岡田秀文のレビュー一覧
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トリックや雰囲気は非常に良かったが、全体的にはあまり満足できなかった。連続殺人事件であるから長くなるのは仕方ないのだがそれにしても長いというのが正直な感想。トリックに主眼を置くハウダニット物とするならば伊藤や山縣など政治色を絡めずとも作れた気がするし、明治を舞台とするならばやはりワイダニットに主眼を置き、時代の闇をとことん明らかにするような話であっても良かったと思う。
また、連続殺人物ではよくある設定であるが探偵が仕事をしてなさすぎる。全て殺人は実行されているし、最後探偵語りしているが警察の方が先に辿り着いているという落ち。助手もあまり役に立たず、前作を読んでいないので彼である必要性も感じら -
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本能寺の変から三十年余り。とある山寺に六人の男女が集まり、彼らが見た本能寺の変を語り合う。
その当時同朋(茶坊主)として信長に仕えていた男は、本能寺の変後、ある酷い形で信長は生きていたのではないかとの疑いを抱えていた。
その当時穴山信君(梅雪)の家臣だった男は、本能寺の変後に共に逃げることになった徳川家康のしたたかな面を知った。
その当時酒屋の手代だった男は、信長の死を知るや逃げ出す家臣が続出する中で最後まで信長に殉じ闘う者がいたことを知った。
その当時京都所司代・村井貞勝の配下だった男は、信長にある幻影を重ねて見つめる狂気の男の所業を見た。
本能寺の変直前まで信長の側室に仕える局付きの女中 -
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タイトル通り、城を舞台にした事件の話五編。
「幻術の一夜城」黒田研二(墨俣城)
秀吉が一夜で築いたとされる墨俣城の謎を解く家康。さらに彼はそこに一瞬で天守を造りだすと言う。
秀吉の一夜城の謎は何となく聞いたことのある内容だったが、家康の幻術はさて? ここまで上手く行くのか疑問ではあるが、天下を取る者はこういうことも味方に付けるということか。
「小谷の火影」岡田秀文(小谷城)
信長が今にも攻めて来ようとする浅井長政の小谷城で、牢に閉じ込めた筈の曲者が脱出し、そこから連想して事件が起こる。
こんなお市の方は見たくない! というお市の方ファンの悲鳴が聞こえそう。お市の方は悲劇の女性かはたまた… -
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ネタバレ1943年初頭、陸軍参謀本部は戦局転換を目的と したアメリカ経済打撃策「米ドル紙幣の偽造計 画」を開始。だが、実行を目前に第二次世界大戦 は終わり、偽ドルの原版と印刷機は陸軍特殊部隊 によって破壊・隠蔽されたはずだった──。 1947年夏、東京で起こった殺人事件の現場で旧 陸軍が製造したと思われる偽造ドル紙幣が発見さ れた。消滅したはずの計画が露見することを恐れ た日本政府は、印刷機回収のため秘密裏に捜索を 始める。手がかりは当時、印刷機破壊を命じられ たまま行方不明となった6人の将校。しかし、そ こにはGHQによって巧妙に仕組まれた偽装の罠が 待っていた!!