辻堂魁のレビュー一覧

  • 春風譜 風の市兵衛 弐[31]
    「風の市兵衛 弐」(第二期)第11弾。(通算・31作目)

    小春の血のつながりのない兄・又造が、小春と良一郎との縁談を知り、ゆくゆくは小春と結婚できるものと思い込んでいた事もあって、ショック&激怒で家出してしまいます。
    その又造を連れ戻してほしいと頼まれた市兵衛さんが、彼が頼っていった縁戚・南吉の許...続きを読む
  • 春雷抄 風の市兵衛[11]
    風の市兵衛シリーズは、10巻の「風塵」をもって読むのを休止したつもりだったのだが、またぞろまとめ買いして読みふけってしまった。勧善懲悪ものは中毒性がある。

    本作は、市兵衛が友人の蘭医 柳井宋秀の頼みで、葛飾小菅村の代官所の手代をしていた清吉を探すことに。調べていくうちに代官所の元締め、酒問屋、米問...続きを読む
  • 春風譜 風の市兵衛 弐[31]
    マンネリ、なんて声も聞きますが、個人的には、変わらぬ市兵衛の強さと冷静さ、でも温かい人柄が好きで、安心して読めます。
    しかし、市兵衛のお見合い話は何処へ?終わって欲しくないので、このまま続くといいな、と思う反面、市兵衛さんにも素敵な女性が現れて欲しい、とも。
  • 春風譜 風の市兵衛 弐[31]
    鬼渋の息子の良一郎の花嫁になる小春の兄が家出。
    血の繋がらない妹と結婚できないと知ったゆえ。
    兄探しに市兵衛は我孫子に行くがまた従兄弟と共に失踪。
    街道の利権をめぐった殺人事件に巻き込まれる。
    市兵衛の活躍よりストーリー重視。
    謎解きを期待してる訳じゃないので残念。
  • 風の市兵衛[1]


    人気時代小説シリーズの第一作目。評価としてはイマイチ。

    津軽(阿片)を題材とした事件を描くのは非常に興味深い。ただ、黒幕や動機は早めに判明し、謎解き展開ではなくなる中、殺陣や逮捕劇も派手でなく、中国の武術という飛び道具が最大の見どころとなるなど話が散らばりすぎな感が強い。途中で柳屋の動機に言及...続きを読む
  • 乱れ雲 風の市兵衛 弐[28]
     旗本の家柄ながら元服後すぐに出奔。大坂で商売と算術を、奈良の興福寺で剣術を学び、江戸に戻って臨時雇いの用人稼業で生計を立てる唐木市兵衛の活躍を描く、時代サスペンス。
     シリーズ28作目。第弐部8巻。

         * * * * *

     今回は市兵衛の他、鬼渋の息子・良一郎と蘭医・宗秀にもスポットを...続きを読む
  • 遠き潮騒 風の市兵衛[19]
    今回の市兵衛は完全に脇役で、銚子湊における縄張り争いと、よくある役人の汚職がメインでした。
    時代小説としてはそれなりに面白かったものの、シリーズのファンとしては市兵衛の活躍があまりなくて物足りない。
  • 斬雪 風の市兵衛 弐[30]

    待ってました、市兵衛

    ここのところ上方に行きっぱなしだったり、若者の話が多かったりで、シリーズも終わりかなと思っていました。喜楽亭もなくなり店も替えたりで、時代が変わっていくのはしかたないと。でも、またまたお話が生まれ、久しぶりに江戸の町をうろうろできて凄く楽しめた。コロナでどこも行けないので。
  • 待つ春や 風の市兵衛[18]
    地方の藩元で私服を肥やす悪徳家老一味の陰謀に巻き込まれる市兵衛。
    このシリーズに期待する爽やかさが足りなかったなぁ。
    ところで、これまでいろんな魅力的な女性から好意を持たれても素っ気なかった市兵衛なのに、兄を通しての縁談だと心が動くのか?
  • 落暉に燃ゆる 大岡裁き再吟味
     主人公は鷹匠の息子で餌刺の古風十一。名町奉行と称えられた大岡越前守忠相が下した裁きが冤罪だったか否かを再調査する時代ミステリー。シリーズ1作目。

          * * * * *

     フィクションではあるのですが、大岡の実相にも触れられており、興味深い構成となっていました。また、一度下された裁きは...続きを読む
  • 斬雪 風の市兵衛 弐[30]
    「風の市兵衛 弐」(第二期)第十弾。(通算・三十作目)

