籘真千歳のレビュー一覧

  • スワロウテイル/初夜の果実を接ぐもの

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    ネタバレ

    シリーズ最終作ということで、早く読みたいけれども、
    終えたくないという相反する感情に板挟み。
    結局は作品世界に引きこまれ、一気に読んでしまった。

    読み始めてすぐに時間軸をずらしてあることはわかったのだけど、
    Cパートでの揚羽の姿が十代前半という描写に「?」。
    2作目でいきなり揚羽をボクっ娘で登場させ、実は真白でした、
    という仕掛けをしてくれた作者さんなので、
    今回も揚羽であって揚羽でない人工妖精。
    いったい君は誰なんだい? という興味もあって、さらに加速。
    そしてAパートでの揚羽と陽平の再会から、
    婚姻届(控(偽(廃)))の件はニヤニヤが止まらない。

    その辺りを境に物語は一気に重い方向へシ

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    2013年08月21日
  • スワロウテイル/幼形成熟の終わり

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    パスカル曰く、人は考える葦、だそうだ。
    この言葉を使って、人工少女販売処で屋嘉比が洋一と陽平に「・・・お前は言葉を話す蘆で、お前の目の前にいるのも言葉を介し心を察する一人の人間だ」と言ったのが印象的だったのを覚えています。
    人とは考える生き物だと聞いたことがあります。言いかえると、人=考えるということなんでしょうか。
    ということは、作中に出てくる人工妖精も人工知能も人間なのでしょうか。

    さて、今回もとても楽しませていただきました。
    椛子の会話といい、一回読んだだけでは理解が及ばなかったところも多かったので、これから何回も読みなおしていきたいと思います。

    読み終わったとき、ここまで満足感に浸

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    2013年03月17日
  • スワロウテイル人工少女販売処

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    身代わりとして、人を思い生きる人工妖精。
    それを哀れに思い、心を痛めても、それは本当に無意味。
    人工島無いだけでなく、本の外の読者も空回りしてる。
    すべてが空回りるこの世界、見てきて飽きない!
    一日草の種明かしは全俺が震えた!
    キレイにまとまったお思ったら、まだ続きがあるのか、楽しみ。

    新世界よりを読んだ後、二冊目のSF小説。
    やっぱりSFは好きなのかもしれない。
    はまりそう。

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    2013年03月10日
  • スワロウテイル序章/人工処女受胎

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    ネタバレ

    人間によって作られた人工妖精のお話。
    表紙挿絵は可愛らしいですが、倫理であったり、哲学であったり、
    かなり読み応えあります。
    戦闘シーンと日常シーンの緩急がとても心地よいです。

    そしてなんといっても鏡子の高説が耳に残ります。
    特に二編目の『魔法と科学』一気に作品に引き込まれました。

    序章ということで最初に買いましたが、
    『人気シリーズの前日譚たる連作中篇集。』
    ということで三冊目の現在での最新刊ということになります。
    (読み終わって気づきました)

    これ一冊でも充分面白いんですが、
    既刊二冊読んでからだとまた違った印象が生まれたかも、、
    とりあえず既刊読んでみます!

    920円+税 と若干

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    2014年02月25日
  • スワロウテイル/幼形成熟の終わり

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    ネタバレ

    スワロウテイルシリーズ2冊目、看護学校時代の後輩の葬儀に参加した揚羽(?)だが、火葬場で動く死体と化した彼女と相対することに。青色機関の抹消抗体として揚羽は彼女を退け、事件としてその謎を追い始める。自警団の陽平が追う貌剥ぎ事件、そして同時期に自治区を襲ったテロ、単発的に見えた複数の事件だったが全ては東京自治区の暗部に繋がり、自治区の存亡を懸けた事態が進行していく。
    前半はある違和感を覚えながら読み進めていたが、真相が明らかになるにつれ別々にみえた事件が繋がり始める過程に引き込まれた。怒涛の複線回収で違和感の原因もしっかりと解決され、今回も緻密な世界観設定の下で繰り広げられるお話に大満足だった。

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    2013年02月21日
  • スワロウテイル序章/人工処女受胎

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    「きゃ、やだ、くすぐらないで!こら、揚羽ったら!」
    「よいではないか、よいではないか、はっはっはっ、鶴のように鳴くのう」
    「お姉様、お声がいやらしくてお素敵です!」
    「もう!やったわね、揚羽!パジャマを引っぱがすわよ!」
    「あっ・・・あ、それはだめ!や、ちょっ、ちょっと連理、見えてる、見えちゃう!」
    「連理様、お手つきがおいやらしくてお素敵です!」

