山岸俊男のレビュー一覧

  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    周りを見渡すと『安心』を得るためにどれだけの非生産的ルールがあるんだろうと考えさせられた。常識的な認識を改めることが出来た。発刊から年数が経っているものの、現代社会においても変わらない認識で読めた。

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    2022年09月29日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    集団的な意識が強そうと思われている日本は、意外と個人主義。他人を信頼しない人が多い。

    英語の「trust」と、日本語の「信頼」の
    ビミョーな差が分かった気がする。

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    2022年01月08日
  • 信頼の構造

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    「信頼」と「安心」の違いが面白い。

    どちらも、相手が自分を搾取しないという期待の中で生まれる評価だが、

    ・「信頼(trust)」は「相手の人格や相手に対してもつ感情への評価に基づく」
    ➡︎ 社会や経済の潤滑油となって、民主的政治や経済発展に繋がる。
    Ex)アメリカ型の開かれた社会


    ・「安心(assurance)」は、他人に搾取されてひどい目に合う状況の中で、特定の相手とだけつきあうことで、少なくともその相手からは搾取される可能性を低めることで生まれる。
    ➡︎やくざ型コミットメント関係
    Ex)マフィアや日本型経営。

    やくざ型コミット関係で結ばれた社会は、無条件に相手を信頼しようとしない

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    2021年03月12日
  • 信頼の構造

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    2020.59
    ・信頼と信頼性の違い
    ・社会的知性をいかに、社会として育むか?
    ・20年前から日本は低信頼社会を突き進んでいる。その問題が浮き彫りなのが現代?

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    2020年12月26日
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

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    安心社会と信頼社会という視点が自分として新鮮だった。日本という集団主義社会は社会が安心や信頼を用意してくれて、他人を信頼しなくてよいそうですね。周りをみて同じようにすればよくて、しないと制裁をくらうと。だから一人一人のモラルは高くないそう。なるほど。
    小泉内閣あたりから日本社会が変わってきて西洋型の信頼社会へ移行しつつあるようですが、そこは集団主義を卒業できない低いモラルの日本人の気質がモロ出しになってきたそうです。だから色々とあるんですね。なるほど。

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    2020年10月11日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    <感想>
    「信頼」は効率とリスクの損益分岐点で発生する。
    取引において相手を疑うことは検証コストが発生する。
    検証しなければコストは下がるが、騙された場合のリスクが上がる。
    そのリスクを共同体の圧力で担保していたのが日本社会の「世間」だったが、それが機能しない時代となった。

    <アンダーライン>
    ・コミットメント関係
    ・社会的不確実性
    ・機会費用
    ・取引費用
    ・レモン市場
    ・高信頼者
    ・社会的知性

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    2020年06月24日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    良いとよく紹介される社会心理学の新書。
    使う用語や意味合いが特殊で何度か挫折したが、書いてあることはすごい。

    ・「なぜ」という質問は「心に原因がある」という答えに親和性が高い。

    ・心に原因があると考えると、環境的要因の方に目がいかなくなる。

    ・一般的信頼性が高い人(基本的に他人を信頼している人。渡る世間に鬼はなし)は、他人を信頼できるかを判断する能力に長けている。

    ・一般的信頼性が低い人(人を見たら泥棒と思え)は、人間関係を検知する能力に長けている。ただし、共感性には欠ける、という指摘がすごい。

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    2020年05月29日
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

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    『小論文 書き方と考え方』(大堀精一著)の中で、素材文として扱われていた本。引用部分だけでも、十分興味はあったが、やはり最初から通読すると、筆者の意図がよくわかり、より深く考察を進めることができた。
    本書はタイトルだけでは、何やら不安を煽るような感じがしたが、内容は実に明確で、これまでの”常識”を考えなおす示唆が多く含まれている。
    「安心」と「信頼」はどこが違うのか、そして「信頼社会」を形成するために、我々は何をしなければならないのか、実験例も豊富で、社会心理学の面白さを実感しながら読み進めることができる。

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    2020年04月19日
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

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    ピグマリオン効果は、確かにこう考えると起こりそうだなと思った。
    -周りがどう思うと思うかによって行動を変える
    -他人がとった行動から、その人の人間性を判断してしまう帰属エラーがある

    田舎は特に、安心社会。信頼してるんじゃなくて、信頼が必要がない身内だけの生活圏になっている。
    で自分はそんな中で周りが行動するのかを察知する、とか周りからの印象を操作するのが比較的上手かったなと。

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    2019年10月20日
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

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    田舎と都会の違いがすでにそう
    日本の教育は変わるべきだと思う
    生きやすい世の中になればいいな
    それと、成熟した大人の社会になれる気がする

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    2019年06月25日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    日本社会の特徴を「安心社会」と「信頼社会」という二つの切り口で解析し、その変化と、我々が感じる不安について分析したもの。本来は「日本文化論」だが、個人的には円滑なコミュニケーションや居心地の良いコミュニティのことを学びたくて購読。主張の背景は、従来は「信頼」がなくてもいきていける「安心社会」だったが、都市化や核家族化、終身雇用の崩壊が進み、「信頼」が必要になった。つまり海外並みに「信頼社会」に変貌したというもの。確かに、所属や肩書き、学歴だけで勝負できる時代は過ぎ、個人の実績や実力、評価などによって選別される傾向は強まっている気がする。特に他人の評価を気にするあたりは、これが遠因になっていると

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    2018年10月22日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    凄く面白かったが、凄く難しかった。

    ほぼ日の糸井さんが、この本と「情報の文明学」という本をほぼ日の父と母と書いてあったので、興味を持って読んでみたのだが、今のほぼ日が組織を作る上で参考にしているのが分かった気がする。

