辻堂魁のレビュー一覧

  • 女房を娶らば 花川戸町自身番日記

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    二見文庫で刊行されていたものを加筆訂正したシリーズ2作目で二見版では、これで打ち止めになっていた。自身番日記に沿って事件が記録されるかと思いきや、そうでもなく、可一(一応の主人公あるいは傍観者)の設定が今一中途半端に思える。噺の展開はそれなりに読めるので、ラストで可一の三冊目の草紙本が刊行される、と書かれているので、祥伝社文庫でシリーズ三冊目が刊行されるのか、期待と不安を持って待ちたい。

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    2021年11月11日
  • 落暉に燃ゆる 大岡裁き再吟味

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    還暦を迎え、江戸南町奉行から寺社奉行に転出させられていた大岡忠相。突然、気鬱に襲われる中、思い出したのが、5年前、町奉行時代に裁いたある事件。既に、下手人として捕らえられた指物職人・与佐は打首になってしまっている。しかし、疑念が芽生えた大岡は、真相を調べ始める。

    新シリーズ、とのことなので、今後も、過去の裁きについて、疑念や悔いが残っていることを、古風十一に命じて真相究明させるストーリーが続くと言うことかな。

    この設定なので、特に大罪で既に打首になってしまった、今回の与佐のような事件の場合、正直言って、今更調べたところで、命が戻るわけでもなく、公に裁けるわけでもないので、歯がゆいところもあ

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    2021年10月25日
  • 遠雷 風の市兵衛[13]

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    またしても上流武家の不祥事の尻拭いに巻き込まれる市兵衛。
    すっかり単なる腕の立つ用心棒になってしまった印象です。そろばん侍らしく、初期のように頑張っているのに知識がなくて報われない人を助けるような活躍をして欲しいな。
    最後に娘の存在が暗示されているので、今後のシリーズでいつか成長した姿が見られるかも。

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    2021年09月27日
  • 残照の剣 風の市兵衛 弐[27]

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     旗本の家柄ながら元服後すぐに出奔。大坂で商売と算術を、奈良の興福寺で剣術を学び、江戸に戻って臨時雇いの用人稼業で生計を立てる唐木市兵衛の活躍を描く、時代サスペンス。シリーズ27作目。第弐部7巻は市兵衛たちが大坂から江戸に戻ってまもなくのできごと。

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     川越藩主・松平大和守が国替えを画策したことに端を発する御家騒動に絡み、市兵衛と矢藤太が活躍する話です。

     本作は、松平大和守家の国替えという史実を扱ったことで、物語が窮屈になってしまったのか、全体的に地味な展開でした。特に、市兵衛の殺陣のシーンは、敵が大した腕前でないこともあって控えめです。

     ただ、良一郎

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    2021年09月29日
  • 父子の峠 日暮し同心始末帖

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    この夏、ゆるく沸かしたふろ水にハマっている。汗の噴出した熱い肌に気持ちいいから。
    このシリーズもそんな風に読み進んでいる。

    背景を江戸時代にとっての平同心龍平の家庭生活は穏やかで平和だ。そして現代でもよく起こるような事件を担当する。例えば、娘が無謀な結婚に走った困惑する親とか、家庭内暴力に悩む妻の悩みや、詐欺にあって老夫婦を自殺に追い込む事件。

    そう、主人公の解決はクールではあるけれども、いったん家庭にかえればホッとするという仕掛け。ところが『父子の峠』は遂に自家に災難が、息子が誘拐されてしまうのだ。懊悩と憤怒は想像通り、解決するのだが。

    主人公龍平が得意の剣劇で決着をつけるその情景は凄

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    2021年09月24日
  • 寒月に立つ 風の市兵衛 弐[29]

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    ネタバレ

    「風の市兵衛 弐」(第二期)第九弾。(通算・二十九作目)

    越後津坂藩を探っていた、返弥陀ノ介が瀕死の重傷を負ってしまいます。弥陀ノ介の上司で己の兄でもある公儀十人目付筆頭・片岡信正から弥陀ノ介の探索の後を託された市兵衛さん。
    10年まえに殺されたとされる、津坂藩主の世継ぎの男子が江戸のどこかに匿われているとの事ですが・・。
    久々に登場した弥陀ノ介が、いきなり瀕死の大怪我を負ってしまい、心配しました。
    そして、毎回ながら安心安定の働きぶりを見せてくれる市兵衛さん。今回は町方の下っ引き達とも連携が取れていましたね。
    町方といえば、渋井さんの息子の良一郎の、頼れる好青年っぷりが清々しくて、是非小春

