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Posted by ブクログ
市兵衛の友であり市井の名欄医 柳井宋秀を仇と狙う女郎がいるという。柳井宋秀は信州下伊那の出身で保利家に仕える菅沼宋秀というご典医だった。女郎は名を理緒といい、父は保利家の元勘定奉行 赤木軒春で柳井宋秀に切られて死んだと吹き込まれてていた。下伊那ではかつて紙会所を作って利権を得ようとする一派と紙漉き農民らとの間に紛争が起こり、宋秀の実の父も捕らえられ命を落とし、宋秀自身も養子に入った菅沼家から離縁されていた。当時の宋秀の仲間だった面々は今や藩の重鎮になっているが、赤木軒春の残した科野秘帖を巡って、再び血生臭い事件が起こる。
北町奉行所同心 鬼渋の別れた女房との間にできた息子の放蕩も絡み、事件はさまざまに展開していく。
科野は信濃の古い名称で、下伊那の保利家は、飯田藩堀家として実在していて、自分の故郷でもあるので、とても興味深く読んだ。もともと紙漉きが広く行われおり、元結や水引の圧倒的なシェアを持つ地域であるが、文化のころに書かれているような大規模な紙紛争があったかどうかは浅学なためわからない。
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