デュマ・フィスのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレわぁーーーもう、めっちゃ好き。
最初の一文で惹きつけられて、最後の一文が本当に最高。単純に面白いのでもっと色んな人に読んで欲しいし、広まって欲しい。
まずこの本を選んだきっかけは、昨今の日本社会があまりにもギスギスしていると感じて現代の日本文学を読む気になれなくて、せめて精神的にでも外国にトリップしたくて(笑)候補に挙げたのが『月と六ペンス』と『椿姫』。
読みたい度が高かった『月と六ペンス』に8割ほど決定していたけれど、とりあえず冒頭を読んで決めようとしたら、圧倒的に『椿姫』の方がするすると頭に入ってきた。こちらの方が堅苦しい印象があったのでぐいぐい読み進められてびっくりした。
『椿姫』は -
Posted by ブクログ
フレーズの一つ一つが心に染み渡ってくる。オペラで知っている(オチを知っている)状態でこれほど心を揺さぶってくる作品はなかなか巡り会えない。
恋と哀れみが入り混じって、ある女性のことをずっと考えてしまい、自分の手で守りたいと思う純粋な優しさと、自分のものにしたいという独占欲が爆発している状態。マルグリットのような女性に出会ったことも、これに似た大恋愛をしたこともないのだが、アルマンの気持ちが痛いほどわかる。
一方で、マルグリットが嘘をついていると疑い、彼女が困るようなこともしてしまうアルマンの未熟さに苛立ちもした。大量の男を相手する娼婦が、胸の中で本当は何を考えているのかは男性には完全に理解 -
Posted by ブクログ
アレクサンドル・デュマの『椿姫』です
と言っても『三銃士』や『モンテ・クリスト伯』で有名なアレクサンドル・デュマじゃなくて息子の方です
光文社では作者名はデュマ・フィスとなっていますね
フィスはフランス語で息子という意味だそうですが、自分には「大デュマ」「小デュマ」って言い方のほうが馴染みがあります
昔はそう言ってたよね
デュマ・フィスなんて小洒落た言い方はしてなかったな〜
はい、まぁ中身ね
まぁ、あまりに有名なので今さらなんですが、悲しい!あまりに悲しい!
それにしても19世紀のフランスが舞台なのに、もう主人公たちの気持ちが分かる!痛いほど分かる
だからもうつらい!苦しい!
しっかり哲 -
Posted by ブクログ
1848年発刊。映画はもちろん、オペラや演劇、バレエやミュージカル、はてはマンガにとさまざまなメディア化がされている本作。フィクションでありながら、著者自身が二十歳の頃に、高級娼婦マリ・デュプレシスに惚れ込んで散財した経験がもとになっており、彼女の最後を知るにいたり、いったいどこまでが事実なのだろうと、読後は考えさせられました。ちなみに、著者は『モンテクリスト伯』で有名な、アレクサンドル・デュマの非嫡出子。この小説は23歳のときの処女作ゆえ、マリとの恋愛にかかる金銭は、父に助けてもらったのかもしれないですね。
話しは、作者(私)が街の通りでポスターを見かけたことから始まります。そこには高級娼 -
Posted by ブクログ
ネタバレ想像以上に良かった。
名作なだけあって色んな感情が一気に湧いてきた。
アルマンのマルグリットに対する強い想いに発狂した時は、どうか落ち着いてと話を聞いてあげたくなった。
マルグリットの立場もあり、凡庸な青年アルマンとの恋はあまりにも壁が大きくて高すぎた。
それでもマルグリットがアルマンの強い想いに応えるように、持ち前の気高い性質の中で気品に溢れていく所と慎ましやかな女性になっていく所が哀しいと同時にあたたかさも感じる。
アルマンが望む形にならなくて奔走し、お互いを犠牲にして二人だけの小さくても良いからという僅かな幸福と短い期間だけの素晴らしい暮らしに、その後の落ち方が辛かった。
オペラも是非き -
Posted by ブクログ
19世紀、著者の実体験を元にした恋愛小説。金持ちを相手に享楽的な生活を送る高級娼婦が真実の愛に目覚める。
ズバリ泣ける話だ。冒頭からもう、悲劇のニオイがぷんぷん。一体何があったのかと興味を引く、聞き手を配して一人称で語らせる構造もうまい。エンタメの洪水に慣れすぎている現代人にとってはベタな展開といえるかもしれないが、この手の物語の源流のひとつなのだろう。
父親によって諭される、恋愛における現実的な視点が痛烈。若いころは先のことを考えられなくなるほど燃え上がる情熱も、何年もたてばどうなるか。娼婦であるがゆえの社会的なハンデ。さらに家族の問題を出してトドメをさしてくるが、この父親は人格者であり -
Posted by ブクログ
ネタバレ悲恋です。
主役のアルマンと高級娼婦のマルグリットが出会い、激しく燃え上がる恋愛をし、一時的に穏やかな生活を送り、家柄の関係で引き裂かれ、生きている間に二度と再会できなかったお話です。
妹の婚約者であり、結婚相手が「彼らが仲たがいしないのならば妹とは結婚しない(=親族に娼婦がいるような家の娘とは婚姻しない)」と言い出したことが彼らの関係に終止符をうつ結果を生み出したところが憎らしいです。実質手を下したのはアルマンの父親でマルグリットが真実アルマンを愛していたこと、彼女が娼婦を生業にした過去があったとしても今は、たただひとりの男を愛する善良な女でしかないことを理解しても「別れてくれ」としか言え -
Posted by ブクログ
La Dame aux camélias.
アルマンとマルグリットの恋愛物語。
筆者がアルマンの話とマルグリットの日記を元にこの小説を書いているという設定。
二人の純愛と、高級娼婦という肩書の為にその関係が崩れてしまうという悲劇的な物語を書いている。読みやすく、いつの時代も変わらない男女の純粋な心が描かれている。マルグリットのモデルはマリ・デュプレシス。1824年にノルマンディーの貧しい家に生まれ、父にロマの一団に売られ、パリにたどり着き、高級娼婦となる。彼女は貴族に劣らない気品と教養を身に着けていた
。教養を与え、美意識を育てたのは彼女を見初めた青年貴族ギュッシュ公爵。かなりの部分が筆者アレ -
購入済み
とても共感できました
現役ホステスです。
とても共感出来るところや経験したことあるなあという事が多々ありました。
そして羨ましくも思いました。
説明や解説も解りやすく読みやすいので、ぜひ現役ホステスさんに勧めたい一冊です。
今も昔も男と女は根本が大して変わって無いからこそ現代でも愛される作品なのかなと思いました。
今日もお仕事がんばります。