あらすじ
その朝、双子の老姉妹が手に手をとり、崖から飛んだ。疎遠だった子らが葬儀に集い、やがて武家屋敷の床下に隠された四体の遺骨を見つけ出す。これは誰? いつからここに? 金貸し一族の淫靡で切ない歴史と、“乙女”のゆがんだ欲望を描き出した、背徳のミステリー。〈解説〉大矢博子
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Posted by ブクログ
文章は淡々としていて、登場人物たちの感情も、描かれてはいるけれど抑えめ。
どんなことがあったのかは序章で何となく知らされるので、それがいつどんな風に起こるのかと気にしつつ読んだ。
第一章は、約百年前のできごとと現在のパートが交互に繰り返される。第二章は、数十年前のできごとと、現在のパート。これらがどうつながっていくのかなというところにも興味が湧いたし、なにげない日常を記すような語り口なのにけっこうすごい展開があるので、目が離せなかった。
アゴタ・クリストフさんの「悪童日記」を読んでいた時に近い感覚があった。
静かに驚き続けながら最後まで読み終えた。好きなテイスト。面白かった。
Posted by ブクログ
五十坂家の百年、四代にわたる大河ミステリーはどこか赤朽葉家の伝説を彷彿とさせる。
レトロで、淫靡で、いびつな人間たちはみな魅力的で興味をそらさない。
時系列に沿ってではなく、時間軸を縦割りに語っていく手法により、それぞれの世代の謎の糸が撚り合わさって、最後に解決を見るそのダイナミズムがたまらない。
また好きな大河小説が増えました。