    人工妖精達の学園生活を描きながら、最終章はハードSFらしく締める。設定にもすっかり慣れたところで、近未来東京人工妖精ワールド全開、秘密の花園も絶好調です。ハードSF、しかしながらラノベ風味満載、読んでて楽しいわ~、まだまだ続いて欲しい!今回は可愛

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    2012年12月17日
  • スワロウテイル序章/人工処女受胎

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    連作中編。それぞれに完結する中編を重ねながら1つの大きな物語を形作る構成は見事です。難しい言い回しで煙に巻かれている感じは若干ありますが、圧倒的なテキスト量と、それでいて不思議に読みやすい文体で、実にSFらしい小説だと思います。

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    2012年11月13日
  • スワロウテイル/幼形成熟の終わり

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    前作の背景説明は必要最低限に抑えて人工妖精ワールド全開。前半セリフ多し、後半アクション多し。「”海底の魔女”は対人無敗です。」これで”海底の魔女”は”アクアノート”と読ませる。全編に渡ってルビ多し。 前半伏線多し、後半予定調和多し。ちょっと詰め込み過ぎでは?最後に伏線が全て収斂していくので付いていくのが大変。でも折角構築した世界だからまだまだ使って欲しい。続編が楽しみ!

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    2012年11月05日
  • スワロウテイル人工少女販売処

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    人工妖精(アンドロイド)が普遍的に存在する近未来の東京、背景となる設定が壮大且つ細かくて物語に入り込むのにちょっと時間がかかるが、「ねじまき少女」を彷彿させる各種公的機関のディテールが楽しい。表紙が可愛らしいので軽い読み物かと思ってしまうがとんでもない、素晴らしいハードSFでした。揚羽と陽平のやりとりも少しだけHで微笑ましい。ハードSFかと思えばライトノベル風文章が絶妙に融合されており、文章は軽いが話は重い、アンバランスな感覚が何とも心地よい。以前絶賛した「Delivery」とはまた趣きが違う、こんな作家がいるんだ!と嬉しい発見でした。勿論続編も読みます。

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    2012年11月02日
  • スワロウテイル序章/人工処女受胎

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    ネタバレ

    シリーズ第3作。時系列的には最初に位置する今作では清楚でかつ隠微なお嬢様学園での物語を主軸に、ヒトとヒトに造られし人工妖精が持つ「自己認識」「自我」に正面から切り込む難解で奥深いストーリーが読み応え抜群、といったところ。
    自分としては雪柳が読んでてお気に入りだったので、最後はちょっと、ウルウルっと来ちゃいましたよ。

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    2012年10月15日
  • スワロウテイル序章/人工処女受胎

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    相変わらずの面白さとクオリティを持つシリーズ三作目。
    女学園×SF×ミステリ×必殺仕事人の素敵な融合。七色の蝶が舞い四季をめぐる情景、コメディとシリアスのバランスのある会話、SF的な謎の解明、物語の感動、と満足度高し。

    鏡子さんの独自な価値観をもった罵倒も健在(笑) 今回は連作短編集だから謎の解明と戦闘場面が何度も楽しめる。
    不可解な謎を提示し、丁寧に伏線を張り、推理し、と、綺麗にミステリの構図を物語の進め方に用いている。ミステリの文法が藤間千歳という作家には身体に染み込んでいるんじゃないかな。
    あと、風気質[マカライト]のトリックスターぶりは物語を動かす上でも魅力的なのだと今回判明。

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    2012年09月24日
  • スワロウテイル序章/人工処女受胎

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    安定のジェットコースター展開。
    連作中篇集ということで、始まりはお嬢様学園でのサスペンスアクション~の滑り出しだったのが、いつの間にかガラガラと転げ落ち、あるいは登り詰め、最後の書き下ろしに至っては、既刊の長篇『人工少女販売所』『幼形成熟の終わり』もかくやという「スワロウテイルらしい」えげつない話になってしまう。
    既刊の時もそうだったけど、このシリーズは手品だ。種も仕掛けもあるのに魔法のように見える鮮やかな手品。
    自我の形成、脳の働き、意識とは何か、そういうことに食指が伸びる人には絶対おすすめです。

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    2012年09月14日
  • スワロウテイル序章/人工処女受胎

