岡田秀文のレビュー一覧

  • 大坂の陣

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    著者は私の好きな歴史小説作家の一人で、この作品も面白く読ませてもらった。これまでの作品でも『賤ヶ岳』や『関ヶ原』が良かったが、これらと同様、登場する人物を緻密に群像劇的に描き、合戦描写もドキュメンタリータッチに仕上げられており、非常に読み応えがあった。私が好むこの著者の筆致を十分に発揮してくれた作品と思う。

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    2022年10月04日
  • 大坂の陣

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    題名が示すとおり、<大坂の陣>を巡る物語である。
    <大坂の陣>とは、「反江戸幕府」の旗頭になる可能性が在る豊臣秀頼を排しようということになり、大坂を舞台に展開した戦いで、「冬の陣」と「夏の陣」とが在る。「冬の陣」の停戦後、少し経ってから「夏の陣」の戦端が開かれ、豊臣家の本拠地であった大坂城は焼け落ちてしまう訳だ。
    本作は「豊臣秀頼を排しよう」と徳川家康が思うようになったという辺りから、何年間かの江戸幕府での動きも入って、やがて「鐘銘の問題」で<大坂の陣>に突入し、展開する戦いや様々な出来事の末に大坂城が焼け落ちてしまうまで、加えて徳川家康の人生の終焉までが淡々と描かれている。なかなかにボリュー

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    2022年07月01日
  • 応仁秘譚抄

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    応仁の乱
    ぐだぐだで、きっかけも展開も、終点も
    消化不良になるけど、日ノ本を混乱に導いた大乱
    3つの視点で重層的にみせられた真実と
    義政によるどんでん返し・・・いい

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    2017年01月29日
  • 秀頼、西へ

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    ネタバレ

    推理小説を読んでいる様な面白さ!さすが岡田秀文さんです。

    『秀頼、西へ』は改題で元タイトルは『落ちた花は西へ奔れ』。
    タイトルに秀頼の名前が入ってますが、主人公は真田大助。でも秀頼好きのひとにも
    充分楽しめる内容かと!

    この小説はあんまりネタばれというか、ストーリを書きたくない感じです。
    なんという感想放棄!
    真田親子(信繁大助)や秀頼、大野治長や淀君好きな方にどきどきはらはらしながら読み進めていただきたい感じ!

    秀頼がもー・・・深窓の佳人(本来は女性に使う言葉ですが、この言葉がしっくりくるなあと思ったので使わせてください!すみません!)という言葉がぴったりで・・・人のよさそうな子でね・

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    2012年02月06日
  • 太閤暗殺

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    関白の座を巡って勃発した、秀吉側近 石田三成・前田玄以VS秀次側近 木村重茲・盗賊頭 石川五右衛門の激しいバトルが最後まで止まりません。
    ハイスピードな展開かつ読みやすいので、一気読みしてもそんなに時間かからないかも。
    岡田氏お得意の「だれが敵で誰が味方かわからない」展開が最後まで面白い。
    あと、三成のお約束:してやったり顔の直後に「アーッ!」 がこの作品でも愉しめます。
    玄以が頑張ってるお話。
    秀吉好き・木村好きには堪らない一冊。

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    2010年06月10日
  • 秀頼、西へ

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    「花のようなる秀頼様を、鬼のようなる真田が連れて、退きも退いたり鹿児島へ」の唄がモチーフの話。 真田大助かわいい^^ かっこいい秀頼がいます。 しかしどういうことか・・・問題児はみんな鹿児島を目指すのか・・・

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    2010年01月27日
  • 関ヶ原

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    結果を知っていても、スリリングに読ませる作品で、良かった。ラストのあの展開に収斂していくさまはいいね。

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    2024年04月04日
  • 治験島

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    ネタバレ

    帯の紹介よりはのんびりした内容
    でも面白い。ただ帯の紹介文、内容をバラしすぎなんじゃないか?それも戦略なのか?
    あとカバーのイラストで雨が降っているが、そんなシーンあったかな・・・まあでも良い作品でした。

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    2024年02月03日
  • 治験島

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    治験って聞くと良からぬイメージが拭えない。でもやってみたいアルバイトの1つだったのは間違いない。快適な環境で何日間か薬を飲んで生活するだけで高額なバイト料がもらえるから。でも健康体な人しか採用されないと。実際経験したことのある人の話を聞いた時の記憶が蘇る。そんな私の治験イメージでこの物語を読む。治験という特別な環境下で、脅迫文が届く。そして男性医師の転落死。更には島内で発見された女性の白骨死体。被験者に起こる痙攣等…不穏なことが次から次へと起こる。ラストは意外な結末。まぁ全体的に毒にも薬にもならない程度の物語に思えた。

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    2023年12月18日
  • 治験島

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    ネタバレ

    完全にタイトルで購入。

    推理していく人が邪険にされる感じが、何故か伊良部と重なった笑
    過去の部分もふくめて、ちょこちょこ入る恋愛部分は要らないと思う。
    でも面白かった。

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    2023年07月01日
  • 黒龍荘の惨劇

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    ネタバレ

    平均以上ではあるが、手放しに賞賛する気にはならない。

    首なし死体が出てくれば、読者は必然的に身元誤認かと身構えてしまう。
    そして結局トリックはその通り身元誤認が行われており、それが家族規模で行われていたというだけ。

