斉木香津のレビュー一覧

  • 五十坂家の百年

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    ネタバレ

    五十坂家の百年、四代にわたる大河ミステリーはどこか赤朽葉家の伝説を彷彿とさせる。
    レトロで、淫靡で、いびつな人間たちはみな魅力的で興味をそらさない。
    時系列に沿ってではなく、時間軸を縦割りに語っていく手法により、それぞれの世代の謎の糸が撚り合わさって、最後に解決を見るそのダイナミズムがたまらない。
    また好きな大河小説が増えました。

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    2018年05月12日
  • 40歳の言いわけ

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     田村は、まだか の変奏曲みたいだ。
     でも、しめくくりは、悪くない。
     ただ、同級生達のエピソードは、ちょっとリアリティは無いけども。
     クボケンの話だけ、そうだよなぁって共感できる。

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    2018年05月08日
  • 幻霙

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    最初はごく普通の恋愛小説みたいな出だしだったが、徐々に蒼汰の子供のころの様子などがわかっていき。。。というお話。一気読みしてしまった。
    育ってきた環境って大事だなあ、というのが感想。

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    2018年04月21日
  • 凍花

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    数年前、SMAPの中居くんがかつてラジオ番組で本作の感想を話したことから、ベストセラーになったそうなのですが、そんなこととはつゆ知らず手に取りました。タイトルとジャケットから暗く冷たい物語が想像されますが、予想に反して(軽くはないけれど)温かみが感じられます。語り手は女子大生なのにキャピキャピしすぎることもなく、不思議に落ち着けると思ったら、著者の年齢が私に近かったからのようです。

    女子大生の柚香は三人姉妹の末っ子。柚香と6つちがいの長女・百合は冷静沈着な美人。4つちがいの次女・梨花はちょっとケバいがこれまた美人。柚香にとってふたりはどちらも自慢の姉。近所で評判の仲良し姉妹で、最強の三姉妹だ

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    2017年05月10日
  • 踏んでもいい女

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    戦時中の横浜で暮らしている19歳になる真砂代はパッとしない容姿の性格も地味な娘。ある日紹介で見合いをするが、その男はろくに話もせず、貴子という見知らぬ女性と比較して席を立ってしまう。貴子は自分は踏んでも構わない女だと皆から思われていると悲しく思った。
    ある日ひょんな事で貴子の家を掃除する役割をすることになった真砂代は、その贅沢で勝手な貴子に反発を覚えながらも、彼女の描く絵や、結婚の馴れ初めなどに触れる度に次第に惹かれていくのを感じていた。
    そんな刺激ある毎日を送るうちにも、本土に戦火は迫り彼女達の運命を大きくかえていくのでありました。

    とても良い本でしたが、あらすじでわざと衝撃のラスト的な事

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    2016年05月12日
  • 凍花

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    美しく隙のない長姉が2番目の姉の命を奪った。末の妹は自慢だった長姉がなぜ罪を犯さなければならなかったかを探ろうとする。少しずつ見えてくる長姉の知らなかった姿。
     人は一面だけで判断できないということを改めて思う。丁寧に人を描いている。

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    2016年04月01日
  • 凍花

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    私も末っ子。 よく似た構成、役回りだけに、同じ様な気持ちに。 (三兄弟ですが) 最後にデカイどんでん返しがあると思いきや!完璧主義者の苦悩。 悲しい。

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    2015年11月16日
  • 踏んでもいい女

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    まず題名に惹かれ手に取りました。
    裏表紙のあらすじを見て「あ〜官能小説じゃないのね」と思い購入。

    終戦2年前位からの話しになります。
    あらすじには戦時中のことが書かれていなかったのでびっくり。
    予想してた内容と全然違うじゃないか!

    主人公の真砂代と謎(?)の若き貴婦人である貴子とのお話。
    はじめは真砂代のぐずぐず感に少しイラっとしましたが、貴子とのやりとりで少しずつ強くなっていく様が素敵でした。
    最後のシーンは涙が出るというよりは、絵によって救われたんだなという感じ。

    私にとってジャケ買いという試みでしたが、当たりだったようです。

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    2013年10月03日
  • 踏んでもいい女

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    題名からして恨みがましいオドロオドロした話?と思ってたら
    なんか不思議と引き込まれた

    主人公がみかけより強い
    貴子に負けてないし

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    2013年09月10日
  • 凍花

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    人に完璧な良い人なんていなくて、本当はどこかで苦労してたり、悩んでたりしている。見えてる部分だけがその人なんじゃなくて、見えない、見せてない裏の部分も含めてその人なんだって気付かされた。

    外面だけみて、完璧だって羨むんじゃなくて、その人の努力で隠してる部分があるって考えることもその人に寄り添える一つだなと思った。

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    2025年02月16日
  • 凍花

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    三姉妹の長女が次女を殺した。

    …にしては、全体的にサラリとした感じ。ドロドロを期待していたのだが…

    動機は何?出できた日記を読み進めるうちに変化する感情。
    感情の変化は理解できるところもあり、首を傾げるところもある。母親が理解できず、そうじゃないだろ!とツッコミを入れる。

