あらすじ
あの夏、私たちは「家族」だった――。息子を事故で亡くした絵本作家の千紗子。長年、父・孝蔵とは絶縁状態にあったが、認知症を発症したため、田舎に戻って介護をすることに。父との葛藤と息子の死に対する自責の念にとらわれる千紗子は、事故によって記憶を失った少年の身体に虐待の跡を見つけ、自分の子供として育てることを決意する。「嘘」から始まった暮らしではあるものの、少年と千紗子、孝蔵の三人は、幸せなひとときを過ごす。しかし、徐々に破局の足音が近づいてきて……。切なさが弾ける衝撃の結末――気鋭のミステリ作家が描く、感動の家族小説。
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Posted by ブクログ
いい話だった。皮肉でなく、純粋にそう思えた。
エンターテインメント小説は嘘の中に本当が、あるいは本当の中に嘘が混ざっていると考えている。
ある出会いに端を発する擬似家族の物語だが、サスペンスとしても構成が巧みだ。認知症の父親が次第に我を失っていき、それに付き添う主人公の姿からは苦悩が伝わってくる。
ここに少年を加えて人が、家族になっていく様には平穏さの中に不穏さが見え隠れする。偽りの幸せが崩れるのは一瞬だ。そうした設定が頁をめくる手を止めさせない。
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みんなそれぞれの意図を持ちながら嘘をつく。人を傷つける嘘もあるし人のための優しい嘘もある。
子供を失ったショックから離婚をした千紗子。長年絶縁状態だった父親の介護のために田舎に行くことに。そこで出会う少年との出会いから物語が始まって行く。
いろいろなところでつかれる嘘。娘のためや子供のため、自分のためと本当に様々。だけど、それが暖かい物語に繋がってもいく。最後の大きな嘘がバレた時に破局の展開になるのかとも思ったが、最悪の展開にはならずに良かった。
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絶縁した父が認知症になり施設に入れるために帰郷した女性が、昔の事を覚えていないという虐待が疑われる子に「自分の子」と嘘をつくお話
以下、公式のあらすじ
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あの夏、私たちは「家族」だった――。 息子を事故で亡くした絵本作家の千紗子。長年、父・孝蔵とは絶縁状態にあったが、認知症を発症したため、田舎に戻って介護をすることに。父との葛藤と息子の死に対する自責の念にとらわれる千紗子は、事故によって記憶を失った少年の身体に虐待の跡を見つけ、自分の子供として育てることを決意する。「嘘」から始まった暮らしではあるものの、少年と千紗子、孝蔵の三人は、幸せなひとときを過ごす。しかし、徐々に破局の足音が近づいてきて……。 切なさが弾ける衝撃の結末――気鋭のミステリ作家が描く、感動の家族小説。
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主な登場人物
千紗子:旧友からの連絡を受け、認知症になった父を施設に入れるために帰郷した絵本作家
孝蔵:認知症を患い、現在は仏像彫刻にいそしむ千紗子の父
拓未:虐待の末に川に流され、事故の縁で千紗子に救われ、前の事を覚えていないという少年
亀田:孝蔵の幼馴染の医師
久江:千紗子の幼馴染で市役所の福祉課職員のシングルマザー
序盤から、絶対に良い結末にはならないだろうな、と邪推してしまう
事故の隠蔽もそうだし、虐待の疑いのある子を診察させない事もそうだし
何より、子供が覚えていない事をこれ幸いと「私の子なの」と嘘を吐くあたり
嘘を一つ吐くと、様々な齟齬の辻褄を合わせるために重ねて嘘を吐き続ける事になる
でもそれは、一般的には悪いイメージがされるけれども、この物語では大切な人を、絆を守るための優しさに溢れた嘘になっている
嘘を真実にするための努力かぁ……
ただまぁ、だからこそ却って辛い展開になるのはそうなんだけど
千紗子の吐いた「嘘」が少年を救い、少年をきっかけに認知症の父を許す事になり、そして千紗子自身の過去を慰める
この小説を原作にした映画「かくしごと」を先に視聴
