デュマ・フィスのレビュー一覧

  • 椿姫

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    ネタバレ

    わぁーーーもう、めっちゃ好き。
    最初の一文で惹きつけられて、最後の一文が本当に最高。単純に面白いのでもっと色んな人に読んで欲しいし、広まって欲しい。

    まずこの本を選んだきっかけは、昨今の日本社会があまりにもギスギスしていると感じて現代の日本文学を読む気になれなくて、せめて精神的にでも外国にトリップしたくて(笑)候補に挙げたのが『月と六ペンス』と『椿姫』。
    読みたい度が高かった『月と六ペンス』に8割ほど決定していたけれど、とりあえず冒頭を読んで決めようとしたら、圧倒的に『椿姫』の方がするすると頭に入ってきた。こちらの方が堅苦しい印象があったのでぐいぐい読み進められてびっくりした。

    『椿姫』は

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    2025年06月06日
  • 椿姫

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    フレーズの一つ一つが心に染み渡ってくる。オペラで知っている(オチを知っている)状態でこれほど心を揺さぶってくる作品はなかなか巡り会えない。

    恋と哀れみが入り混じって、ある女性のことをずっと考えてしまい、自分の手で守りたいと思う純粋な優しさと、自分のものにしたいという独占欲が爆発している状態。マルグリットのような女性に出会ったことも、これに似た大恋愛をしたこともないのだが、アルマンの気持ちが痛いほどわかる。

    一方で、マルグリットが嘘をついていると疑い、彼女が困るようなこともしてしまうアルマンの未熟さに苛立ちもした。大量の男を相手する娼婦が、胸の中で本当は何を考えているのかは男性には完全に理解

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    2024年12月28日
  • 椿姫

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    アレクサンドル・デュマの『椿姫』です
    と言っても『三銃士』や『モンテ・クリスト伯』で有名なアレクサンドル・デュマじゃなくて息子の方です
    光文社では作者名はデュマ・フィスとなっていますね
    フィスはフランス語で息子という意味だそうですが、自分には「大デュマ」「小デュマ」って言い方のほうが馴染みがあります
    昔はそう言ってたよね
    デュマ・フィスなんて小洒落た言い方はしてなかったな〜

    はい、まぁ中身ね
    まぁ、あまりに有名なので今さらなんですが、悲しい!あまりに悲しい!

    それにしても19世紀のフランスが舞台なのに、もう主人公たちの気持ちが分かる!痛いほど分かる
    だからもうつらい!苦しい!

    しっかり哲

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    2024年11月22日
  • 椿姫

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    1848年発刊。映画はもちろん、オペラや演劇、バレエやミュージカル、はてはマンガにとさまざまなメディア化がされている本作。フィクションでありながら、著者自身が二十歳の頃に、高級娼婦マリ・デュプレシスに惚れ込んで散財した経験がもとになっており、彼女の最後を知るにいたり、いったいどこまでが事実なのだろうと、読後は考えさせられました。ちなみに、著者は『モンテクリスト伯』で有名な、アレクサンドル・デュマの非嫡出子。この小説は23歳のときの処女作ゆえ、マリとの恋愛にかかる金銭は、父に助けてもらったのかもしれないですね。

    話しは、作者(私)が街の通りでポスターを見かけたことから始まります。そこには高級娼

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    2024年11月10日
  • 椿姫

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    ネタバレ

    想像以上に良かった。
    名作なだけあって色んな感情が一気に湧いてきた。
    アルマンのマルグリットに対する強い想いに発狂した時は、どうか落ち着いてと話を聞いてあげたくなった。
    マルグリットの立場もあり、凡庸な青年アルマンとの恋はあまりにも壁が大きくて高すぎた。
    それでもマルグリットがアルマンの強い想いに応えるように、持ち前の気高い性質の中で気品に溢れていく所と慎ましやかな女性になっていく所が哀しいと同時にあたたかさも感じる。
    アルマンが望む形にならなくて奔走し、お互いを犠牲にして二人だけの小さくても良いからという僅かな幸福と短い期間だけの素晴らしい暮らしに、その後の落ち方が辛かった。
    オペラも是非き