    ただの姉妹喧嘩で済んだはずが、こうなるとはね…
    でも、ほぼこうはならない。

    解説より「人は自分の信じたいように信じる」
    皆がそうなら、それでいいよと思う。二面性なんて誰にでもあるでしょ?表裏一体だよ。当たり前すぎ。
    大事な人ならきっとわかってくれる。
    裏切られたも幻想。自分が信じたいように信じてるだけ。読みが甘かった

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    2023年04月19日
  • 沼に沈む骨は愛を語らない 超能力者には向かない職業

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    異能を持つ女性捜査官を主人公にしたシリーズの第一弾らしい。異能は物語のラストで、ある登場人物の心情を明らかにするためぐらいにしか使われず、お話の中で浮いている感じ。続刊の惹句を見る限り、シリーズが進むにつれて、使い方はこなれていっているようだ。癖のある登場人物が多く、短めのページ数の中に、これでもかとばかりに、ややこしい人間関係が詰め込まれていて、半ば呆れてしまうほど。この手が好きな人には楽しめそう。ただ、物語のエンジンになるエピソードが、オチ的に扱われて、ラスト近くまで伏せられているので、少女の事件へ執着が異様で、無理矢理感のある筋の運びになっている感はある。

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    2022年08月10日
  • 凍花

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    ネタバレ

    才色兼備で誰からも憧れられる存在の長女・百合。
    その百合が次女を殺害してしまうという物語。
    三女の柚香がその理由を探る中、長女が書き綴っていた日記を見つけるのですが、その日記には衝撃的な文章が綴られていたのです。

    あー、なんか分かるなー。
    だって私も、長女なんだもんなー。でもだからって妹を殺したりはしないけどね。

    だけどやっぱり、百合の気持ちにどうしても感情移入してしまうんですよね。

    でも他の立場の方が読めば(例えば次女や三女の方)、また違った目線で読めて、違った感想になるんだろうな。きっと。

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    2022年02月17日
  • 沼に沈む骨は愛を語らない 超能力者には向かない職業

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    超能力、なくてOK!
    そもそも目を見張るような強い能力ではなく、本筋にもあまり絡んでこない。伊坂幸太郎の『砂漠』はよかったよね。
    ミステリーとしては、謎解きではなく、事件の背景が明らかにされる過程を楽しめる。
    読後感、もの悲しいというか、やりきれないというか…。超能力と真々子が雑音。

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    2021年08月22日
  • 幻霙

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    終盤明かされる真相に新味はないが、やはり切ない。女のコのちょっとイラッとさせる感じとかは、うまいなあ。

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    2021年07月12日
  • 五十坂家の百年

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    ネタバレ

    因業な金貸しに始まる、歪んだ一族の血塗られた歴史……的なことを言いたくなるのだが、よく考えてみれば一族で邪悪と呼べるのは(初代を別にすれば)一人だけなのだな。見方を変えれば案外ハートウォーミング系かも知れない。ただ読後感は曖昧。イヤミスと考えれば悪くないになるだろうけどね。なにかすっきりしない。

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    2021年04月28日
  • 踏んでもいい女

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    戦時中の厳しい生活環境の中でもお屋敷からくすねたりしない主人公に好感。 鶏が盗まれたシーンでは愕然とし、物々交換のシーンは農家のおばちゃん相手にハラハラ。冴えない主人公が最後に幸せそうで良かった。

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    2020年06月20日
  • 幻霙

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    彼女が、殺人犯を見て彼に似ていると言ったことから
    物語が始まる
    彼はその一言がずっと気になり・・・
    読み進むごとに彼がおかしくなっていく
    そんな感じでした

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    2020年05月28日
  • 凍花

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    ネタバレ

    色々突っ込みどころはあれど、終盤まではページを捲る手が止まらないほど面白かった。
    ただ、最後が残念だった。

    小説の帯に書いてあった『感動』というよりは、末っ子の妹の残酷さに戦慄した。

    本気でそう思って姉に手紙を書いたとしたら、恐ろしいほどの憎悪だ。
    まさに、長女が内心抱いていた気持ちとドンピシャで。
    純粋な悪なのだと感じた。

    それとも、妹までもおかしくなったのか?

    それなら秀逸ミステリーだと思う。

    そうでなく、家族の再生を狙っているとしたら、これほどの嫌味はないな、ということに作者は気づかずに書いていることになる。

    だから、やはり、性悪だったのは末っ子だったのだ。
    というところに着

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    2020年05月05日
  • 凍花

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    家庭の悲劇から気持ちよく再生する物語だと思っていた。

    評判になるほど美しい三姉妹で、姉の百合は長女らしくいわば優等生である。才能を生かしてデザイン会社に勤めて、少し責任のある仕事を与えられるようになっている。

    そんな姉が次の姉の梨花をアイロンで殴って殺してしまった。

    末娘の柚香は訳がわからない。そこに百合の日記が出てくる。

    端正で、やさしく非の打ち所の無いような姉がなぜこんな日記を書いていたのか。

    日記には、生々しい本音が綴られていて、家族のことは憎悪もあらわで、おぞましい渾名で書き込んでいる。
    それが14年にわたって続いて、犯行後、日記帳は重ねて物置に積んであった。

    柚香は驚き、

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    2019年12月29日