序盤からその可能性は考えていたので、ラストの展開に意外性はなかった
でも感動するよなぁ
そして原作の小説はラストがちょっと違うというのを目にして読んだわけだけれども
見ている人、読んでいる人への意外性という意味では「嘘」や「かくしごと」というタイトルの本当の意味が判明するという同じエッセンスの仕掛けになっている
ただ、映画のラストの方が行動に納得感がある
どこまで先を予想していたかによるけど、あそこで虐待の事実とすべてを話していれば情状酌量の余地はあったわけで
保身のために黙秘する事で千紗子の罪が重くなっている
まぁ、子供にそこまで考えろというのは酷か……
あと、千紗子にしてもそっちの方がある意味で救われているのだろうなぁ
小説の方は、角田光代さんの「八日目の蝉」のさらに良い終わり方にしたように感じた
あっちは赤ちゃんの頃に攫われて、最初から母だと思っていたし、虐待云々の過去はないんだけどね
小説と映画の違いで言うと、父の日記の存在の有無やお祭りや近所の人との僅かな交流の有無くらいか
物語の本質としてそんなに違いはない
物語の本質とは関係ないけど
認知症老人の心理的な側面を想像できたのはよかった
まぁ、亀田医師の言った事が、どれだけ本当の医学に基づいたものかは判断できないんだけどね
それにしても最近、認知症の人が登場する小説をよく読んでるなぁ
Posted by ブクログ
子どもとして親として、どちらの目線からも共感する思いがありました
両親に対する思いも考えるものがありました
日が経って思ったこと
やはり介護は綺麗事ではない
認知症について亀田先生が説明してる描写で思いましたが、ほんとに複雑な病気で施設や病院に入れることを含めてひとりで抱え込んではいけない、と身に染みて思いました
Posted by ブクログ
NSFMさんのレビューで知った本です。
NSFMさんありがとうございます。
文庫うらすじより引用
あの夏、私たちは「家族」だったー。
息子を事故で亡くした絵本作家の千紗子。長年絶縁状態にあった父・孝蔵が認知症を発症したため、田舎に戻って介護をすることに。そんな中、事故によって記憶を失った少年との出会いが、すべてを変えていく。「嘘」から始まった暮らしではあるものの、少年と千紗子、孝蔵の三人は歪ながらも幸せな時を過ごす。しかし、破局の足音が近づいてきて…。
ミステリ作家が描く、感動の家族小説。
以上引用。
初読みの作家さんですが、作者は推理作家・SF作家だそうです。この作品は家族小説でした。
先日、中島京子さんの『長いお別れ』という認知症の小説を読んだばかりですが、今回はたまたま認知症の登場人物の出てくる小説にあたってしまったんです。
今回も認知症のお父さんの描写にはやはり読んでいてつらいものがありました。
三人が嘘から出たまことで家族になってゆく様子は温かく自然で、ラストシーンでは絶対にハッピーエンドにして!と祈るような気持ちで読みました。
あと、もしこれから読まれる方は、この小説は最後から読んでは絶対にダメです。
最後が一番の鍵です。
Posted by ブクログ
映画を見に行きたかったのに逃してしまい原作をと手にした。
のめり込んだ…ページを捲る手が止まなかった。
「嘘」から始まり「嘘」の積み重ねで出来上がった家族。
でもお互いに通い合う、寄り添い合う「心」には嘘がなかった。
真実が明かされて幸せになる人は誰もいない…ならばこのまま何事もなく家族の温かな時間が流れていけばいいと思ってしまった。と同時にどんな形で真実が暴かれてしまうのだろうと千紗子と共にドキドキ、ヒヤヒヤ…罪悪感を共有したようにいつか来るであろう現実に怯えながらページをめくっていた。
「嘘」ってなんだろ
こんなにも「嘘」に救われている人々がいる。
ついた「嘘」を共に守ろうとしてくれる他人もいる。
「嘘」とは知らず…そしてそれが「嘘」と知っても見離さなかった他人もいる。
全てを知って暖かく守ってくれる人達もいる。
きっと千紗子と拓未の愛が本物だとわかってくれていたから。それほど2人の愛が切実だったから。
読んでいる途中、きっと本当の嘘つきは千紗子ではないと思った。
そしておそらく…本当の嘘つきはもう1人いたと思っている…勝手に ^^;
Posted by ブクログ
映画化されているということで読んでみました!!