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    2021年09月20日
  • 逃れ道 日暮し同心始末帖

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    「日暮し同心始末帖」を1~5巻と読み進んでいる。

    「逃れ道」(5)のあらすじは
    日暮龍平の愛息俊太郎が、茶店で無頼にいじめられているのを救ってくれたお篠には、秘密めいたものが漂っていた。お篠にお礼を親子でして近しくなったものの、平同心で雑用係の龍平が、押し付けられた事件捜査にもかかわりがありそうな気配。絵師の夫と幸せに暮らしたい彼女の行く先には何が待ち受けているのか・・・。
    江戸情緒ならぬ現代にも通じる、ねじれにねじれた世の中の事情。そして、やがてスーパー龍平がばっさ、ばっさ(小野派一刀流)と悪退治。

    というパターンが健在なシリーズだけど、

    「天地の蛍」(4)の司馬中也と母の親子関係、

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    2021年09月17日
  • 希みの文 風の市兵衛 弐[26]

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     旗本の家柄ながら元服後すぐに出奔。大坂で商売と算術を、奈良の興福寺で剣術を学び、江戸に戻って臨時雇いの用人稼業で生計を立てる唐木市兵衛の活躍を描く、時代サスペンス。大坂編第3部。
     シリーズ26作目。第弐部6巻。

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     大坂3部作のエピローグ的な位置づけだからか、表看板となる事件はちっぽけで市兵衛にとっては明らかに役不足でした。案の定すぐ片が付いてしまいました。

     ただ秘する花のごとき剣戟シーンである「彦根の剣豪一族」との闘争は目を引く内容でした。
     卑怯の誹りを受けようとも手勢を連れて市兵衛を取り囲み、矢の雨を降らせてでも討ち取らんという武門の執念を見せる

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    2021年09月18日
  • 乱雲の城 風の市兵衛[12]

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    今回の市兵衛は渡り用人としてではなく、完全に兄・信正の窮地救う捜査員として行動する点で、これまでのシリーズ作品とは趣が異なっている。
    せっかくの婚礼・出産に水を差す城内の醜い権利争いに加え、そのやり方の酷さから、いつも感じる清々しさがなかったな。

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    2021年09月14日
  • 縁の川 風の市兵衛 弐[24]

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     旗本の家柄ながら元服後すぐに出奔。大坂で商売と算術を、奈良の興福寺で剣術を学び、江戸に戻って臨時雇いの用人稼業で生計を立てる唐木市兵衛の活躍を描く、時代サスペンス。
     シリーズ24作目。第弐部の4作目。

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     壱部の終わりから市兵衛の武芸が神懸かり的になりすぎたので、しばらく読むのを控えていました。だから読むのはひさびさです。

     本作の市兵衛は、武芸の腕が初期の頃ぐらいです。その代わり、算盤侍らしい推理力が際立つミステリー調で、読み応えがありました。

     内容は大坂編の序章なのでやむを得ないところはあるでしょうが、少しトントン拍子に事が運び過ぎた感がある点が

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    2021年09月17日
  • 花ふぶき 日暮し同心始末帖

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    主人公日暮龍平は平同心でありながら凄腕剣客。
    起こる事件は現代でもありそうな、鬱屈した若者の暴発と私刑的復讐劇。

    主人公が事件解決に活劇するのだが、勧善懲悪ではない。
    懲らしめなくてもいいかもしれない人たちを、消してしまうところ
    心に固く硬く思うところがあるのか、はたまた念ずるものの軽さか。

    暖かな家庭、家族を持っていながらのハードボイルド風がどうなるのか。

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    2021年08月22日
  • はぐれ烏 日暮し同心始末帖

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    優れた、読み継がれる時代小説は、その書かれた時代にシンクロ・フィットすると思っています。同時代に影響された思想や、ありたい世の中への希望や、そこはかとない懐かしみを盛り合わせて創造するのです。

