにいたんだろ! ととにかく感動したものであります。05年の落語ブームのきっかけでもあった(だよね?)この作品、今また落語心中で落語ブーム再来の動きを作ろうとしておりますが、ぜひぜひタイガー&ドラゴンも見直すなりこの脚本なりを読んでほしいところです。
と所感はこの辺にして好きな話は落語すげえ!ってサゲに感動した(あ、じーんときたっていう意味ではない)「饅頭こわい」、昔からなんでこんなひどい噺があるんだといまいちわからなくて、むしろ嫌いだったけど、落語にふれて早数年、考えが変わってきて今回改めて読んで泣いてしまった「厩火事」でしょうか。うん、この「厩火事」は泣けるよー。「厩火事」の本質を描いてるよね。「明烏」も好きなんですけど下巻ですね。まて次回! あ、あと題材になった落語の速記もついてます。 -
Posted by ブクログ
まず第一に、このせなけいこさんの表紙がインパクト大。
クドカンさんの子育てエッセイ。
一行目が「私は子供が嫌いです」なのに共感‼︎
私も、自分の子、唯一の姪っ子、友達の子以外の子供は嫌い。
だけど子供の親。
そんなところにとても共感してしまい、読み始めました。
でも、子供嫌いでも自分の子は格別なんだよね〜。
クドカンさんもそうみたい。
かんぱちゃん、かわいい。
なんとなく、食い意地が張ってるとことか、ハイハイじゃなくズリバイなとことか、頭がでかいとことか、長女とかぶりました。
寝かしつけるとき、立って揺らして、ようやく寝た! と思ってベッドにおろすとギャー!とか、そうそうそう!でした。
かんぱちゃんは幸せものだ〜。
自分が全く覚えてない、物心つく前のことを、お父さんが記録していてくれるなんて。 -
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宮藤官九郎がとても好きだ。
本当に憎いんです。もちろん良い意味で。
小ネタを挟む、だなんてメディアが取り上げたりしてます。まぁ、本書の特別対談にも話がありましたが「出し惜しみがない」。これに尽きます。
構成を考える上で盛り上がる山場を作るために、「良いセリフはこの辺で・・・」だなんてシナリオはあって然るべきだと思います。
それが、宮藤官九郎の脚本はそんな見え透いた意図が凄く想定しにくい。もちろん頭の中の構成はあるんだろうけど、私の想像力の稚拙さ故なのか不意を突かれに突かれる。そして笑ったり泣いたりさせられる。ズルイよ・・・。
脚本家は物語の全体像を描く。
宮藤官九郎の突き詰められた客観性は、出し惜しみない言葉で、世が言う「小ネタ」達が肩組んで本筋となって物語を進めていく。
セリフにもチームワークが見えるんだよなぁ。宮藤官九郎の描く作品には。 -
Posted by ブクログ
2014.1.20
【経緯】
表紙買い。
くどかんに子煩悩なイメージ無かったから興味あって。
【感想】
愛娘のニックネームが「かんぱ」て。笑
発想がやっぱり面白い。変な人。
多感な時期にじぶんの面白おかしく晒された成長日記を読むのは酷なものがあるけど、いつか愛だと気づいてあげてください。
「我が子」っていいな〜
その後も読んでみたい。
【共感】
•10年間夫婦ふたりで生活していたくどかん。こどもを勧める人に対して結婚して子どもを作らない選択肢を、「愛があるから鎹はなくてもいいんです」とキッパリ言えたのがカッコいい。
•子どもへの接し方の四分類。「本心からかわいがる」「接し方分からないから見守る」「ほっとく」「建前上かわいがる」
•じぶんより小さい子に意地悪する少年に「あんたたち、つまんないから帰んな!」と叱った妻。良いか悪いかを、「つまんないことだ」という美意識でもって教えるやり方。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読む順番間違えたー(泣)
子供嫌いな宮藤さんの子育てエッセイ(笑)。
なのでいいことばっかりは書いてなくて
ムカついたことも凹んだこともちゃんと正直に書かれてて好感を持った。
0歳から3歳まで、年齢ごとに章立てされているのだが
読んでるだけでかんぱちゃんの成長具合が判る筆致に脱帽。
特に言葉を発するようになる前とその後では
どっちも可愛くて堪んないオーラが出てるんだけど
その種類が違うってことがちゃんと読み取れるように書かれているのがすごい。
『いまなんつった?』のレビューに
『『音』として発せられた言葉を拾う感度』と書いたのだが
宮藤官九郎という人は音を拾う感度云々以前に特異な観察眼を持ってるんだなというのが
今回この本を読んでみての大まかな感想である。
眼だけじゃなくて、観察したものを五感で掬い上げる能力、というか。
そしてしっかり親バカ目線も発動しているのが微笑ましい。
子供はいないし、作る予定も願望もないけど
せめて親御さんの苦労は慮れるような度量を持っていたいとは思った。
何せ人間以前の動物を相手にしてるわけだから(爆)。
NHKでやってた宮藤さんと葉加瀬太郎さんの対談の番組で
小学生になったかんぱちゃんの様子を先に見ていただけに
この本を読んでいて感慨深いものがあった。
子供って、育つもんなんだなぁと。