いじめ、虐待、認知症というキーワードがあって重たい系かと思ったら家族愛が溢れる暖かいシーンもあって、ページをめくる手が止まらず涙なしでは読めませんでした。
特に、ラストの1行はやばかったです、、
Posted by ブクログ
北國浩二さん著「嘘」
観ていないが本年6月に「かくしごと」というタイトルで映画化されたとの事。
書店で帯に惹かれ購読する事に。
感想を先に書いてしまえばとても感動的な物語だった。読みようによっては道徳的な物語にも感じられる。
作品は角田光代さんの「八日目の蝉」を彷彿させる様な作品で特殊で愛情深い親子愛が描かれている。
作者は男性だが女性作家さん顔負けの作風で本当に女性作家さんが書いているのでは?と疑うほど母性愛の表現力が素晴らしい。気付けば主人公千沙子にかなり肩入れしながら、ドップリと感情移入させられながら読まされていた。
タイトルにもなっている「嘘」。
結構最初の段階から少年の記憶喪失は少年がついている「嘘」なのだろうと気付いていたが、終盤にかけて「嘘」を本当の自分の姿へと変えていく展開には舌を巻いた。この展開は予想外で最高の展開だったのでは?と強く感じられる。
親子間のやり取りも見事で、千沙子が拓未に諭す道徳観溢れる教育は素晴らしいという一点に尽きた。優しさと愛情溢れる教育がとても素敵だった。本当の親子以上の愛が読み取れた。
前情報無しで手にした作品だったが、とんでもない名作だった。
素晴らしかった。
Posted by ブクログ
皆が相手の事を思って色々嘘をついていて…最後の1行にまた涙しました。途中の虐待シーンは辛かったし、子どもに罰ゲームして笑える様な大人を心底軽蔑します。この両親はまだ自分がしている事が罰ゲームだと分かっているからマシな方なのかもしれませんが…
家族を大切に出来る素敵なお話しでした。
Posted by ブクログ
作者は最後のページの最後の一行を書きたくてこの本を書いたのではないでしょうか?
最初の発行本で読んだので映画化が決まっていたことは知りませんでしたが、映画化したら面白そう…と思って読んでいた。
人間の弱さ、強さ、したたかさと共に、認知症の人の考え、彼らへの接し方も物語の中の医師を通して語られており興味深く読みました。
優しい人たちに出会えた少年の未来に期待したいです。そして二度と過去に煩わされませんように!
Posted by ブクログ
どう考えてもしんどい結末しか予想できなくて、切なさに耐えきれず一度は途中で読むのをやめた。半年後に知人に勧められてまた手にとった。今度は最後まで。はじまり方からして、完全なハッピーエンドとはいかないが、心配したほどひどい着地ではなく最後まで読みきれた。
認知症患者の症状や家族の苦悩が主人公と亀田医師の会話からよくわかり、ためになった。
Posted by ブクログ
飲酒運転のひき逃げダメでしょ!
犯罪に犯罪を重ねたら後から辛くなるよ!
その場しのぎの考えじゃ、長い人生つらいよ!
って思った。
(私も自分を守る嘘をついたことはあるけど)
どこか現実味がなかったけど
読みやすい文章で結末が知りたくてすいすい読めた。
最後の嘘が光のような救いのような気がした。
Posted by ブクログ
映画も良かったけど、映画を思い出しながら読む小説はまた違った面白さがあった。
嘘をつくことで始まった家族。
腐りきった本当の親と暮らすより
嘘の家族の方が子供が幸せなら良いじゃない。
法律は困っている人を助けるものであって欲しい。
Posted by ブクログ
アマプラの〝おすすめ〟で上がってきた映画「かくしごと」
何となくスタートしたけれど、主役の千紗子(杏)が必要以上にがなる(喚き立てる)ので、開始10分で断念。
読書に切り替えて、積読の1冊を手に読み始めてデジャヴにビビる。
久しぶりの帰省。険悪な親子関係。必要以上に父親につっけんどうな娘。
どゆこと?
