北國浩二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前半は情景の描写が細かくて読みにくかったけど、中盤から後半にかけてどんどん物語に引き込まれていった。
認知症がどんどん進行していく父の様子がリアルで、それと向き合わなければいけない家族の苦悩や残酷さを痛感した。でも父は心の奥底では娘と一緒に過ごせてる時間を大切に思ってるんだろうな。
父ってこんなにも不器用なものなのかなと。
洋一が拓未として人生をやり直す、強い意志に涙が溢れた。虐待やいじめのシーンは心が痛かったけど、立ち向かう拓未の姿がかっこよかった。
それは千紗子が覚悟と愛情をもって育てたから。
親が子どもに愛を与えることの大切さを改めて痛感した。
老いや虐待などの社会的なトピックから -
Posted by ブクログ
アマプラの〝おすすめ〟で上がってきた映画「かくしごと」
何となくスタートしたけれど、主役の千紗子(杏)が必要以上にがなる(喚き立てる)ので、開始10分で断念。
読書に切り替えて、積読の1冊を手に読み始めてデジャヴにビビる。
久しぶりの帰省。険悪な親子関係。必要以上に父親につっけんどうな娘。
どゆこと?
今しがた映像で見た光景が文字描写されてる???
まさかの「かくしごと」原作「嘘」を知らずにいたこともさながら、15冊程ある積読の中からこのタイミングで…ミラクルすぎる。
こんなこともあるのね。
ちなみに最近の本書の装丁は思いっきり「映画化!かかしごと」バージョンになってる笑
前置き長くなりま -
Posted by ブクログ
ネタバレ虐待、いじめ、認知症などの重たい場面は少し読むのが辛くなりました。とくに認知症は自分の父親のことをイメージしてしまってきつかった。
この小説で1番強く感じたのは、世の中の虐待されて心に傷を負って育った子どもを救わなくてはいけないということ。
千紗子の選択が正しいわけではないけど、優しくて強い行動だと思った。
孝藏が千紗子のことを娘だと認識していたことには胸が震えた。忘れることを繰り返しながらも、千紗子と少年の3人で過ごす日々の積み重なりが与えた何かが孝藏の中に残って、最後に穏やかな時間を過ごせたことにじんわりと感動が広がった。
一つだけどうしても気になるのは、少年の記憶喪失が嘘ならなぜ裁判 -
Posted by ブクログ
ネタバレラストがどうなるのか気になってどんどん読み進めてた。
始まりが始まりだっただけに、よくある「本人も周りにも認められるような幸せな結末」にはならないと思っていたけど、これもひとつの終わり方だと思った。
個人的には、少年の嘘が一番印象的。途中でもしかしたらそうかも、と思うけど、「記憶喪失で過去の記憶を忘れた人格で過ごしていく」じゃなくて「過去の記憶を持ちながら、これからも生きていく」という感じがして希望に思えた。
登場人物のそれぞれの嘘が、自分のためだけど、でも相手に影響を与えるようになっていって。どう表現したらいいかわからないけれど、嘘は決して本当にはならないけれど、本当にしたいくらい自分や誰 -
Posted by ブクログ
愛する人のためについた嘘の話。
認知症の介護、私の93才祖母も認知症の傾向があり73才母親が介護をしています。文中にあった通り、本人は忘れるって認識なく悪気がないから、相手している方はしてはいけないの分かっていてもイライラ当たってしまう。私は離れて暮らしているから、その苦労は全然知らず、久しぶりに会った時に可愛そうやそんなに責めないでも、なんて無責任な優しさ言ってしまうけど、介護している本人は分かってもらえないもどかしさ、先の見えない不安に押しつぶされそうになるんだろうなぁ、、、って読んで母親のこと思った。
ついて良い嘘と悪い嘘があると思います。愛する人のために嘘を貫き、本当にすること、、