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    ネタバレ

    SFマガジン誌上に掲載されたもの、PDFで無料配布されたものに書き下ろしを加えた連作中編集。長編2編より前の時間軸、揚羽の五稜郭での学生時代を舞台に五等級の魔女誕生の経緯を描く。
    誌上での掲載を追っかけていたので想定よりも早く、また、連載時のものに加え新規の挿絵も収録とうれしい仕様での刊行に歓喜です。
    書き下ろしでの椛子閣下と揚羽のやり取りや鏡子さんのアクションシーン等のうれしいシーンに、怒涛の複線回収、長編への繋がりと非常に楽しめた。

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    2012年10月22日
  • スワロウテイル/幼形成熟の終わり

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    前~中盤はルビが素晴らしい語りの応酬、荒事満載の後半戦~クライマックス。そしてラストの、どう見ても出来過ぎだけどこの展開からどうやったらそうなるんだっていう予定調和。 すごい。
    ライトノベル的なキャラクターの造り込みと、練りに練り込まれた台詞の読み応え。
    これはまた続きを読みたい。シリーズ的にこの後がどう続くのかは気になるところで、ぜひ読みたい。

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    2012年08月11日
  • スワロウテイル人工少女販売処

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    ネタバレ

    生殖行為により感染、進行、遺伝する病〈種のアポトーシス〉の感染者を閉じ込めた、かつての関東平野(関東湾)に浮かぶ浮島、東京自治区。巨大な歯車によって二分された自治区の人々は男女別に分かたれて、人を模して造られた微細機械群体技術の結晶である人工妖精(フィギュア)を人生の伴侶として暮らしている。第3の性として蝶形微細機械群体で構成された体を持つ人工知性である彼、彼女らの一人として男性自治区側で暮らす少女揚羽は人による被造物としての規範を逸脱してしまった同胞を切除することを生業としていた。傘持ちと称される連続殺人事件の犯人を追っていた彼女は自治区の存亡を左右する陰謀の渦中へと身を投じることになってい

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    2012年12月19日
  • スワロウテイル/幼形成熟の終わり

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    序盤は所々に違和感を感じたが後半それがトリックだと気づいてからは一気読みしてしまいました。人工物と人間と考えの違いとかそういう部分がすごく描かれていて前作同様面白いですね・・。

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    2011年11月14日
  • スワロウテイル人工少女販売処

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    この世界はどこまで組み立てられているのか。もしくは全てが張子なのか。なんだかどこまでも隙がなく上手い具合に組まれたプロットで、小難しい話であるにもかかわらずぐいぐい読めてしまう。
    人工妖精や東京自治区などSF的フェティッシュが魅力的。ただ、その辺りの技術的な設定・理屈を理解しようとすると少々難解で面倒。それが面白いところでもあるのだが、単純に恋愛モノとして読むのでも十分面白い作品。
    人間を愛し人間に愛されるためにつくられた人工妖精。その構造、背景を冷酷なほど語りつくして世知辛いつくりものの社会を嘆くのに、人工妖精も彼らとともに生きる人間も、互いを想うことに一生懸命だ。その一途さが過ちを生むし、

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    2012年01月20日
  • スワロウテイル人工少女販売処

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    ネタバレ

    人間のパートナーとして人工妖精というヒューマノイドがあてがわれている世界で、殺されても再出現する「傘持ち」という人を殺せる人工妖精を追うお話。
    男女別に隔離された人工島が舞台。蝶型微細機械群体というお掃除ロボット+構造物の保全者的なマイクロマシンが各所で働いているのが印象的。

    人間と人工妖精の在りようの差がキーになっているお話で、それだけに人工妖精の特性を生かした「傘持ち」の仕掛けはおおと思った。また、人工妖精の性格の方向性を定めるために地水火風の気質が与えられていたのも個人的には面白かった。

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    2025年06月10日
  • スワロウテイル/初夜の果実を接ぐもの

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    章立てからしてパラレルっぽいかなと思っていたけど、そのとおりでしたね
    最近読んだ本で秀作だなと思った本は、この系統のものが多いかも
    ちょっと、ついて行けなかったところがあるので、もう一度読み返したいと思っています

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    2021年10月27日
  • スワロウテイル序章/人工処女受胎

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    面白かった
    どうしたらこのような作品を書けるのか、毎回ながら感心させられる
    1冊ごとに人工妖精の秘密の核心に近付いている…

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    2021年07月10日