    前巻で越後津坂藩の跡継ぎ問題に尽力した市兵衛さんに、その津坂藩の江戸家老から、御用金・百五十両と共に失踪した勘定衆・田津民部の件を調べてほしいと依頼されます。
    江戸家老の友で真面目な田津民部に何があったのでしょうか。市兵衛さんの捜査で浮き出た...続きを読む
  • 刃鉄の人
     刀鍛冶であり剣の達人でもある一戸前国包の剣客物語。シリーズ第1作。
     舞台は元禄期の江戸。

          * * * * *

     いい脇役陣を配するところが辻堂魁作品の特長ですが、本作でも国包の娘・千野や十蔵・清順親子という魅力的な人物が脇を固めていました。そして皆、腕が立つのも気に入りました。今...続きを読む
  • 女房を娶らば 花川戸町自身番日記
    二見文庫で刊行されていたものを加筆訂正したシリーズ2作目で二見版では、これで打ち止めになっていた。自身番日記に沿って事件が記録されるかと思いきや、そうでもなく、可一(一応の主人公あるいは傍観者)の設定が今一中途半端に思える。噺の展開はそれなりに読めるので、ラストで可一の三冊目の草紙本が刊行される、と...続きを読む
  • 仕舞屋侍 青紬の女
     『仕舞屋侍』シリーズ3作目。

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     新キャラ登場か?!
     「青紬のまさ」通り名がとてもいい。気性・剣の腕とも申し分なく魅力的な設定です。

     だが、まさの描写に紙数を割きすぎたことで敵側の登場頻度が下がってしまい、首領にすら箔をつける余地がなくなっていました。
     ...続きを読む
  • 落暉に燃ゆる 大岡裁き再吟味
    還暦を迎え、江戸南町奉行から寺社奉行に転出させられていた大岡忠相。突然、気鬱に襲われる中、思い出したのが、5年前、町奉行時代に裁いたある事件。既に、下手人として捕らえられた指物職人・与佐は打首になってしまっている。しかし、疑念が芽生えた大岡は、真相を調べ始める。

    新シリーズ、とのことなので、今後も...続きを読む
  • 残照の剣 風の市兵衛 弐[27]
     旗本の家柄ながら元服後すぐに出奔。大坂で商売と算術を、奈良の興福寺で剣術を学び、江戸に戻って臨時雇いの用人稼業で生計を立てる唐木市兵衛の活躍を描く、時代サスペンス。シリーズ27作目。第弐部7巻は市兵衛たちが大坂から江戸に戻ってまもなくのできごと。

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     川越藩主・松...続きを読む
  • 遠雷 風の市兵衛[13]
    またしても上流武家の不祥事の尻拭いに巻き込まれる市兵衛。
    すっかり単なる腕の立つ用心棒になってしまった印象です。そろばん侍らしく、初期のように頑張っているのに知識がなくて報われない人を助けるような活躍をして欲しいな。
    最後に娘の存在が暗示されているので、今後のシリーズでいつか成長した姿が見られるかも...続きを読む
  • 父子の峠 日暮し同心始末帖
    この夏、ゆるく沸かしたふろ水にハマっている。汗の噴出した熱い肌に気持ちいいから。
    このシリーズもそんな風に読み進んでいる。

    背景を江戸時代にとっての平同心龍平の家庭生活は穏やかで平和だ。そして現代でもよく起こるような事件を担当する。例えば、娘が無謀な結婚に走った困惑する親とか、家庭内暴力に悩む妻の...続きを読む
  • 寒月に立つ 風の市兵衛 弐[29]
    「風の市兵衛 弐」(第二期)第九弾。(通算・二十九作目)

    越後津坂藩を探っていた、返弥陀ノ介が瀕死の重傷を負ってしまいます。弥陀ノ介の上司で己の兄でもある公儀十人目付筆頭・片岡信正から弥陀ノ介の探索の後を託された市兵衛さん。
    10年まえに殺されたとされる、津坂藩主の世継ぎの男子が江戸のどこかに匿わ...続きを読む
  • 逃れ道 日暮し同心始末帖
    「日暮し同心始末帖」を1~5巻と読み進んでいる。

    「逃れ道」(5)のあらすじは
    日暮龍平の愛息俊太郎が、茶店で無頼にいじめられているのを救ってくれたお篠には、秘密めいたものが漂っていた。お篠にお礼を親子でして近しくなったものの、平同心で雑用係の龍平が、押し付けられた事件捜査にもかかわりがありそうな...続きを読む