山岸俊男のレビュー一覧

  • 社会的ジレンマ 「環境破壊」から「いじめ」まで

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    社会的ジレンマ(コミットメント問題)について詳しく説明されている本でした。
    協力者、非協力者の割合が、いじめを加速させるのか抑止にいくのかが、非常に分かりやすく興味深く拝読させていただきました。
    昨今の外国人問題や多文化共生とのギャップも、ある意味、社会的ジレンマの表れではないかと思いました。集団行動、利他的文化が幼児期より刷り込まれている日本と、それ以外の文化が混じり合い、限界値を超えると一気に崩壊することが強く想起されました。

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    2025年10月01日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    非常に勉強になる本でした。1999年に初版が出されていますが、この本で述べられている事象は年々強まっているのではないでしょうか。日本は信頼が崩壊しているという言説があることに対して、そうではなく「安心」社会が崩壊しているのだと著者は論じます。

    本書では「一般的信頼」という言葉が重要な概念として紹介されていますが、これは見知った人をどのくらい信頼するかではなく、一般的に他の人をどれだけ信頼できるか、見知らぬ人がどれだけ信頼できるか見抜けるということを意味します。これは狭義の信頼にあたるのかもしれませんが、結論から言うと日本人はこの能力をこれから鍛える必要がある、なぜなら、そういう社会環境に日本

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    2023年05月08日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    読んで良かった。
    安心社会にいる(もしくはいたい)人と信頼社会にいる人(もしくはいたい人)はコミュニケーションの方法が違うものだろうなと思った。

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    2023年02月24日
  • きずなと思いやりが日本をダメにする

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    簡単なまとめは最後に書かれている。

    対談という形式になっていてスラスラ読める。
    二人が類似しているので、どちらが長谷川真理子さんで、どちらが山岸俊男さんかわからなかった。長年の付き合いの結果だろうか?

    思い込みのうち、『Factfulness』にもあったものとして、あちらの方々マインドや、昔は良かったマインドがあって、やっぱり進化論的に見ると、そうなのだということを改めて感じた。

    心でっかちというのは、なるほどと思った。スローガンを掲げていても仕方がなくて、制度を変えなければ、すべてはうわごとに過ぎないというのも強烈なメッセージだった。

    びくびくする人に対し、原理を持つといいよというの

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    2021年11月25日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    日本社会の特徴を語られる時、集団主義的で和を重んじるとか、閉鎖的な村社会だとか、言われることが多いように思うけれど、体感として、そんなことはないような気がしていて、和を重んじると言われる割には、他者に厳しいと思っていた。一方で、物を落としても戻ってくる世界的にも珍しい国だとも言われていて、それは確かにありそうだなと、体感では思っていた。では、日本社会とはいったいどんな社会なのだろうかというイメージが固まらずにいたのだけど、本書を読むことで、一定の整理ができたように思う。

    日本社会は自分たちの仲間と見做す集団を固定化し、所属する人々の流動性を低くする(集団を構成する人があまり変わらないようにす

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    2020年09月24日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    2020.46

    めちゃくちゃおもろかった。。
    ・日本は安心社会。
    ・安心社会は信頼能力を育まない。
    ・日本人は元来個人主義的。

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    2020年08月10日
  • きずなと思いやりが日本をダメにする

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    ここのところ山岸俊男さんの本を3冊続けて読んでいるのだけれど、それは社会心理学者の山岸俊男さんが観る社会の景色を共有したいとおもってからだった。
     でも、山岸さんの本はかつて読んだ記憶があるのだが、専門的で重厚で立ち向かうのに苦労した記憶があった。
     この本も、そして数日前に読んだ『リスクに背を向ける日本人』もそうだが対話を書籍にしているので、対談相手が見つめてる景色との対照性で、ずっと読み易くなり山岸さんが観ているだろう景色もくっきりと立ち上がってくる。
     そして今回の対談のお相手の長谷川眞理子さんが行動生物学、進化生物学を専門にしているということもあって、山岸さんの見つめる現代社会の姿を、

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    2020年08月02日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    COVID19をめぐる政府方針や社会的な雰囲気の影響で、社会心理学に興味を持った。この本が出版された1999年から果たして、どれだけ社会は透明性を発揮し、個人は一般信頼性を獲得したか。21年後に読んでも示唆に富む内容だった。

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    2020年06月05日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    混同しがちの安心と信頼は意味が違うがともに社会が効率的に運営されるために必要。逆に言うと不安は社会の進歩を阻害する要因になる。

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    2020年04月23日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    このような考え方は、古代エジプトやシュメールなど古代都市においても使われていたように思われる。村社会から都市に移ってきた人が感じることは普遍的なのであろう。

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    2020年02月27日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    欧米諸国は契約社会とされるが,意外にその内容は細かくない気がしていた。一方,我が国では最近,取り決めが煩雑で良く言えば緻密,悪くいえばおせっかいな部分が多いと思っていたが,著者によると同族同士の安心感はあるものの,自らが属しているコミュニティの「外側」を信頼することは不得手であるという。何となく今までの違和感に一つの回答を与えてくれたように感じた。
    著者の論旨が単なる感想や主張ではなく,社会心理の実験に根拠付けられていることが書かれており,説得力がある。

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    2019年12月21日
  • 信頼の構造

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    日本の社会は不確定性の低い社会であり相互の信頼が高い社会と思われていた。
    しかし、よく考えると信頼が必要となる状況というのは、不確定性が高まる状況である。
    また不確定性が低い状況では信頼がそもそも必要でないのではないか、という疑問から
    心理実験を行われ、我々が思っている常識とは少し実際は異なっていることが分かった。

