マット・リドレーのレビュー一覧
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分業は、交換という性向のおかげで達成された。
交換→分業→専門化→革新→時間の節約→生活の多様化→豊かになる。
資産市場は、投機、群集心理、不合理な楽観主義、独占や超過利潤、などで相場が上下する。
合理的な楽観主義。危機を脱却できる。
国内で格差が拡大しても、世界で見れば格差は縮小している。統計のパラドックス。
健康面、教育面では確実である。
ソローの自給自足は、現代では成り立たない。
労働の分割ではなく労働の掛け合わせ
物々交換の開始
交換は発明された=犬は交換しない。
男女による分業。
捕食者が獲物を獲り尽す前に、捕食者が激減する。
人類は、他の代替のお捕食物を開拓することで、 -
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「昔は良かった」という人達がいるが、現在の世界は50年前に比べて格段に良くなっている。便利なものはより便利に、より安く入手・使用することができるようになった。平均寿命も延び、乳児死亡率も低下している。
著者は自分が「合理的な楽観主義」だという。資源の枯渇や環境汚染が騒がれているが、新たな資源の可能性はいくらでもある。また環境汚染でも、排気ガスが発する有害物質は減っている。この先の世界もそう悲観するものではない。
ということが具体的なデータを並べて示されている。
著者は原子力発電が主力になっていくとしているが、これは東日本大震災による福島の事故から修正されるべきだろう。著者の今の考えはどう -
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人類の10万年史を振り返ると、近現代の生活水準の向上は驚くべきものである。現代社会の抱える恐るべき貧困でさえ、個別的な事例の悲惨さはさておき全体的な視点から見れば、過去の歴史における破局的な貧困よりはマシであるのは間違いない。ことによると我々人類がマルサスの罠に捉えられていたころの平均的な生活水準でさえ、現代人の感覚からすれば貧困状態と言っても間違いかもしれない。我々は、ともすれば、この科学技術社会を語る際に、産業革命以前の社会のノスタルジックな側面と対比しがちであるが、ノスタルジックな幻想を抱くことも多いが、「世界は常に良くなってきた」ことを、もっとキチンと認識すべきである。
というのが、 -
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チェルノブイリと福島の事故を含め、原子力が電力一単位あたりで出す死者の数は、石炭の2000分の1、バイオ燃料の50分の1、ガスの40分の1、水力の15分の1、太陽光の5分の1、風力の2分の1。
18世紀の戦争によって軍に穀物の倉庫や家畜小屋が襲われたため、それを免れるジャガイモの栽培がヨーロッパで広まった。
現在、世界のエネルギーの約1%が窒素固定に使われており、人間の食糧に含まれる窒素原子の約半分を供給している。2010年の飢餓による年間死亡率は、1960年の100分の1になった。
1988年、サトウキビ畑から空気中の窒素を固定する能力があるグルコンアセトバクター・ジアゾトロフィクスが発見 -
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イノベーションとは、発明ではない。
発明を人々が安価に使えるようになるまでの
一連のプロセスであり、1人の天才が
実現するものではない。
イノベーションは、
偶然により起きる
組み合わせで起きる
人々の間のアイデア交換で起こる、
従って、人々が出会う場が多い都市で起きる
組み合わせを試す、失敗への許容が有る
ところで起きる
逆に、
既得権を守る組織、
多くの規制がある国
人の集積を妨げる要因がある地域
(高い土地代など)
では、イノベーションが起きない
ただし、本としては、冗長すぎる
第8章の半分くらいが趣旨なので
13分の1の半分、1/26はいらないのでは、と
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イノベーションとはどういったことか知りたい人におすすめ。
【概要】
●各分野のイノベーション
エネルギー、公衆衛生、輸送、食料、ローテク、通信とコンピュータ、先史時代
●イノベーションの本質、経済学
●偽物のイノベーション
●イノベーションへの抵抗
【感想】
●歴史から見たイノベーションを各分野において説明している。雑学として読むのも面白いと思った。
●イノベーションを示す際にはいろいろな抵抗があるのも良く理解できた。過去の例を見れば枚挙にいとまがない。社会の発展にはイノベーションが必要であるため、イノベーションを阻害することがあってはならないと思った。
●改革に自由な発想は必要であり、 -
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生物に起こる進化は特殊進化理論であり、世界には一般進化理論とも呼ぶべき進化の法則がある。すべてのものごとは進化している。そして進化は計画されたもの(=創造説)ではなく、小さな変化の積み重ねによって達成される。上からの計画はたいてい失敗するよ。…というのがあらましです。
進化≒ボトムアップと創造≒トップダウンの対立が本書のテーマです。そしてだいたいの章では成功したボトムアップが失敗するトップダウンにとって代わられてしまって嘆かわしい。という結論になります。
ここで疑問なのはトップダウン式の機構が作り上げられるのも進化の結果なんじゃないの?というものです。他のボトムアップものとトップダウンのものが