    十六の列挙された謎は矛盾なく見事に解かれている点は素晴らしいが、トリックが少し弱く、手がかりも少ない。

    物語としても中盤は少し中弛みしており、単調になっている印象。しかも探偵役の月輪は本当に何もしておらず、警察だけの方が良かったのでは?とすら思えてしまう。

    トリックの完成度としては高いと思うが、もう一捻りほしいところ。悪い作品ではないが、やや物足りない。


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    2021年09月11日
  • 戦時大捜査網

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    1944年、戦時中の東京が舞台。丸刈りに男装をした女性の死体が倉庫の片隅から発見される。死体は腹を切り裂かれており猟奇犯かと思いきや、その一か月後、次は男性が同じ殺され方で発見される。米軍による度々の空襲に翻弄される帝都で、警視庁特別捜査隊は懸命に捜査を続けるがーー

    次々に展開していく事件様相を、現場の下っ端刑事ではなく本部で報告を待つ特捜隊隊長を主役に据えることでテンポ良く話を進めていく事ができていて、結果、物語がダレずスイスイ読み進められるのが良い采配です。
    あの時代ならではの設定と物語、「3月のあの日」に何が起こっているか読者である我々は知っているが故の、「その日付」が物語の中で近づい

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    2021年01月31日
  • 戦時大捜査網

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    戦時下の警察小説。
    『帝都大捜査網』の続編だが、特別捜査隊の面々はすっかり代替わりしているから前作とは関係なかった。
    1944年、戦争のため5名に削減された警視庁特別捜査隊が、猟奇殺人の真相に迫る。
    東京大空襲で何万人もの死者が出る中で、主人公たちのほか特高や軍部などそれぞれの立場や思想が違うものの、捜査陣が真摯に捜査に邁進するところがすごい。事件の真相はこの時代ならではだし、空襲や悪天候の中で捜査が困難をきわめるところが読みごたえがあった。

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    2020年08月28日
  • 黒龍荘の惨劇

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    ちょっと最後まで謎解きのヒントは少な目で謎は解けなかった。ある意味、占星術殺人事件を彷彿させるトリックだった。探偵ちょっと物足りない感じはするかな。でも、「月輪」ぅて名前きにいっちゃった。

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    2020年03月14日
  • 関ヶ原

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    著者の筆致は比較的好きな方で、過去に読んだ賤ヶ岳も良かったことを覚えている。本作を読む前は、大会戦の中で比較的マイナーな賤ヶ岳がよく描けたという印象であったのに対し、メジャーで、過去に大家の作品が多数ある関ヶ原をどう描き切るかというところに興味があったが、結論としては、寧々を切り口に独自の関ヶ原を描けていた作品と思う。フィジカルな闘いというよりは、メンタルな駆け引きが主要な部分を占める本会戦を、今まであったようで、無かった構成で面白く読めたというのが、率直な感想である。

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    2019年01月01日
  • 黒龍荘の惨劇

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    自分はかなり面白いと思ったが評価が分かれる作品だと思う。ストーリーの展開から犯人を捜すセオリーからは少し外れている所が評価の分かれ目だろう。
    最後にそう持ってきたかと手放しで感心するか、それは無いと思うかの差だと思う。
    ただ警察がどのようにして犯人にたどり着いたのかが触れられていないのが不可解だ。

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    2018年02月16日
  • 帝都大捜査網

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    ‪昭和の東京が舞台のミステリー。謎の連続殺人事件が起きて警察が捜査するわけだが割と序盤で事件の全貌は明らかに。トリッキーな形の倒叙が面白い。だが、そうなると物語はどこに向かうのか?計画外の方向に進む連続殺人と少しずつ真相に迫る警察、からのラスト1行!もう一度読み返したくなるはず。‬

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    2017年09月13日
  • 偽造同盟

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    戦後直後、GHQ支配下の日本で、偽ドル紙幣印刷機を巡り、日米露の騙し合いが勃発する。

    最近、この時代の陰謀モノが流行ってるのかな??この手の作品に出会う機会が増えた気がする。まぁ、中野学校出身の元陸軍スパイとか、陰謀モノ好きな私には堪らないワード満載で好みなんですけど。
    この時代ならではか、資本主義と共産主義、日本政府とGHQなど、組織背景が複雑に入り乱れていて、誰がどこでどう繋がっていくのか、最後まで気が抜けない。にしても、ちょっと複雑にし過ぎな気もしないではないが、最後のどんでん返しは痛快で面白かった。文中で語られる通り、またこの四人での活躍を読んでみたいな。

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    2015年10月31日
  • 本能寺六夜物語

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    現在までも数多くの人に書かれた「本能寺の変」の謎。
    なかなか変わった視点から描き、6人の人間の関わり方から語られる明智光秀の謀反の真相。面白い。

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    2014年03月24日
  • 本能寺六夜物語

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    映画「羅生門」的な、複数の視点から同じ出来事を全く違う風に回想する作風が面白い。特に第1話の顛末には、はっとさせられた。が、第6話はあまりにもあっけない気がした。いずれにしても、えーーーー!ってカンジの本能寺。「太閤暗殺」と同じ作者だけあって、ライトな読み口だが定説にない発想が斬新だ。

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    2013年10月10日