辻堂魁のレビュー一覧

  • 希みの文 風の市兵衛 弐[26]
     旗本の家柄ながら元服後すぐに出奔。大坂で商売と算術を、奈良の興福寺で剣術を学び、江戸に戻って臨時雇いの用人稼業で生計を立てる唐木市兵衛の活躍を描く、時代サスペンス。大坂編第3部。
     シリーズ26作目。第弐部6巻。

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     大坂3部作のエピローグ的な位置づけだからか、表...続きを読む
  • 乱雲の城 風の市兵衛[12]
    今回の市兵衛は渡り用人としてではなく、完全に兄・信正の窮地救う捜査員として行動する点で、これまでのシリーズ作品とは趣が異なっている。
    せっかくの婚礼・出産に水を差す城内の醜い権利争いに加え、そのやり方の酷さから、いつも感じる清々しさがなかったな。
  • 縁の川 風の市兵衛 弐[24]
     旗本の家柄ながら元服後すぐに出奔。大坂で商売と算術を、奈良の興福寺で剣術を学び、江戸に戻って臨時雇いの用人稼業で生計を立てる唐木市兵衛の活躍を描く、時代サスペンス。
     シリーズ24作目。第弐部の4作目。

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     壱部の終わりから市兵衛の武芸が神懸かり的になりすぎたので...続きを読む
  • 花ふぶき 日暮し同心始末帖
    主人公日暮龍平は平同心でありながら凄腕剣客。
    起こる事件は現代でもありそうな、鬱屈した若者の暴発と私刑的復讐劇。

    主人公が事件解決に活劇するのだが、勧善懲悪ではない。
    懲らしめなくてもいいかもしれない人たちを、消してしまうところ
    心に固く硬く思うところがあるのか、はたまた念ずるものの軽さか。

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  • はぐれ烏 日暮し同心始末帖
    優れた、読み継がれる時代小説は、その書かれた時代にシンクロ・フィットすると思っています。同時代に影響された思想や、ありたい世の中への希望や、そこはかとない懐かしみを盛り合わせて創造するのです。

     山本周五郎の生真面目な剛直とまで言える精神(戦後復興期)、池波正太郎の洒脱さにくるまれた暖かい人間観察...続きを読む
  • 風塵(上)風の市兵衛[9]
    今回はロシアとの交易に端を発するスケールの大きな話です。
    上巻を読んだ限りでは奥平の大殿は決して悪い人ではないし、襲撃する側にもそれなりに同情できる背景があるようなので、切ない最後が待っていそう。。。
  • 五分の魂 風の市兵衛[8]
    陀ノ介や鬼渋とどんどん仲良くなってきて、彼らと連携する様子は面白かったけど、これじゃあ市兵衛さんは渡り用人ではなく探偵じゃないですか。
    まあ、長いシリーズなのでたまには良いか。
  • 乱れ雲 風の市兵衛 弐[28]
    「風の市兵衛 弐」(第二期)第八弾。(通算・二十八作目)
    江戸中を謎の流行風邪が襲います(何となくコロナを連想させます)。その流行風邪に罹って重篤になっている、金貸しを営む旗本からの依頼で、その旗本の息子と共に借金の取り立ての手伝いをすることになった市兵衛さん。
    なかでも百両近い貸付があるのは、大身...続きを読む
  • 乱れ雲 風の市兵衛 弐[28]
    風の市兵衛シリーズは好きで、全作読んでいます。
    分かりやすい勧善懲悪、と言う感じもしますが、
    登場人物のキャラクターが魅力的で、読後感も良く、楽な気持ちで楽しめて良いです。
    特に、市兵衛の強くて賢く、冷静でクールな感じがするけど実は温かくて優しい人柄に惹かれます。