     山本周五郎の生真面目な剛直とまで言える精神(戦後復興期)、池波正太郎の洒脱さにくるまれた暖かい人間観察(高度経済成長期)、藤沢周平の哀愁こもった深い情緒(安定成長期)が今までのわたしをとらえました。

     辻堂魁さんはまた、異なった方向から時代小説に切り取ってくれます。

     北町奉行所平同心日暮さんの「事件簿」ではないのです。「始末帖」なのです。でてくる事件はありふれています、けれども事件を単に解決す

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    2021年08月16日
  • 風塵(上)風の市兵衛[9]

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    今回はロシアとの交易に端を発するスケールの大きな話です。
    上巻を読んだ限りでは奥平の大殿は決して悪い人ではないし、襲撃する側にもそれなりに同情できる背景があるようなので、切ない最後が待っていそう。。。

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    2021年07月20日
  • 五分の魂 風の市兵衛[8]

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    陀ノ介や鬼渋とどんどん仲良くなってきて、彼らと連携する様子は面白かったけど、これじゃあ市兵衛さんは渡り用人ではなく探偵じゃないですか。
    まあ、長いシリーズなのでたまには良いか。

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    2021年07月04日
  • 乱れ雲 風の市兵衛 弐[28]

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    「風の市兵衛 弐」(第二期)第八弾。(通算・二十八作目)
    江戸中を謎の流行風邪が襲います(何となくコロナを連想させます)。その流行風邪に罹って重篤になっている、金貸しを営む旗本からの依頼で、その旗本の息子と共に借金の取り立ての手伝いをすることになった市兵衛さん。
    なかでも百両近い貸付があるのは、大身旗本・広川助右衛門。ギャンブル依存症の広川を利用しようとする悪党たちに例によって襲われる市兵衛さんですが、いつものように難なく撃退する安定っぷりを見せてくれます。
    一方、“鬼しぶ”こと、同心の渋井鬼三次の息子・良一郎は見習いとして北町奉行所に出仕中ですが、面倒な同輩に無理矢理連れていかれた賭場での乱

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    2021年03月16日
  • 乱れ雲 風の市兵衛 弐[28]

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    風の市兵衛シリーズは好きで、全作読んでいます。
    分かりやすい勧善懲悪、と言う感じもしますが、
    登場人物のキャラクターが魅力的で、読後感も良く、楽な気持ちで楽しめて良いです。
    特に、市兵衛の強くて賢く、冷静でクールな感じがするけど実は温かくて優しい人柄に惹かれます。

    今回は、少し物足りない印象。
    江戸は流行り風邪が猛威を振るい、次々に人が亡くなっています。その対応に追われている柳井宗秀の紹介で、
    密かに金貸しをしている旗本に雇われ、借金の回収をする市兵衛・北町奉行所に見習仲間として出仕し始めた、鬼しぶの息子良一郎が巻き込まれる賭場での揉め事で出会う龍喬・西国の盗品を扱う闇稼業を営む古物商の傳九

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    2021年02月01日
  • 天空の鷹 風の市兵衛[5]

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    老侍 中江半十郎の侍魂と生き様に、武士の誇りを感じ胸が熱くなりました。それに響き合う市兵衛の心と行動もあっぱれです。
    最後の戦いは、スピード感と迫力があり、市兵衛の魅力が一段と輝いていました。事後のそれぞれの思いも書かれ、丁寧さを感じました。

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    2020年12月05日
  • 月夜行 風の市兵衛[4]

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    こんな逃亡劇を体験したら、安寿姫でなくとも、男女問わず、市兵衛に惚れてしまうでしょう。はらはらしながらも、読み終えての爽快さはたまりません。

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    2020年12月05日
  • 雷神 風の市兵衛[2]

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    それぞれの登場人物の生き様が交錯し、生き生きとしていて、読み応えがありました。
    やはり、唐木市兵衛はしなやかで強い。
    気持ちが晴れ晴れして、日常を忘れられます。

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    2020年11月09日
  • 風の市兵衛[1]

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    “風の剣”を使う唐木市兵衛、賢く強く控え目で、ひたすらかっこいい。
    ドラマを先に見たので、私の中では、市兵衛は向井理さん、渋井鬼三次は原田泰造さん、片岡信正は筒井道隆さんでした。
    続編も読みたいです。

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    2020年11月09日