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    2024年03月13日
  • 椿姫

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    ネタバレ

    相手のために関係を諦めるストーリー。

    読んでいてもどかしくなる瞬間が何度もあった。マルグリットの愛は本当に深くて美しいし、切ないし、なんだか気高いものに感じた。

    恋愛小説を選ぶ時だけは、純粋なハッピーエンドの話よりも、うまくいかない結末の方がなぜか惹かれてしまう。不思議。

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    2022年12月22日
  • 椿姫

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    背景にある社会問題と絡めて読まなくとも、十分に恋愛小説として楽しめる一冊ではないでしようか。
    もちろん、背景を探ることで深みが増すのは間違いありませんが。

    生涯遊び人であった父親の息子が書いた小説と聞くと、納得もできますね。父親が「説教が多い」と言ったのも頷けます。

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    2022年08月10日
  • 椿姫

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    軽い気持ちで読み始めたら思いの外すごくよかった。アルマン……仕方のないやつ……。

    解説に載っていて覚えておきたいと思った言葉。477ページ。
    『ジャンルとしての小説には固有の知恵があり、その知恵は個々の小説家よりもすこしばかり聡明である。そしてこの「小説の知恵」に耳を傾けず、みずからの小説よりも聡明たらんとする小説家がいるとすれば、その小説家は職業を変えるべきだという。』

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    2022年06月26日
  • 椿姫

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    19世紀、著者の実体験を元にした恋愛小説。金持ちを相手に享楽的な生活を送る高級娼婦が真実の愛に目覚める。

    ズバリ泣ける話だ。冒頭からもう、悲劇のニオイがぷんぷん。一体何があったのかと興味を引く、聞き手を配して一人称で語らせる構造もうまい。エンタメの洪水に慣れすぎている現代人にとってはベタな展開といえるかもしれないが、この手の物語の源流のひとつなのだろう。

    父親によって諭される、恋愛における現実的な視点が痛烈。若いころは先のことを考えられなくなるほど燃え上がる情熱も、何年もたてばどうなるか。娼婦であるがゆえの社会的なハンデ。さらに家族の問題を出してトドメをさしてくるが、この父親は人格者であり

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    2022年06月16日
  • 椿姫

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    アルマンの直向きなアプローチが叶ってついに街1番の美女と恋仲に。
    しだいにアルマンからの愛情によって奔放な暮らしを改め療養のためにも質素な2人の生活を望むようになるマルグリットの心の移り変わりもおもしろかった。
    後に手紙の内容で明かされることになる、堅実なアルマンの父とマルグリットの掛け合いのシーンは涙が止まらなかった。
    オペラ椿姫よりもずっと濃い内容でよりマルグリットという女性を知り、感情移入できたので原作を読めてよかった。

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    2022年06月07日
  • 椿姫

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    ネタバレ

    悲恋です。

    主役のアルマンと高級娼婦のマルグリットが出会い、激しく燃え上がる恋愛をし、一時的に穏やかな生活を送り、家柄の関係で引き裂かれ、生きている間に二度と再会できなかったお話です。
    妹の婚約者であり、結婚相手が「彼らが仲たがいしないのならば妹とは結婚しない(=親族に娼婦がいるような家の娘とは婚姻しない)」と言い出したことが彼らの関係に終止符をうつ結果を生み出したところが憎らしいです。実質手を下したのはアルマンの父親でマルグリットが真実アルマンを愛していたこと、彼女が娼婦を生業にした過去があったとしても今は、たただひとりの男を愛する善良な女でしかないことを理解しても「別れてくれ」としか言え