    今回は、少し物足りない印象。
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  • 天空の鷹 風の市兵衛[5]
    老侍 中江半十郎の侍魂と生き様に、武士の誇りを感じ胸が熱くなりました。それに響き合う市兵衛の心と行動もあっぱれです。
    最後の戦いは、スピード感と迫力があり、市兵衛の魅力が一段と輝いていました。事後のそれぞれの思いも書かれ、丁寧さを感じました。
  • 月夜行 風の市兵衛[4]
    こんな逃亡劇を体験したら、安寿姫でなくとも、男女問わず、市兵衛に惚れてしまうでしょう。はらはらしながらも、読み終えての爽快さはたまりません。
  • 風の市兵衛[1]
    “風の剣”を使う唐木市兵衛、賢く強く控え目で、ひたすらかっこいい。
    ドラマを先に見たので、私の中では、市兵衛は向井理さん、渋井鬼三次は原田泰造さん、片岡信正は筒井道隆さんでした。
    続編も読みたいです。
  • 雷神 風の市兵衛[2]
    それぞれの登場人物の生き様が交錯し、生き生きとしていて、読み応えがありました。
    やはり、唐木市兵衛はしなやかで強い。
    気持ちが晴れ晴れして、日常を忘れられます。
  • 神の子 花川戸町自身番日記
    読む本を決める動機はさまざま。これは家人のおすすめ。本文もさることながら、解説がいいと言う。

    初、辻堂魁だが、なるほど人気TVドラマ『風の市兵衛』作者、その「人情物」もなかなかのよさです。

    回し役は自身番に書き役で勤めている戯作作家の卵「可一」、江戸時代の花川戸町の人間模様オムニバスです。
    ...続きを読む
  • 不義 刃鉄の人

    赤穂浪士事件のもう一つ顛末

    こんな「赤穂浪士討ち入り事件」の顛末があるのかと感じさせられた作品である。
    主人公は一戸舞国包󠄃で、彼の縁筋から人の始末を依頼される。これは前作と同じ流れである。
    討ち入り事件で犯した二人の不忠者がいる。一人は吉良方の家臣、山陰甚左。もう一人は赤穂浪士の河井太助である。彼を探して郷里赤穂から江戸...続きを読む
  • 希みの文 風の市兵衛 弐[26]
    「風の市兵衛 弐」(第二期)第六弾。(通算・二十六作目)

    まだ大坂にいる市兵衛さん達。今回は百姓の女房が辻斬りに遭った件の真相調査を依頼されます。
    犯人の侍は本当にクズで、被害者のお橘さんに土下座で謝罪してほしいくらいでしたが、現実的な示談になった感じです。
    そして、いよいよ江戸に戻る旅路で、前回...続きを読む
  • 天満橋まで 風の市兵衛 弐[25]
    「風の市兵衛 弐」(第二期)第五弾。(通算だと二十五作目)

    前巻に引き続き、大坂が舞台です。
    市兵衛たちと同じ長屋に住む、お恒の息子豊一が米取引の不正に絡む件で殺されてしまいます。
    一方、市兵衛に闘いを挑む凄腕の剣士の存在も・・。
    相変わらず、めっちゃ強い市兵衛さんですが、ラストの室生斎士郎との勝...続きを読む
  • 刃鉄の人
    江戸時代(元禄)の武士から刀鍛冶になった一戸前国包が本家から人切りの依頼を受け、お家のために使命をはたす。槍使いの斑目新左衛門との対決がストーリーに緊張感をもたせ、話しをもりあげる。馴染みのない刀鍛冶の厳しい生活が詳しく描かれている。
  • 縁の川 風の市兵衛 弐[24]
    「風の市兵衛 弐」(第二期)第四弾。

    市兵衛の友人で、“鬼しぶ”こと渋井鬼三次の息子、良一郎が幼馴染みの小春と突然大坂へ旅立ってしまいます。
    小春の姉の死と、過去の悲惨な事件との関わりとは・・・。
    今回の舞台は大坂。若き日を過ごした町で、市兵衛さんが安定の活躍を見せてくれます。
  • 遠き潮騒 風の市兵衛[19]
    久しぶりの市兵衛シリーズ。
    市兵衛が用人として働くほうが好きなので、いまいち物足りなかったかなあ。