斉木香津のレビュー一覧

  • 凍花

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    三姉妹の長女が次女を殺害してしまうミステリー。ストーリーは三女の目線から描かれていく。

    長女の内面(思考)と外面(行動言動)のバランスの悩みが生きずらさになっている。
    そのバランスの中心にあるものは感情で、その思考/感情/行動/言動のバランスの不安定さがそう思わせる。

    デメリットに感じる部分ではあるだろうが、自分には逆に魅力に感じる部分でもある。
    ひとつひとつ自分を見つめていて、その時の感情をしっかりと刻めている。
    取るべき行動はもっとベターなものがあったり、もっとメリットがあるものもあったろうが、そんなのは結果論であり誰も知らない事。
    そこに躓き、苦しむ姿は長女の人間らしい魅力かとも感じ

    0
    2023年04月08日
  • 日本一の女

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    「あげなクソ婆、弔ってやらんでもいい、とか言うんで」東京の生活に行き詰まった私は、曽祖母の三十三回忌を口実に、大分の実家に帰郷した。曽祖母・匹田サダは、臼杵の裕福な家に生まれながら、昭和二年、数え歳二十のときに野津市村の農家に嫁いできたという。豊臣秀吉似のサル顔と歯に衣着せぬ物言いが災いして、実家を追い出されたらしい。しかし嫁いでからは次々と男の子ばかりを産み落とし、精米所を大繁盛させ女太閤様と呼ばれた。人に嫌われても決して家族を飢えさせず、懸命に働き続けた熱すぎる女の一生とは―。悩みも悲しみも癒えてゆく、人間賛歌!

    あっぱれ!

    0
    2018年01月09日
  • 40歳の言いわけ

    Posted by ブクログ

    同窓会当日、時間になっても幹事以外の人が誰も来ない。
    その時間、それぞれに、行けない出来事が起こっていた。

    面白かった。
    不惑の年とは言いながら、自分に置き換えても、40代はまだまだ迷う年。
    皆、この年代ならではの出来事に翻弄されていました。

    最後は同窓会が始まりそうな終わり方でしたが、西村さんが来たのかな?
    だとしたら、彼女の選択は…
    どうだったのでしょうか(笑)

    0
    2017年01月08日
  • 凍花

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    完璧だと思っていた長姉の殺人、そこから辿ることで柚香が、または読み手が見る長姉の人物像の移り変わりがものすごく巧み。既視感のない、展開が読み切れない構成だった。

    百合姉が本当に日記そのままの人物で終わっていたら、読後感は最悪だったと思うが、またひとつ捻ったところで落ちたのが良かった。

    重い内容だが、登場人物が絞られていてどの人物も分かりやすく、非常に読みやすい言葉の使い方も高ポイント。

    0
    2016年05月28日
  • 凍花

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    勘違いと思い込みが最悪の結果になって、切ないな、と思いました。読んだ後、百合の顔が目に浮かびました。
    定期的に読みたくなる。

    0
    2025年06月07日
  • 踏んでもいい女

    Posted by ブクログ

    私は凍花よりも好みだった。女同士のこういう心理わかるわーというのと、戦争の時どう生きるか。

    常に思っていて、たまに言ってみるけど、特に男性に理解されない考えが書かれていた。以下引用(文庫p207)
    きれいに死んでいこうとする人よりも、たとえ地べたを這いずりまわって他人に軽蔑されても、なお生に執着する貪欲さのほうが私はよほど美しいと思うわ。

    0
    2013年10月20日
  • 凍花

    Posted by ブクログ

    人は見たいものしかみない。
    見せたいものしか見せない。

    People only see what they want to see.

    0
    2025年09月12日
  • 40歳の言いわけ

    Posted by ブクログ

    高校を卒業して40歳の節目で開催される予定の同窓会。参加した同級生に悩みのない人なんていなかった。小説なのにリアル。

    【再読済み】

    0
    2025年04月21日
  • それなら、誰のために人を殺すのか 超能力者には向かない職業 3

    Posted by ブクログ

    ふたりの人生を視た話。とても複雑にみえてそこまで複雑ではなかった。
    彼女がいたからこそ解決できた事件と事件。

    0
    2024年01月30日
  • 凍花

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    殺された次女梨花と殺した長女百合。なぜ姉2人がそうなってしまったか探る三女の柚花。
    周囲からは完璧な姉には家族や他人が知らなかった内面があって哀しくて読んでるうちに辛くなった。柚花を守るために黙秘する姉、真実を知っているか探り入れようとする父、事件後更年期障害が悪化し鬱になる母…。
    妹の姉自慢からの日記読んだ時の内容は妹2人には精神的に応えられなかったのと拒絶、こんな百合ではないと受け入れられないといった感じやったけどもし自分に置き換えてみたら怒りの感情が湧いてきて事件当日みたいなことに発展するかもって怖くて哀しい物語だった。
    鹿島さんや彼氏の助言、全ての日記を読み終えたら妹たちに憧れて嫉妬し

    0
    2024年01月10日
  • 凍花

    Posted by ブクログ

    人間はなんて不器用な存在なんだろう。自分の中にもある記憶が揺さぶられるような不思議な痛みを感じながらも憑かれたように一気に読んでしまった。読んでいてつらくなりますが間違いなく出会えてよかったと感じました。怖い物語であると同時に慈しみに溢れているという解説もよかった。どれほど話し合っても想像しても自分は自分でしかいられない。だから話し合いたいしわかりたいし努力したい。

