あらすじ
プロをめざしているバンドマン・柏原省吾はある日、恋人の上野美月から別れ話を切り出された。省吾の幼馴染である桂木妙子の交際相手のエリート医師・篠塚と付き合うというのだ。その直後、省吾は不思議な能力があるといわれている少女・野原すみれとともに、篠塚が美月を殺しかけている光景を幻視する。嫉妬ゆえの妄想か、それとも……。 省吾は美月を守り、彼女との幸せを取り戻せそうとするのだが――読後感さわやかな、二転三転の長篇ミステリ。「2010本格ミステリ・ベスト10」ランクイン作品!
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Posted by ブクログ
主人公は、非現実的な情報を元に、犯人を追っているため、周りから見るとちょっと異常に見える。ある程度の逆転劇は予想できたが、この結末は予想外。最後には犯人に対する印象がガラリと変わります。決して許されることではないが、愛する人への極限の行動。面白かった。
Posted by ブクログ
マジでやられたミステリ リスト作品
主人公の思考と行動がどうにもついていけない
読み終わってみれば登場人物全員ヤバいやつシリーズ
ミステリーとしては、個人的満足度は及第点
ミスリードも楽しいね(特にライブハウスの近所の会社員がおもむろに取り出す釣り糸)
未来志向の結末はまとまってるとはいえ首を捻るね
なんせ主人公がイカれてるから無理がある
タイトルは良かった
reverseじゃなくてre-birth
Posted by ブクログ
随分前に買ってあった積ん読を一冊読み終わりました。
やっぱり暇な時は読書に限りますね。
初めて読む作家さんでしたが、
なかなか読みやすい筆致で、サクっと読めました。
主人公がバンドマンで、未来予知ができてしまうライブハウスの店員と
元彼女の死の際の映像を見てしまうところから始まる
変速型のミステリーです。
超常的な素材を扱っているものの、
それが超常的であることが重要なファクターになっておらず、
あくまでそこで見たヴィジョンを元に
予知された未来を変えようと奔走する、
という点では、SFが好きで無い人でも普通に読めそうな作品でした。
仮に予知された未来というファクターを
別の何かに置き換えても成立するストーリーだったと言えます。
まぁ、人が殺される未来の映像が断片的に見える、
なんてのは置き換えようがないですけど。
途中までミスリード役が居てかき回しまくってくれるので、
犯人の本当の狙いがぼかされるのが
上手いなぁと思わされました。
途中からは犯人役の狙いもわかってしまい、
それが故の行動か、という推測が簡単にできてしまったのは
多少丁寧に伏線を描きすぎのような気もしますが、
ちゃんと腑に落ちる理性的な結末に向かうのは
終わり方としては潔い感じで良かったです。
この作者の他の作品も読んでみたいなーと
思わされる力はある作品でした。