山岸俊男のレビュー一覧

  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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     契約社会に住む米国に暮らす人々の方が日本人より他者を信頼している。驚きの調査結果から本書ははじまる。日本人が「信頼」と思っているのは実は「安心」でありそれは減少傾向にあるというのが著者の主張である。
     またよく信頼する人はバイアスにだまされずに相手のことを正しく理解することに長けているということのようだ。安心社会から信頼社会に変えていくにはこの対象者を正しく見抜くという能力の向上が必要なようだ。
     本書のタイトルにもなっているこの事実について原因についても多様な研究結果を引用している。その中でも興味深いの現在だと差別と言われそうな女性より男性が優れている的なバイアスが、過去のデータから単純に

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    2021年04月06日
  • 信頼の構造

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     「世界標準の経営理論」で参考図書として取り上げられていた。

    「安心が提供されやすいのは信頼が必要とされない安定した関係においてであり、信頼が必要とされる社会的不確実性の高い状況では安心が提供されにくい。」

    「安定した社会的不確実性の低い状態では安心が提供されるが、信頼は生まれにくい。これに対して社会的不確実性の高い状態では、安心が提供されていないため信頼が必要とされる」

     …筆者の主張は、人間はどんな場合でも意識的に自己利益を追求するというのものではない。そうではなくて、人間の社会には意識的に自己利益を追求しない人間―信頼に対する人格の持ち主や、他者一般を信頼する人間―の方が、意識的な

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    2020年08月15日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    各種実験の説明が多く、結構疲れます。だんだん、実験内容は読み飛ばして結論を探してしまった。実験内容に興味のある人には参考になるかと。

    偏差値の高い大学生は一般的信頼が高いのはなぜだろう??自己効力感の高さから、自分に対する信頼、社会に対する信頼が高いのでは??

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    2019年12月18日
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

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    ・武士道は君主のためならなんでもする。「嘘も方便」
    ・企業の不祥事、情報隠しに繋がる。
    ・お説教に効果はない。
    ・正直者がトクをする社会を作ることが重要。
    ・トクになる行動を人間はとる。

    ・日本人は他人を信じない。よそ者を排除して、安心を作ってきた。
    ・アメリカ人は信じれば、裏切られることもあるが、それでもよそ者を活用することで得られる機会を優先する。
    ・アメリカ人は誰が信頼できて、誰が信頼できないのか目が肥えている。

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    2019年03月21日
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

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    信頼社会と安心社会など切り口は面白いが、なんとなく要約さえ読めば足りてしまうのではないかいう物足りなさ。一応この手のテーマに馴染みがあるせいかな?そもそも、そんなに字数の多い本ではないですが。

    アメリカ⇔日本
    個人主義⇔集団主義
    信頼社会⇔安心社会
    信頼性検知力⇔関係性検知力

    日本人は、周りはほとんど集団主義者だが自分は例外と、ほとんどの人が思っている。

    他人を信頼する傾向が強い人ほど信頼性検知力が高い。

    (信頼性検知力と関係性検知力って、同じの能力の違う使い方ではないのかと思ってみたり)

    人のフリを見てわがフリを決める社会では、集団の行動様式を左右する臨界質量がある。ある行動パター

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    2018年11月05日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    大きな変化がせまってこようとしている日本。
    今までの安心社会_他人を信頼する必要がない社会_から信頼社会_信頼する力を身につけ人から信頼される人間になる_社会へと移行していくことで、大きなチャンスを得られるようになるかもしれない。

    どのようなメカニズムで人が信頼を得るのか、ということ。安心と信頼の違いとは、に実験から迫った一冊。

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    2018年10月09日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    日本の安全社会は、社会的不確実性が小さく同じ集団内の相手と付き合えばよかった時代の産物。不確実性が大きくなると、機会費用が増え非効率になる。相手を信頼するのは、単なるお人よしだからではなく、観察や交渉能力という社会的知性を持っているから。

    日本には市民はおらず皆村民だ、と言われていたことが理解できました。

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    2018年04月09日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    働き方改革のセミナーの資料で、社会環境の変化についての参考図書として書かれていたから読んだけど、ピンと来なかった。
    それにしても、社会学の本ってひさびさに読んだかも。

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    2017年06月18日
  • きずなと思いやりが日本をダメにする

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    対談形式のせいか、なにかうすら恥ずかしいとでも言いたくなるものを感じる…
    矛盾があったり、よくわからないことをくだらないと一蹴したり、同じ考えや価値観の持ち主の対談にありがちな、読んでて恥ずかしさを感じてしまう。

    おっしゃることはよく分かるし、そういう側面もあるけど、じゃぁ具体的にどうすればいいのかかよくわからないのは、やっぱり仕方ないんでしょうね…。

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    2017年03月10日
  • 信頼の構造

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    日本の古い農村集落的なイメージの「出かける時も寝る時も鍵を掛けないのに、余所者を極端に受け入れない」という矛盾するような信頼性、人を信頼するという事とお人好しの違いを分ける因子は何なのか、信頼と社会の関連性、など興味深いテーマを丁寧に説明してくれる本ではあるのだが、少し論文チックな文章なので、読むのも理解するのも時間と慣れを要するところが、難点かな。
    じっくりと再読したい本ではある。

