斉木香津のレビュー一覧
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ネタバレ三姉妹の長女が次女を殺害してしまうミステリー。ストーリーは三女の目線から描かれていく。
長女の内面(思考)と外面(行動言動)のバランスの悩みが生きずらさになっている。
そのバランスの中心にあるものは感情で、その思考/感情/行動/言動のバランスの不安定さがそう思わせる。
デメリットに感じる部分ではあるだろうが、自分には逆に魅力に感じる部分でもある。
ひとつひとつ自分を見つめていて、その時の感情をしっかりと刻めている。
取るべき行動はもっとベターなものがあったり、もっとメリットがあるものもあったろうが、そんなのは結果論であり誰も知らない事。
そこに躓き、苦しむ姿は長女の人間らしい魅力かとも感じ -
Posted by ブクログ
ネタバレ評価は5.
内容(BOOKデーターベース)
「あげなクソ婆、弔ってやらんでもいい、とか言うんで」東京の生活に行き詰まった私は、曽祖母の三十三回忌を口実に、大分の実家に帰郷した。曽祖母・匹田サダは、臼杵の裕福な家に生まれながら、昭和二年、数え歳二十のときに野津市村の農家に嫁いできたという。豊臣秀吉似のサル顔と歯に衣着せぬ物言いが災いして、実家を追い出されたらしい。しかし嫁いでからは次々と男の子ばかりを産み落とし、精米所を大繁盛させ女太閤様と呼ばれた。人に嫌われても決して家族を飢えさせず、懸命に働き続けた熱すぎる女の一生とは―。悩みも悲しみも癒えてゆく、人間賛歌!
あっぱれ! -
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ネタバレ殺された次女梨花と殺した長女百合。なぜ姉2人がそうなってしまったか探る三女の柚花。
周囲からは完璧な姉には家族や他人が知らなかった内面があって哀しくて読んでるうちに辛くなった。柚花を守るために黙秘する姉、真実を知っているか探り入れようとする父、事件後更年期障害が悪化し鬱になる母…。
妹の姉自慢からの日記読んだ時の内容は妹2人には精神的に応えられなかったのと拒絶、こんな百合ではないと受け入れられないといった感じやったけどもし自分に置き換えてみたら怒りの感情が湧いてきて事件当日みたいなことに発展するかもって怖くて哀しい物語だった。
鹿島さんや彼氏の助言、全ての日記を読み終えたら妹たちに憧れて嫉妬し -
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ネタバレ思い出の品、楽しかった記憶、考えていることは違うのに、同じ感情を共有していると思っていた妹は愕然とする。
「あの姉妹が、あんな事件を起こすなんて信じられない」
扉を閉めてしまえば、そこの家がどんな家なのかなんて他人になんて分かるわけないのに。
妹でさえ、事件が起きるまで姉は、私たちを大事にしている、私たちは『三人揃えば、最強の三姉妹』だと思っていたのだから。
姉の日記を読む妹と同じように、読む手が止まらない。姉のもう一つの顔か!?と思ったが、そうじゃない。
人の感情は常にひとつじゃなくてグラデーションなんだよなと気づく。嫉妬していても、羨ましかったり、ムカついていても、大切に思っていたり。 -
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文章は淡々としていて、登場人物たちの感情も、描かれてはいるけれど抑えめ。
どんなことがあったのかは序章で何となく知らされるので、それがいつどんな風に起こるのかと気にしつつ読んだ。
第一章は、約百年前のできごとと現在のパートが交互に繰り返される。第二章は、数十年前のできごとと、現在のパート。これらがどうつながっていくのかなというところにも興味が湧いたし、なにげない日常を記すような語り口なのにけっこうすごい展開があるので、目が離せなかった。
アゴタ・クリストフさんの「悪童日記」を読んでいた時に近い感覚があった。
静かに驚き続けながら最後まで読み終えた。好きなテイスト。面白かった。 -
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表紙のイラストで今時の話かと思っていたら、戦時下の横浜が舞台だった。容姿の冴えない19歳の真砂代は強引にすすめられたお見合いを受ける。しかし、見合い相手にはずっと思い続けている貴子という年上の女性がいた。
惨めな気持ちになる真砂代だったが、偶然にもその貴子と知り合い家事を手伝うことになる。
働かずにお洒落な洋服に身を包み、庭の花を見ながら絵を描いて過ごす貴子。
誰しもが生きるだけで精一杯だった戦時下に、夫とパリで暮らす為に絵だけを描く貴子を嫉妬しながらも、いつしか彼女の生き方に憧れていく真砂代。
真砂代に一番に完成した絵を見せてくれると言っていた日に空襲が起きた。
家族が疎開し、銭湯を続ける祖 -
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超能力者が出る話が好きで、書店でそんな小説を見かけると手が出てしまう。本書もそう。しかも刑事もの!
でも2つの意味で裏切られてしまう。主人公は超能力を持ってはいるが自由に使いこなさないし、刑事ものといっても捜査ではない。長期休養で訪れている田舎町であがった死体の真相を探ろうとはするのだが捜査ではない。
なんでこんな設定に、こんな展開にしたんだろうと疑問に感じたが、読みすすめるうちに止まらなくなった。そんな結末かと思わせてのさらなる展開が待ち受けてて。んーー、我慢して読み進めて正解ってこともあるんだな。
なんならシリーズ化してほしいとさえ思う。