山岸俊男のレビュー一覧

  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点
    安心社会と信頼社会という視点が自分として新鮮だった。日本という集団主義社会は社会が安心や信頼を用意してくれて、他人を信頼しなくてよいそうですね。周りをみて同じようにすればよくて、しないと制裁をくらうと。だから一人一人のモラルは高くないそう。なるほど。
    小泉内閣あたりから日本社会が変わってきて西洋型の...続きを読む
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方
    <感想>
    「信頼」は効率とリスクの損益分岐点で発生する。
    取引において相手を疑うことは検証コストが発生する。
    検証しなければコストは下がるが、騙された場合のリスクが上がる。
    そのリスクを共同体の圧力で担保していたのが日本社会の「世間」だったが、それが機能しない時代となった。

    <アンダーライン>
    ...続きを読む
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方
    良いとよく紹介される社会心理学の新書。
    使う用語や意味合いが特殊で何度か挫折したが、書いてあることはすごい。

    ・「なぜ」という質問は「心に原因がある」という答えに親和性が高い。

    ・心に原因があると考えると、環境的要因の方に目がいかなくなる。

    ・一般的信頼性が高い人(基本的に他人を信頼している人...続きを読む
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点
    『小論文 書き方と考え方』(大堀精一著)の中で、素材文として扱われていた本。引用部分だけでも、十分興味はあったが、やはり最初から通読すると、筆者の意図がよくわかり、より深く考察を進めることができた。
    本書はタイトルだけでは、何やら不安を煽るような感じがしたが、内容は実に明確で、これまでの”常識”を考...続きを読む
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点
    ピグマリオン効果は、確かにこう考えると起こりそうだなと思った。
    -周りがどう思うと思うかによって行動を変える
    -他人がとった行動から、その人の人間性を判断してしまう帰属エラーがある

    田舎は特に、安心社会。信頼してるんじゃなくて、信頼が必要がない身内だけの生活圏になっている。
    で自分はそんな中で周り...続きを読む
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点
    田舎と都会の違いがすでにそう
    日本の教育は変わるべきだと思う
    生きやすい世の中になればいいな
    それと、成熟した大人の社会になれる気がする
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方
    日本社会の特徴を「安心社会」と「信頼社会」という二つの切り口で解析し、その変化と、我々が感じる不安について分析したもの。本来は「日本文化論」だが、個人的には円滑なコミュニケーションや居心地の良いコミュニティのことを学びたくて購読。主張の背景は、従来は「信頼」がなくてもいきていける「安心社会」だったが...続きを読む
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方
    凄く面白かったが、凄く難しかった。

    ほぼ日の糸井さんが、この本と「情報の文明学」という本をほぼ日の父と母と書いてあったので、興味を持って読んでみたのだが、今のほぼ日が組織を作る上で参考にしているのが分かった気がする。

    日本のこれからを占う上で、以前からの終身雇用型、ムラ社会のような日本型システム...続きを読む
  • 信頼の構造
    1998年5月15日 初版。

    社会心理学の教授が著者。

    「集団主義社会は安心を生み出すが、信頼を破壊する」
    を一つのメッセージを中心としてその元になる「信頼の解き放ち理論」とそれを検証する実験を紹介していく。

    安心と信頼というのは混同されがちだが、この本の中では明確に区別されている。そしてその...続きを読む
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点
    他人を信頼しなくてもよい安心社会から、未来への可能性が高い、他人を信頼する社会に変える必要がある。心がけではなく、信じる者がトクをする社会のしくみを作るべし。ポイントを抑えて働きかければよい。