    ポイントは以下のような内容である。
    ・信頼と安心は同じように扱われているものの異なるものであり、
     混同されたまま使用されているため混乱が起こっている
    ・信頼と信頼性も混同されるが、それぞれ相手を信用するのかがと
     相手から信頼されているのかが影響することはそれぞれ異なる。
    ・信

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    2019年10月21日
  • 信頼の構造

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    1章 信頼のパラドックス
    2章 信頼概念の整理
    3章 信頼の「解き放ち」理論
    4章 安心の日本、信頼のアメリカ
    5章 信頼とコミットメント関係の形成
    6章 社会的知性としての信頼
    終章 開かれた社会の基盤を求めて
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    集団主義社会は「安心」を生み出すが、「信頼」は破壊する

    安心:自分を搾取する行動をとる誘因が、相手に存在していないと判断する、言い換えると、相手と自分との間には社会的不確実性が存在しない

    信頼 :相手の内面にある人間性や自分に対する感情などの判断に基づいてなされる、相手の意図(遂行能力ではない)についての期待

    共同体に代表される集団

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    2018年12月22日
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

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    世の中には、閉鎖的な安心社会と、商取引から発展した信頼社会があり、それぞれが異なるモラル体系を作り上げたと論じる。2つのモラル体系は全く対立するものであるため、グローバル化が進んだ信頼社会においては、安心社会に基づく武士道の精神を持ち出すのは有害であると断じている。

    教育で知識を教え込むことはできるが、人間性に反した形に心を作り変えることはできない。生まれたての赤ちゃんの心はホワイトボードのようなものであると考えた20世紀の社会科学は誤りだった。国民への倫理・道徳教育に熱心だったソ連や中国でも、他人に奉仕する立派な国民が生まれることはなかった。

    モラル教育では、利己主義者がただ乗りの恩恵を

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    2018年10月31日
  • きずなと思いやりが日本をダメにする

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    社会心理学者と進化生物学者の対談。話がかみ合っていて、内容は結構深い。逆説的なタイトルは、集団内で問題を起こさないようにするネガティブな協調性として取り上げているようだ。理念ではなく、客観的事実に基づいて政策決定することを主張する最初の章は読みごたえがある。

    多産か少産かの戦略の違いは、その生物の置かれた環境に関係している。生存環境が飽和状態であれば、子どもの数を限定して、一人の子に資源と時間を割いて育てる必要がある。生存環境が飽和していない場所では、子どもは産みっぱなしでいい。

    ヒトは母親だけで育児はできない。子育てを母親だけでやる社会はどこにもない。配偶者、家族、属している集団メンバー

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    2018年10月31日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    安心と信頼は似たように解釈される言葉だが、両者は大きく異なることが書かれています。放送大学の社会心理学で紹介されていたので読んでみたのですが、とても深い内容でした。
    今の時代的な話しもそうだし、マキャベリズムなどの話しもあり性善説と性悪説的な解釈についても現代的な解釈ができそうで、これを読んだ後に最近読んだ韓非子とかをもう一回読んで評価してみたら、更にもう一段面白くなるような気がしました。韓非子の時代で言うと信賞必罰で評価することを身につけることが信頼できるかどうかのリテラシーなんだと言う話しだったんだろうなと思います。
    逆にそうした信頼できるかどうかのリテラシーがあると、総じて人を信用するよ

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    2018年02月19日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    氏曰く、日本人の「和の心」とは、他人の気持ちになって、互いに協調しあう関係を好むというよりは、
    周囲からどう思われるかを気にして、まわりとの間で波風を立てないようにビクビクすることだと指摘しています。
    かなり日本人の行動原理の本質に迫った指摘です。

    人に嫌われることを極端に恐れ、嫌われないないようにする。なぜかというか、この行動が日本社会では合理的だからです。自分の主張を押し殺して、
    みんなで協力するというよりは、自分のしたいことを遠慮する、したいことをすると、仲間はずれにされてしまう可能性が出てくるからです。

    しかし、今、企業(仲間内)がリストラが当たり前のようになりました。外の世界に投

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    2017年06月03日
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

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    複数の方たちが「この本は重要な本だ」とおっしゃるものですから、私も読んでみようと思った次第ですなのですが、いやー、これは確かに重要な本です。
    私の実感ベースでも社会心理学のアプローチで切り込んだ山岸先生の日本人論、日本組織論には大いに共感、納得するところ大です。俗論を真っ向から覆すところ大ですが。
    色々な意味で必読ですね。特に日本の組織をマネジメントする立場の人は必読。これを読まずして日本の組織の特質は…などと語るなかれ。

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    2016年03月22日
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

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    ふたつの驚き!日本人は個人主義!そして他人を信頼していない!単なる意見ではなく、データに基づき解説されているのでグウのねもでない。
    「ムラ」社会に基づく「安心」社会、他人を信頼するところから始まる「信頼」社会。クローズ社会とオープン社会とも言えるかな。
    現実的に起きている事象、ニュースレベルから個人レベルまでこのような説明されると納得。そして自分の考え方もムラ的発想をしていることあるなあ。
    日本と欧米(といってもアメリカ!)の考え方の違いをこのように明確に解説され脱帽です。
    そして、武士道と商人道も。武士道をよしとする考え方(これは私もそう)と商人道が混ざった状態!最悪のシナリオ!日本はまさ

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    2016年01月31日
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

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    なぜテレビやネット上で異常なまでに曝し上げが行われているか(精神面ではなく社会面で)分かった。今の社会はまさに「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」で、このままでは悪循環だが巧く改革すれば良い循環にもなると感じた。個人的には「アメとムチ」に対して詳しく解析してある文章がためになった。

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    2014年06月19日