今しがた映像で見た光景が文字描写されてる???
まさかの「かくしごと」原作「嘘」を知らずにいたこともさながら、15冊程ある積読の中からこのタイミングで…ミラクルすぎる。
こんなこともあるのね。
ちなみに最近の本書の装丁は思いっきり「映画化!かかしごと」バージョンになってる笑
前置き長くなりましたが、面白かったです。
子を持つ母としては苦しい1冊でもありましたが、真実だけが正しさではないと感じる日々の中で、千紗子の想い、久江の想い、間違ってると分かっていてもつい寄り添ってしまう。
親子の定義とはなんぞや。
親から虐待を受けている洋一はそこかしこにいて、親は人前ではいい親として振る舞っている。
例え限りなく怪しかったとして子どもは無力。
確信があったとしても、責任の取れない他人はやはり見て見ぬふりをする。
最大限のできることとして通報したとしても、子どもだからと発言も主張も親が否定すればそれで終わり。未熟な思考ゆえと流される。
そうやって殆どの場合、親であるということだけで許されているのが現実。
なかったことにされてしまう。それこそがままならない嘘でありかくしごとでしかない。
幼い我が子を失った千紗子の罪。久江の罪。
拓未の幸せとは。
それぞれの想いがお互いを慮ることから生まれる絆。
千紗子はいかにして再び母となったのか。
2人には明るく幸せな未来を開拓していってほしい。
と言う、大前提のストーリーの中にあって、認知症と言うことについて、かなり勉強できる1冊だなと思います。
物語はフィクションでも認知症はノンフィクション。
二つの題材を無理なく結びつけて読み応えのある1冊です。
それぞれが抱える〝嘘〟とは。
今年の6冊目
Posted by ブクログ
しっかり人間を捉えた作品でした。
認知症の問題や、育児放棄・虐待、シンママといった社会問題を盛り込みすぎて、少し違和感を覚えるような初期設定も、中盤を超えた辺りから気にならなくなります。
ラストは物語に登場する渓流のような急瀬に引き込まれてしまいました。
人の芯の強さって、こうやって耐えることのみで醸造されるんだなと感慨深く受け止めました。
反対に、主人公の「親友」の嘘があまりに利己的というか、言葉で誤魔化すように見えてそのモヤモヤを解消できませんでした。。きっと私の中にも同じように小賢しい部分があるからだと思います。
Posted by ブクログ
後半は涙を滲ませながら読ませていただきました。最後の1行にゾクっと、ウルッとさせられました。たまには感動する小説もいいですね。認知症の方との接し方勉強になります。
Posted by ブクログ
物語が動き出すきっかけが飲酒運転ってことで
「ちょっとなぁ」と思ってましたが…読み進めていくうちに「まぁありかな」と…
解説から読むべきではない!
最後から読むべきではない!
それだけは「嘘」ではありません。
Posted by ブクログ
失礼ながら、最初退屈してました。
事故から少し緊張感が増して、一気に読みました。
虐待、嘘、認知症、飲酒運転。
親子っていつも分かってもらえない。
Posted by ブクログ
虐待、いじめ、認知症などの重たい場面は少し読むのが辛くなりました。とくに認知症は自分の父親のことをイメージしてしまってきつかった。
この小説で1番強く感じたのは、世の中の虐待されて心に傷を負って育った子どもを救わなくてはいけないということ。
千紗子の選択が正しいわけではないけど、優しくて強い行動だと思った。
孝藏が千紗子のことを娘だと認識していたことには胸が震えた。忘れることを繰り返しながらも、千紗子と少年の3人で過ごす日々の積み重なりが与えた何かが孝藏の中に残って、最後に穏やかな時間を過ごせたことにじんわりと感動が広がった。
一つだけどうしても気になるのは、少年の記憶喪失が嘘ならなぜ裁判で両親からの虐待を主張しなかったのか。その嘘を突き通すと決めたのはわかるけど、実の母親ぎ嘘を主張してるんだから、実は虐待の日々が辛くて記憶喪失のふりをして千紗子との生活を選んだけどそれで救われたんです、って主張をできたはず。
それをしない納得できる少年の胸の内を書いて欲しかった。千紗子を守るために父親を殺す強さがあるなら裁判でも守って欲しかったし、母親がした仕打ちを世に知らしめてぎゃふんと言わせて欲しかった。小学生だとそこまで考えが及ばないものなのか?