    0
    2022年04月30日
  • 凍花

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    思い出の品、楽しかった記憶、考えていることは違うのに、同じ感情を共有していると思っていた妹は愕然とする。

    「あの姉妹が、あんな事件を起こすなんて信じられない」
    扉を閉めてしまえば、そこの家がどんな家なのかなんて他人になんて分かるわけないのに。
    妹でさえ、事件が起きるまで姉は、私たちを大事にしている、私たちは『三人揃えば、最強の三姉妹』だと思っていたのだから。

    姉の日記を読む妹と同じように、読む手が止まらない。姉のもう一つの顔か!?と思ったが、そうじゃない。
    人の感情は常にひとつじゃなくてグラデーションなんだよなと気づく。嫉妬していても、羨ましかったり、ムカついていても、大切に思っていたり。

    0
    2022年02月25日
  • 五十坂家の百年

    Posted by ブクログ

    文章は淡々としていて、登場人物たちの感情も、描かれてはいるけれど抑えめ。

    どんなことがあったのかは序章で何となく知らされるので、それがいつどんな風に起こるのかと気にしつつ読んだ。
    第一章は、約百年前のできごとと現在のパートが交互に繰り返される。第二章は、数十年前のできごとと、現在のパート。これらがどうつながっていくのかなというところにも興味が湧いたし、なにげない日常を記すような語り口なのにけっこうすごい展開があるので、目が離せなかった。

    アゴタ・クリストフさんの「悪童日記」を読んでいた時に近い感覚があった。

    静かに驚き続けながら最後まで読み終えた。好きなテイスト。面白かった。

    0
    2022年02月12日
  • 踏んでもいい女

    Posted by ブクログ

    表紙のイラストで今時の話かと思っていたら、戦時下の横浜が舞台だった。容姿の冴えない19歳の真砂代は強引にすすめられたお見合いを受ける。しかし、見合い相手にはずっと思い続けている貴子という年上の女性がいた。
    惨めな気持ちになる真砂代だったが、偶然にもその貴子と知り合い家事を手伝うことになる。
    働かずにお洒落な洋服に身を包み、庭の花を見ながら絵を描いて過ごす貴子。
    誰しもが生きるだけで精一杯だった戦時下に、夫とパリで暮らす為に絵だけを描く貴子を嫉妬しながらも、いつしか彼女の生き方に憧れていく真砂代。
    真砂代に一番に完成した絵を見せてくれると言っていた日に空襲が起きた。
    家族が疎開し、銭湯を続ける祖

    0
    2022年01月27日
  • 凍花

    Posted by ブクログ

    三姉妹の長女が、次女を殺害してしまう。
    完璧な女性だった長女が、なぜ?三女が真相を探る。

    完璧に見えても、人はみんな悩みもあるし、欠点もある。
    上手くやろうとして、失敗してしまう事ってよくある。
    長女の百合の人生が、辛かった。
    もっとラクに生きられたら、こんな事件は起きなかったんだろうなあ。

    0
    2020年05月01日
  • 幻霙

    Posted by ブクログ

    どこにでも居そうな今時のふたり。
    派遣先で出会いすぐに同棲。
    何気ない会話をきっかけにどんどん危うい方向へと向かっていく。
    彼の過去がわかるにつれて怖くなっていく。

    0
    2020年04月22日
  • 沼に沈む骨は愛を語らない 超能力者には向かない職業

    Posted by ブクログ

    超能力者が出る話が好きで、書店でそんな小説を見かけると手が出てしまう。本書もそう。しかも刑事もの!
    でも2つの意味で裏切られてしまう。主人公は超能力を持ってはいるが自由に使いこなさないし、刑事ものといっても捜査ではない。長期休養で訪れている田舎町であがった死体の真相を探ろうとはするのだが捜査ではない。
    なんでこんな設定に、こんな展開にしたんだろうと疑問に感じたが、読みすすめるうちに止まらなくなった。そんな結末かと思わせてのさらなる展開が待ち受けてて。んーー、我慢して読み進めて正解ってこともあるんだな。
    なんならシリーズ化してほしいとさえ思う。

    0
    2020年02月23日
  • 凍花

    Posted by ブクログ

    三人姉妹の長女が次女を殺害。才色兼備の長女が一体何故…。できる人にはできる人の悩みがあるものですね。

    0
    2020年02月17日
  • 凍花

    Posted by ブクログ

    こういう心の葛藤は誰でも抱えているんじゃないかな。
    それでもうまく折り合いをつけて生きてる。
    自分の力だけじゃなく、出会った周りの人たちに助けられながら。

    0
    2019年07月21日
  • 凍花

    Posted by ブクログ

    裏表紙のあらすじを見て購入。
    綺麗な感じの表紙も中々です。

    三姉妹の長女が次女を殺害。
    なぜ、あの優しく美しい姉が?三女が主人公となりそのワケを考え探していくミステリー小説です。
    感想としては女性特有の色々な感情、ドロドロ感が出ています。
    私自身は男三兄弟、関係的にはドライな感じだったので姉妹とはこういう感情が生まれるのかと思いました。
    また、知能を持ったが故の人間の複雑さを改めて感じました。

    0
    2018年10月18日