    日本のこれからを占う上で、以前からの終身雇用型、ムラ社会のような日本型システムが立ち行かなくなってくる今後を予測して、信頼を元にした信頼社会を築いていくべきだとする。

    これは要するに、少し前に読んだ「弱いつながり」のことだと解釈した。以前は内側に入れさえすれば安心して信頼できたが、これからは外側に出て尚、内側のように相手を無条件に信頼するということ。そこにしか活路はないとい

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    2018年10月18日
  • 信頼の構造

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    1998年5月15日 初版。

    社会心理学の教授が著者。

    「集団主義社会は安心を生み出すが、信頼を破壊する」
    を一つのメッセージを中心としてその元になる「信頼の解き放ち理論」とそれを検証する実験を紹介していく。

    安心と信頼というのは混同されがちだが、この本の中では明確に区別されている。そしてその区別は今後の日本社会、つまり安心が消え去っていく社会の中ではかなり重要な意味を持つのではないかと思う。

    つまり、消えた安心を出来合の安心で埋めるよりもそれに変わる何か、この場合では「信頼」で埋めていくことで新しい社会の構造を作ることができるのではないか。

    非常に興味深い理論である。

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    2018年10月09日
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

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    他人を信頼しなくてもよい安心社会から、未来への可能性が高い、他人を信頼する社会に変える必要がある。心がけではなく、信じる者がトクをする社会のしくみを作るべし。ポイントを抑えて働きかければよい。

    日本的、立ち返るべきと言われる武士道精神が諸悪の根源だなんて、よくぞ言ったって感じです。読むと納得だし、武士道と商人道の対比もすごく納得。

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    2018年04月09日
  • きずなと思いやりが日本をダメにする

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    進化生物学者と社会生物学者、2人の先生が現在の日本社会について対談する、というちょっと面白い切り口の本。読んでいると、お2人とも歯に衣着せぬ感じの物言いで、タイプが似ているからこそ相乗効果的に話が進んでいくテンポの良さがあります。
    対談となると、他に対決している流れのものと一方がインタビューする流れのものがあるように思うのですが、双方に専門知識があるなら今回のような流れは面白いなぁ、と感じました。とは言え、じゃあこの対談に反対の意見を持つ人を1人加えてみたらどうなるだろう、と興味を持ってしまうのも事実ですが。。

    日本社会が抱える問題に対して、2人の専門分野の中から知見が出てくる訳ですが、専門

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    2018年04月08日
  • きずなと思いやりが日本をダメにする

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    身の回りを見ても、精神論で解決を迫ることが多い。
    「交通事故が続くから、慎重に運転しましょう」
    「競合の動きに、アンテナを高くしましょう」
    会議の席でおかしいと思っても発言せず、動かないことを是とする。
    グルーバル化が進むなか、言葉も通じない人たちと空気で理解しあうことはできるはずもない。
    精神論でなく、仕組みで解決を図ること、考えさせられる一冊。

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    2017年06月18日
  • きずなと思いやりが日本をダメにする

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    文中にいろいろ矛盾があったり、「それはあなた達が時代について行けていないだけでしょ」と思うところはあるが、記載の通り旗幟鮮明にしているの結果でもあるので、一つの意見として読んだ。

    実験結果を説明している箇所は面白かった。とくに「カードの裏表にある記号について、矛盾がないかを確認するもの」。人が長い時間の中で身につけてきた歴史が反映されているとしり、納得がいった。

    いろいろな分野の人が一つの事象を説明することはとても有益である。

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    2017年02月12日
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

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    ▪︎ 精神論を一旦留保してシステム的に利他性を考える

    倫理とは社会システムの構造によって決定されるものではないか?「昔は良かった」とされる「昔」はどうやら白昼夢の中にしかなさそうである。
    倫理教育に熱心だった中国やソ連の失敗。資本主義的な原理によってこそ道徳が達成されるのではないか?社会主義体制においても「利己心」が消えたことはあるだろうか?徹底した利他精神、奉仕の精神を植え付けようと教育したにもかかわらず大失敗している。社会主義体制においては真面目に働いても報われず、逆に怠けていれば攻撃もされないし、食いっぱぐれもない。「働かないものは食うべからず」と脅迫で罰したにもかかわらず、最後には崩

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    2016年03月30日
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

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    「武士道」は企業価値を高めるか?
    この本を読んでいて、そんな問いを考えたくなった。

    著者は、企業不祥事や凶悪事件が相次ぐ日本について、
    「社会心理学」という見地から、
    西欧諸国との価値観の違いに焦点を当て、
    日本が「安心」できなくなってきた理由を明らかにしている。

    「ムラ社会」と呼ばれるような、日本の伝統的な
    集団主義社会においては、裏切り行為には「村八分」という「制裁」が
    間違いなく下されることから、「相互監視」による「安心」を生む。
    これが日本の「安心・安全」の本質だという。
    著者はこのような社会を「安心社会」と呼んでいる。

    一方で、個人主義的な欧米社会では、
    集団主義的な相互監視が

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    2015年06月21日
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

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    タイトルの印象をいい意味で裏切ってくれた。
    著者はグローバルな時代の流れから、古きよき日本、農村部などに見られる「安心社会」から都市型(西欧型)の「信頼社会」へとシフトしている、と書いている。「安心」という言葉が物語っているとおり、そこには落ち着きがあるが、安心社会は決して人達の信頼の上になっているわけではない、と説いている。説得力はあるが、完璧に同意しづらい部分もあった。
    納得できる部分としてはやはり、日本人らしさに代表される、以心伝心的なものは、そのほうが得だ、という利己主義の上に成り立っているということ。
    そして、あまりに教育に頼ると、時代の流れによってはイデオロギーになってしまので、教

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    2015年01月06日