野崎昭弘のレビュー一覧
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無矛盾とは、命題Mと、命題!M(!MはとMの逆命題)が同時に真とならないこと。完全とは、すべての命題が証明(正しいか否かは別として)できること。不完全性定理とは、「無矛盾な公理系は、不完全である」ということ。この定理は、理性の限界を示すような危険な事実である。私は大学で数学を専攻したので、当然この定理は知っていたが、この定理が発見された経緯等の歴史的事実は全く知らなかった。この本を読んで、発見経緯や、発見者であるゲーデルまでの数学者の系が分かりほんとに面白かった。ところで、この辺りの仕事ですばらしい貢献した数学者は、カントールと、ゲーデルであるといってよいと思うが、彼らは晩年精神を病んでしまっ
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ネタバレおみやげを配る配り方は何通りあるか。という具体的な例からはじめて,群論を使った解の分類という抽象的な話まで。
問題を解く際の解説が非常に説明的。大抵,数学の問題を取り扱う本を読む場合,自分で問題を考えつつ読まなければ著者に置いてけぼりにされてしまうことが多いが,本書では思考過程そのものを詳しく解説してくれているので基本的に置いてけぼりにされてしまうことはないと思う。
読んでいて,なるほど,そう考えるのかというaha体験を何回も味わえて非常に面白かった。特に漸化式の威力。
分割数,フィボナッチ数,カタラン数などの数の概念を具体的な問題を抽象化したものとして理解することができた。分割数とカタ -
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数学の形式化がどのように行われてきたか、ギリシャ時代から近代までの歴史を振り返り、最後に不完全性定理の意味と意義を説明している。直観主義(無限を扱う場合は排中律を認めない、という立場)をめぐるクロネッカー、ブローエルとヒルベルトの論争は、人間味に溢れていて面白い。数学の形式化の歴史は、数学から「意味」を極限まで取り除いていく歴史に他ならないのだが、ほとんどの数学者は「意味」や「直観」に基づいて仕事をしている、という事実も興味深い。
私は、昔から数学的対象から「意味」や「直観」を意識的に排除しようとしてきたし、公理から機械的(演繹的)に理解するように努めてきたので、今さら「実際はそんなことしな -
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1. 速断と先入観
2. 自然世界の逆説
3. 数の世界の逆説
4. 無限についての逆説
5. 言葉の世界の逆説
6. 逆説論理学
の6章からなる、『詭弁論理学』の続編。
こちらの方は数学であるから、前作のようにすらすら読むわけにはいかない。
タイトルや目次を見ればわかるとおり、矛盾やら逆説にフォーカスしたもの。
ゼノンのパラドックスや論理が破綻した文章(ex.あらゆる法則には例外がある。)のように、常識から考えると間違っていそうだけど別に間違っていなくもないと思えるものや、ん?と思わせるものはたくさんある。
世の中一概に真か偽かを定められるものばかりではない、そん