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    2016年11月06日
  • 安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方

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    大学の時に読み残した本シリーズ4冊目。
    ソーシャルキャピタルの勉強してた時に買ってたんだけど、なぜか読んでなかった。
    先日読んだ糸井重里さんの「インターネット的」が、
    この本から着想を得たという記述を見て引っ張り出してきました。

    経済成長やら人口増加などなどを背景とした日本型システムによる日本的な大きな物語が崩壊したこれからの日本では、
    個人個人が周囲の人に対する捉え方を変えてかないとこれからどんどん変化していく社会ではうまいこと回っていかなくなっちゃいますよ、というお話。

    これまでの日本(式集団主義社会)では集団内部の仲間内における「安心」がある一方で、よそ者に対する不信感をも生み出して

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    2013年11月16日
  • 社会的ジレンマ 「環境破壊」から「いじめ」まで

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    ネタバレ

    この本によると、「社会的ジレンマ」の定義とは「こうすればよいと分かっている行動を取ると、その行動を取った本人にとっては、その行動を取らなかった時よりも好ましくない結果が生まれてしまう状態。ただし、全員がこうすればよいと分かっている行動を取れば、最終的には全員にとって最もよい結果を引き出すことができる」ということ。
    端的な例として、みんなが公共交通を使えば環境問題や交通渋滞は解消するが、自分ひとりだけ車通勤から電車通勤に切り替えてもたいして状況は改善しない。そのため、相変わらず車通勤を続けてしまう、というものが挙げられている。

    この社会的ジレンマと、誰でも一度は聞いたことがあるはずの「囚人のジ

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    2012年06月02日
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

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    ネタバレ

    ここまで書いてある内容に「それは違うだろ!」とツッコミを入れながら読んだ本は珍しい。
    それでも興味をもって読み切ったのは、同意しないけれど協調的に受け止めるという対話的な態度の成果だろう。
    結局のところ、著者が判断の拠り所としている打算に基づく行動決定には、それだけじゃないだろとか、囚人のジレンマの実験で一匹狼を選ぶのは他人を信頼できない場合のほかに、他人に迷惑をかけたくない、かけるかもしれない自分が嫌という理由もあるのでは、などと納得できない部分も多くあった。
    だたし、日本における「安心社会」の崩壊と「信頼社会」に行けないメンタリティの提示は興味深く読んだ。
    著者は「信頼社会」への移行を流れ

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    2011年12月03日
  • 社会的ジレンマ 「環境破壊」から「いじめ」まで

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    皆が協力行動をとれば、皆の利益が最大となるが、非協力者がいる限り個々の利益は非協力行動の方が大きくなる。こうした集団の「囚人のジレンマ」を「社会的ジレンマ」とし、協力行動をとるための方策等を検討するが、解決策は見えない。かしこさ(経済学で想定される合理性)よりもむしろ、生来人間に備わった感情にこそ社会的ジレンマを解決に導く可能性があるとするが、書かれた例え話は現実味を欠いているような気がする。でも、「社会的ジレンマ」は至るところにあるので、何とかしないと破たんが待っている。

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    2011年11月03日
  • 日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

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    『安心社会から信頼社会へ』の山岸博士による本。最後の方まで読むと、なんだか矛盾のようなものを感じた場所があったのですが、もう忘れてしまいました。ちょっと「?」が浮かびます。

    なるほど、と思わせられるところがたくさん出てきます。
    この著者の「安心社会から信頼社会へ」という本も以前、読みましたが、
    そっちのほうはけっこう難しかったし、内容もあんまり覚えていません。
    それに比べて、こっちの本は、内容もしっかりしているし、読みやすいです。
    あとがきで著者が書いてらっしゃいますが、「論理を明確にすれば分かりやすくなる」
    というのが、これまでの書き方だったのが、ちょっと違う書き方をしたそうです。
    それが

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    2011年07月16日
  • 社会的ジレンマ 「環境破壊」から「いじめ」まで

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    社会的ジレンマについて分かりやすく解説。全体と個人との間で、望ましい行動に齟齬が生じている状態を社会的ジレンマといいう。分かりやすい例では、環境問題など。筆者が解決のために出している提案なんかは、面白いとは思うがなにかしっくりこなかった。

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    2010年06月18日
  • 信頼の構造

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    「日本の安心はなぜ、消えたのか」をもっと深く理解したくて買いました。
    1998年に、2009年現在の構造が見えている感じがする。

    でも、あの、でもね。
    さすが東大出版、文体が難しいっつーんだよー(泣)
    頭のトレーニングだと思って頑張って読みます。

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    2009年10月07日
  • 社会的ジレンマ 「環境破壊」から「いじめ」まで

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    みんなにあわせるってのが実は一番いい方法って話・・・多分。
    日常的な現象から世界的な現象まで、様々なところに社会的ジレンマは関係しておりまする。

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    2009年10月04日