北國浩二のレビュー一覧

  • 嘘

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    ネタバレ

    息子を水難事故で亡くし、離婚。実父が認知症を患い仕方なく実家に戻る。友人と飲み、その友人が代行運転を頼まず飲酒運転をし事故。その罪を被る。ひき逃げは許せないが、事故にあった子を引き取り自分の子として育てる、一緒に父の介護をする、など主人公の千紗子の変化が予想以上だった。最初は亡くした子、純の代わりとして接していたが愛情が深まり実の親子と言うより同志のような絆で結ばれ、引き取った子、拓未が賢く思いやりのある子なのも含め、幸せな時間を過ごせ良かった。千紗子が自首したことにより拓未の人生も振り回されるが、結果オーライになるのは出来過ぎ。でもラスト1行で救われた。いつまでも、飲酒運転が引っかかるが、そ

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    2025年08月27日
  • 嘘(PHP文芸文庫)

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    いい話だった。皮肉でなく、純粋にそう思えた。
    エンターテインメント小説は嘘の中に本当が、あるいは本当の中に嘘が混ざっていると考えている。
    ある出会いに端を発する擬似家族の物語だが、サスペンスとしても構成が巧みだ。認知症の父親が次第に我を失っていき、それに付き添う主人公の姿からは苦悩が伝わってくる。
    ここに少年を加えて人が、家族になっていく様には平穏さの中に不穏さが見え隠れする。偽りの幸せが崩れるのは一瞬だ。そうした設定が頁をめくる手を止めさせない。

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    2025年08月02日
  • 嘘(PHP文芸文庫)

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    ネタバレ

    みんなそれぞれの意図を持ちながら嘘をつく。人を傷つける嘘もあるし人のための優しい嘘もある。

    子供を失ったショックから離婚をした千紗子。長年絶縁状態だった父親の介護のために田舎に行くことに。そこで出会う少年との出会いから物語が始まって行く。

    いろいろなところでつかれる嘘。娘のためや子供のため、自分のためと本当に様々。だけど、それが暖かい物語に繋がってもいく。最後の大きな嘘がバレた時に破局の展開になるのかとも思ったが、最悪の展開にはならずに良かった。

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    2025年05月18日
  • 嘘(PHP文芸文庫)

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    絶縁した父が認知症になり施設に入れるために帰郷した女性が、昔の事を覚えていないという虐待が疑われる子に「自分の子」と嘘をつくお話

    以下、公式のあらすじ
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    あの夏、私たちは「家族」だった――。 息子を事故で亡くした絵本作家の千紗子。長年、父・孝蔵とは絶縁状態にあったが、認知症を発症したため、田舎に戻って介護をすることに。父との葛藤と息子の死に対する自責の念にとらわれる千紗子は、事故によって記憶を失った少年の身体に虐待の跡を見つけ、自分の子供として育てることを決意する。「嘘」から始まった暮らしではあるものの、少年と千紗子、孝蔵の三人は、幸せなひととき

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    2025年05月07日
  • 嘘(PHP文芸文庫)

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    子どもとして親として、どちらの目線からも共感する思いがありました
    両親に対する思いも考えるものがありました

    日が経って思ったこと
    やはり介護は綺麗事ではない
    認知症について亀田先生が説明してる描写で思いましたが、ほんとに複雑な病気で施設や病院に入れることを含めてひとりで抱え込んではいけない、と身に染みて思いました

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    2025年04月01日
  • 嘘(PHP文芸文庫)

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    NSFMさんのレビューで知った本です。
    NSFMさんありがとうございます。


    文庫うらすじより引用
    あの夏、私たちは「家族」だったー。
    息子を事故で亡くした絵本作家の千紗子。長年絶縁状態にあった父・孝蔵が認知症を発症したため、田舎に戻って介護をすることに。そんな中、事故によって記憶を失った少年との出会いが、すべてを変えていく。「嘘」から始まった暮らしではあるものの、少年と千紗子、孝蔵の三人は歪ながらも幸せな時を過ごす。しかし、破局の足音が近づいてきて…。
    ミステリ作家が描く、感動の家族小説。

    以上引用。


    初読みの作家さんですが、作者は推理作家・SF作家だそうです。この作品は家族小説でし

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    2025年02月08日
  • 嘘(PHP文芸文庫)

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    映画を見に行きたかったのに逃してしまい原作をと手にした。
    のめり込んだ…ページを捲る手が止まなかった。
    「嘘」から始まり「嘘」の積み重ねで出来上がった家族。
    でもお互いに通い合う、寄り添い合う「心」には嘘がなかった。
    真実が明かされて幸せになる人は誰もいない…ならばこのまま何事もなく家族の温かな時間が流れていけばいいと思ってしまった。と同時にどんな形で真実が暴かれてしまうのだろうと千紗子と共にドキドキ、ヒヤヒヤ…罪悪感を共有したようにいつか来るであろう現実に怯えながらページをめくっていた。
    「嘘」ってなんだろ
    こんなにも「嘘」に救われている人々がいる。
    ついた「嘘」を共に守ろうとしてくれる他人

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    2024年12月29日
  • 嘘(PHP文芸文庫)