    日本的、立ち返るべきと言われる武士道精神が諸悪の根源だなんて、よくぞ言ったって感じです。読むと納得だし、...続きを読む
  • きずなと思いやりが日本をダメにする
    進化生物学者と社会生物学者、2人の先生が現在の日本社会について対談する、というちょっと面白い切り口の本。読んでいると、お2人とも歯に衣着せぬ感じの物言いで、タイプが似ているからこそ相乗効果的に話が進んでいくテンポの良さがあります。
    対談となると、他に対決している流れのものと一方がインタビューする流れ...続きを読む
  • きずなと思いやりが日本をダメにする
    身の回りを見ても、精神論で解決を迫ることが多い。
    「交通事故が続くから、慎重に運転しましょう」
    「競合の動きに、アンテナを高くしましょう」
    会議の席でおかしいと思っても発言せず、動かないことを是とする。
    グルーバル化が進むなか、言葉も通じない人たちと空気で理解しあうことはできるはずもない。
    精神論で...続きを読む
  • きずなと思いやりが日本をダメにする
    文中にいろいろ矛盾があったり、「それはあなた達が時代について行けていないだけでしょ」と思うところはあるが、記載の通り旗幟鮮明にしているの結果でもあるので、一つの意見として読んだ。

    実験結果を説明している箇所は面白かった。とくに「カードの裏表にある記号について、矛盾がないかを確認するもの」。人が長い...続きを読む
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点
    ▪︎ 精神論を一旦留保してシステム的に利他性を考える

    倫理とは社会システムの構造によって決定されるものではないか?「昔は良かった」とされる「昔」はどうやら白昼夢の中にしかなさそうである。
    倫理教育に熱心だった中国やソ連の失敗。資本主義的な原理によってこそ道徳が達成されるのではないか?社会主義体制に...続きを読む
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点
    日本はお互いに監視し合う安心社会から、協力し合う信頼社会への移行期にある、という本。


    社会のあらゆる問題を心のせいにする考えは間違ってるし、それを教育によって解決しようというのは不可能だ。イデオロギー教育が上手く行かなかったのは社会主義国が証明している。

    お説教では世の中は変わらない。心がけを...続きを読む
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点
    「武士道」は企業価値を高めるか?
    この本を読んでいて、そんな問いを考えたくなった。

    著者は、企業不祥事や凶悪事件が相次ぐ日本について、
    「社会心理学」という見地から、
    西欧諸国との価値観の違いに焦点を当て、
    日本が「安心」できなくなってきた理由を明らかにしている。

    「ムラ社会」と呼ばれるような、...続きを読む
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点
    タイトルの印象をいい意味で裏切ってくれた。
    著者はグローバルな時代の流れから、古きよき日本、農村部などに見られる「安心社会」から都市型(西欧型)の「信頼社会」へとシフトしている、と書いている。「安心」という言葉が物語っているとおり、そこには落ち着きがあるが、安心社会は決して人達の信頼の上になっている...続きを読む
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方
    社会的不確実性の大きな状況(他人の意図についての情報が必要な場面でそれが不足している状況、相手の行動いかんでこちらが不利益を被るような状況)で、どのようにして他人と取引、コミュニケーション、協力etcを可能にするのかを論じた本。本筋の日本社会論よりも、一般的他者に対する信頼感の強弱が生むコミュニケー...続きを読む
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方
    非常に興味深い内容でした。

    そしてネット上からリアルの社会へ広がっていく相互評価社会に対して、日本人としてどのように生きていくのか?考えさせられる良書でした。

    僕が思っていた日本人全体の特徴「和を大切にする」の意味が、この本を読んでひっくり返ってしまいました

    僕は日本人の個人個人のDNAに「集...続きを読む
  • 社会的ジレンマ 「環境破壊」から「いじめ」まで
    (1)一度きりのジレンマ状況においても応報戦略を用いる「賢い」利己主義者が、同じ様な「賢い」利己主義者の集団で最も利益を得る、と言う実験結果は大変興味深い.問題は母体集団において、短期的視野でしか動かない「愚かな」利己主義者の比率をいかに減らして、長期的視野でお互いに協力できる「賢い」利己主義者を増...続きを読む