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    2021年10月12日
  • 椿姫

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    泣ける。マルグリットは悪女だ、という風に描かれることも多いけど、どちらかというと娼婦という人生を歩まないといけない女性が、その中でどうやって愛を貫くかのお話だった。
    いつの時代も、相手にちゃんと話さないこと、ミスコミュニケーションにより起こる悲劇は鉄板だなと。意外と自分の人生でも起こるんだよなぁ。

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    2021年09月27日
  • 椿姫

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    La Dame aux camélias.
    アルマンとマルグリットの恋愛物語。
    筆者がアルマンの話とマルグリットの日記を元にこの小説を書いているという設定。
    二人の純愛と、高級娼婦という肩書の為にその関係が崩れてしまうという悲劇的な物語を書いている。読みやすく、いつの時代も変わらない男女の純粋な心が描かれている。マルグリットのモデルはマリ・デュプレシス。1824年にノルマンディーの貧しい家に生まれ、父にロマの一団に売られ、パリにたどり着き、高級娼婦となる。彼女は貴族に劣らない気品と教養を身に着けていた
    。教養を与え、美意識を育てたのは彼女を見初めた青年貴族ギュッシュ公爵。かなりの部分が筆者アレ

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    2021年07月26日
  • 椿姫

    購入済み

    とても共感できました

    現役ホステスです。
    とても共感出来るところや経験したことあるなあという事が多々ありました。
    そして羨ましくも思いました。
    説明や解説も解りやすく読みやすいので、ぜひ現役ホステスさんに勧めたい一冊です。
    今も昔も男と女は根本が大して変わって無いからこそ現代でも愛される作品なのかなと思いました。
    今日もお仕事がんばります。

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    2021年03月28日
  • 椿姫

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    読書会をきっかけに読んでみました。タイトルしか知らなかったし、あまり興味もなかったのですが、読んでよかった一冊です。恋愛について忘れていたものを思い出しながら読んだり、時代背景を想像しながら読むのはとても楽しかったです。後から後からじわーっとくるものがあります。
    お話の展開もすごくよいです。マルグリットの最初の登場はとても印象的でした。

    読書会では、いろんな人の感想もまた面白くて、この読書がとても充実されたものとなりました。
    また、「椿姫」のつながりで読みたい本が続々と出てきました。読んでいこうと思います。

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    2019年12月04日
  • 椿姫

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    あなたが世間となって人を殺したりしませんように。
    そして、愛情は必ずしも綺麗な丸いかたちをしてはいないのです。
    娼婦のマルグリットと、その彼女の全てを愛したアルマン。二人はお互いで、愛を知りました。
    しかしマルグリットの快く思われない身分のために想い合う二人は引き裂かれます。しかも、彼女が全ての罪を引き受けるようにして。
    行うことに清浄も穢れもありますか?
    何かを行動するとき、そこに想像はありますか?

    そんな問いかけが静かに心に沈みます。

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    2017年11月27日
  • 椿姫

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    青年と娼婦の身分違いの悲恋、と一言で片付けてしまわれがちだが、原作は非常に情感豊かで、マルグリットのひたむきな献身に涙が出る。作者のデュマ・フィス自身が文豪デュマの私生児だったから、社会的に立場の弱い人々に対する眼差しは、とても同情的。
    (2015.5)

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    2015年05月31日
  • 椿姫

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    すべての人が幸せになることはできない。

    それでも最後に信じられるものができたマルグリッドは幸せだと思う。

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    2012年08月15日
  • 椿姫

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    マルグリットのようなことができる人って、どのくらいいるんだろう。
    とにかく最後は胸がつまって泣きながら読みました。
    人間として、彼女を誇りに思います。

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    2012年06月07日
  • 椿姫

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    マルグリットがだんだんアルマンを本気で愛してしまうたびに悲恋が重なっていくのが切ない。途中アルマンがクソみたいに思えたけどマルグリットのおかげで美化された…最後の手紙のところで泣きそうになった

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    2013年07月07日