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「自分一人ぐらいは」という心理が集団全体にとっての不利益を引き起こす社会的ジレンマ問題。違法駐車、いじめ、環境破壊等々、現代社会で起こっている多くの問題はこの「社会的ジレンマ」と見ることができる。著者は数々の調査・実験・シミュレーションから、人間は常に自分の利益を大きくすることだけを考えて「利己的」な行動をとるわけではなく、多くの場合、「みんながするなら自分も」という原理で行動することを明らかにした。そしてこの「みんなが」原理こそが人間が社会環境に適応するために進化させてきた「本当のかしこさ」ではないかと指摘する。『信頼の構造』『安心社会から信頼社会へ』などの話題作を発表し、心と社会との関係について、認知科学・心理学・社会学・経済学など多方面からユニークな研究を展開する著者。本書も、これからの社会や教育のあり方を考える上で、お説教的な精神論の限界を乗り越える重要なヒントを与えてくれる。
...続きを読むPosted by ブクログ 2018年10月31日
利己的行動が集団全体に不利益をもたらす問題について、人間関係から国家レベルまで考察されている。
進化によって獲得した行動ゆえ、誰しも少なくとも無意識には理解していることだろうが、実験結果などによって構築された理論からは大いに学ぶところがあった。自分のやっていることが絶対的に正しいと考える人には関わ...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年12月13日
(1)一度きりのジレンマ状況においても応報戦略を用いる「賢い」利己主義者が、同じ様な「賢い」利己主義者の集団で最も利益を得る、と言う実験結果は大変興味深い.問題は母体集団において、短期的視野でしか動かない「愚かな」利己主義者の比率をいかに減らして、長期的視野でお互いに協力できる「賢い」利己主義者を増...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年04月10日
とりあえず最後まで読んだ、という現状。広いところに目を向けてそこから考えなくてはいけないのに、どうしても考え方を人の心を出発点として考えちゃう癖が抜けなくて、読みすすめるのに苦労しました。パチンと思考のスイッチが切り替わっちゃえばすっと頭に入ってくるはずなのに!というわけで、同筆者の別の本を読んでま...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年02月19日
「わかっちゃいるけどやめられない」
社会的ジレンマについて基本的な考察を丁寧に教えてくれます。
「環境問題のことを考えれば、通勤には自家用車でなくて公共交通機関を使った方が良い」・・・・わかっちゃいるけど
「寒い日はバス停で待つのもつらいので、ドアtoドアの自家用車を使ってしまう」・・・・やめられな...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
社会心理学の観点から、囚人のジレンマを様々な社会問題に適用し説明している本。
北海道大学の山岸先生は、この社会的ジレンマの研究で著名である。
心理学を現実世界へ応用しようとする試みは、あらゆる心理学者が見習わなければならないだろう。
欲を言えば、現象の予測や対策法をもう少し具体的に論じていれば、さら...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年11月03日
皆が協力行動をとれば、皆の利益が最大となるが、非協力者がいる限り個々の利益は非協力行動の方が大きくなる。こうした集団の「囚人のジレンマ」を「社会的ジレンマ」とし、協力行動をとるための方策等を検討するが、解決策は見えない。かしこさ(経済学で想定される合理性)よりもむしろ、生来人間に備わった感情にこそ社...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年09月07日
様々な本を読んで思った事があります。それは、これからの学問は社会心理学と哲学(哲学史を含む)の時代だ、という事です。著者の本を読む度に、この『社会的ジレンマ』の課題解決に苦心する環境を打破できる処方箋があればな~と思います。フリーライダーの問題が解決できれば更に進歩した社会になる、しかしその根本的な...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年04月20日
[ 内容 ]
違法駐車、いじめ、環境破壊等々、「自分一人ぐらいは」という心理が集団全体にとっての不利益を引き起こす社会的ジレンマ問題。
数々の実験から、人間は常に「利己的」で「かしこい」行動をとるわけではなく、多くの場合、「みんながするなら」という原理で動くことが分かってきた。
この「みんなが」原理...続きを読む
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