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    映画化されているということで読んでみました!!
    いじめ、虐待、認知症というキーワードがあって重たい系かと思ったら家族愛が溢れる暖かいシーンもあって、ページをめくる手が止まらず涙なしでは読めませんでした。
    特に、ラストの1行はやばかったです、、

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    2024年12月26日
  • 嘘(PHP文芸文庫)

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    北國浩二さん著「嘘」
    観ていないが本年6月に「かくしごと」というタイトルで映画化されたとの事。
    書店で帯に惹かれ購読する事に。

    感想を先に書いてしまえばとても感動的な物語だった。読みようによっては道徳的な物語にも感じられる。
    作品は角田光代さんの「八日目の蝉」を彷彿させる様な作品で特殊で愛情深い親子愛が描かれている。

    作者は男性だが女性作家さん顔負けの作風で本当に女性作家さんが書いているのでは?と疑うほど母性愛の表現力が素晴らしい。気付けば主人公千沙子にかなり肩入れしながら、ドップリと感情移入させられながら読まされていた。

    タイトルにもなっている「嘘」。
    結構最初の段階から少年の記憶喪失

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    2024年11月07日
  • 嘘(PHP文芸文庫)

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    皆が相手の事を思って色々嘘をついていて…最後の1行にまた涙しました。途中の虐待シーンは辛かったし、子どもに罰ゲームして笑える様な大人を心底軽蔑します。この両親はまだ自分がしている事が罰ゲームだと分かっているからマシな方なのかもしれませんが…
    家族を大切に出来る素敵なお話しでした。

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    2024年08月22日
  • 嘘(PHP文芸文庫)

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    作者は最後のページの最後の一行を書きたくてこの本を書いたのではないでしょうか?
    最初の発行本で読んだので映画化が決まっていたことは知りませんでしたが、映画化したら面白そう…と思って読んでいた。
    人間の弱さ、強さ、したたかさと共に、認知症の人の考え、彼らへの接し方も物語の中の医師を通して語られており興味深く読みました。
    優しい人たちに出会えた少年の未来に期待したいです。そして二度と過去に煩わされませんように!

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    2024年08月17日
  • 嘘

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    結末が予想できて読み進めたけど、面白かった。お父さんの嘘には感情が揺さぶられた。登場人物達の小さな嘘が積み重なって取り返しのつかない事件になったけど、最後はハッピーエンドだった。

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    2024年07月30日
  • 嘘

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    人の優しさに触れる良いお話。最後は涙が自然と流れ、タクミと千紗子の親子関係が続くことにホッとした。映画も楽しみ。

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    2024年03月06日
  • ペルソナの鎖

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    冒頭、あまりの残酷さに、私にはこれは読めない。と読むのを止めて、その辺に放置しておいた。
    手元に読む本がなくなって、どうしようかなぁと冒頭の残酷な所を飛ばして読み始めたら…すごい面白い。

    残酷な描写もそこここにあったけど、氷室や柚木、田神の動きは、八方塞がりのような緊張感が生々しくて一気に読んでしまった。犯人も怪しい人が何人も出てきて、真相も何段階も下されてきて、最後まで気が抜けなかった。
    氷室の家族は再生できるだろうか。

    こんな感じの事件が韓国でもあったけど、きっと日本でもないとは言えないだろうな。
    怖い怖い。

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    2023年02月12日
  • 嘘

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    感動した。
    結末は予想通りやったが心温まる本。
    おばあちゃんがアルツハイマーやから、孝蔵と重なる部分があった。

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    2018年09月30日
  • 嘘

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    初めての作家さん。前に読んでいた本の後ろに紹介されていて読みたいと思った。
    老人介護に児童虐待とwで問題を盛りすぎかなとも思ったけど、読んでいて気にならなかった。主人公の女性が犯してしまう罪は必ず暴かれるだろうとはらはらしたが、最後にあんな事件を仕込んでくるとは!拓未の嘘は法廷でばらして欲しかった。そうすれば減刑されたのでは?涙腺緩みました。

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    2017年09月24日
  • 猫のいる喫茶店の名言探偵

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    単純明快。おもしろかった。
    弁護士と裁判官のその世界でしかわからないようなつながりがなんとなく伝わってきて、裏情報みたいでほほえましかった。

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    2017年01月17日
  • リバース

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    ネタバレ

    主人公は、非現実的な情報を元に、犯人を追っているため、周りから見るとちょっと異常に見える。ある程度の逆転劇は予想できたが、この結末は予想外。最後には犯人に対する印象がガラリと変わります。決して許されることではないが、愛する人への極限の行動。面白かった。

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    2013年02月08日
  • 嘘

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    常識的に考えると、設定に無理があるかもと思える部分もあったが、それが気にならないくらい良かった。良かったというか、人の想いに、いろいろとこみ上げるものがあった。
    メインの登場人物達に幸せになってもらいたい。

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    2012年02月06日
  • 嘘

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    同じ出版社の本の巻末広告で知ったので読んでみたのですが、大当たりでした。様々な「親子愛」のお話です。広告では「2度読み必至」とあったのでやや構えて読んだんですけど、その必要はありません。でも、オススメの1冊です。

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    2011年12月01日