終章がいかにも実はわかってましたという流れだったので、裁判で話さなかったのにそのオチはやめて、、、と願いながら読み、ラストの1行でがっかりしてしまった。
Posted by ブクログ
認知症の父と記憶をなくした少年と一緒に暮らしていくことを決めた主人公の千紗子。
少年に名前を付けて、作り話の思い出を聞かせて、この少年はどうなってしまうのだろうと読みながら心配でした。
後半は大きな展開があり一気に読みました。介護士として日々認知症の方と関わっていますが、認知症の父の描写もリアルでした。
杏さんの演じる千紗子を見てみたくなりました。
Posted by ブクログ
ラストがどうなるのか気になってどんどん読み進めてた。
始まりが始まりだっただけに、よくある「本人も周りにも認められるような幸せな結末」にはならないと思っていたけど、これもひとつの終わり方だと思った。
個人的には、少年の嘘が一番印象的。途中でもしかしたらそうかも、と思うけど、「記憶喪失で過去の記憶を忘れた人格で過ごしていく」じゃなくて「過去の記憶を持ちながら、これからも生きていく」という感じがして希望に思えた。
登場人物のそれぞれの嘘が、自分のためだけど、でも相手に影響を与えるようになっていって。どう表現したらいいかわからないけれど、嘘は決して本当にはならないけれど、本当にしたいくらい自分や誰かの支えになっていく。そうなったら、本人たちにとってはもう嘘でも本当でもどっちでもいいのかもしれないと思ったりした。信じたいものを信じていければ、その心があれば幸せとよべるのかもしれない。
Posted by ブクログ
いい結果をもたらす嘘は不幸をもたらす真実より良い。
児童虐待、認知症、介護、記憶喪失、罪
そんな重いテーマなんだけど全てなるようになるんだよね。
この嘘はどのような着地をするのかを考えたら読む手が止まらなかったし
幸せな着地であってほしいと心から願った。
でも途中、それはどうなのか?と思うところもあるのは事実。
でも結果、そうなるのならあの行いも全て正しかったと…なるのかな。
難しいけどね、
嘘はダメだけど、必要な嘘もある。
Posted by ブクログ
愛する人のためについた嘘の話。
認知症の介護、私の93才祖母も認知症の傾向があり73才母親が介護をしています。文中にあった通り、本人は忘れるって認識なく悪気がないから、相手している方はしてはいけないの分かっていてもイライラ当たってしまう。私は離れて暮らしているから、その苦労は全然知らず、久しぶりに会った時に可愛そうやそんなに責めないでも、なんて無責任な優しさ言ってしまうけど、介護している本人は分かってもらえないもどかしさ、先の見えない不安に押しつぶされそうになるんだろうなぁ、、、って読んで母親のこと思った。
ついて良い嘘と悪い嘘があると思います。愛する人のために嘘を貫き、本当にすること、、、今回に関しては結果前者かな。その後は何事もなかったように幸せに生きてほしい。
Posted by ブクログ
正しさとは、優しさとは、過ちとは
立場があるからこその偽りや、
自分をまもるための偽り
いいとか悪いとか二極ではなく
正しさも優しさも偽りも
人によって違ったり、タイミングによって違ったり
興味深い作品でした。
Posted by ブクログ
映画『かくしごと』の原作、映画は鑑賞済。 割と原作のまま撮られていたので、俳優陣の顔や声を思い出しながら読めたので良かった。ラストは違っていて、成長した拓未くんの姿がとても印象的。映画も原作もいい作品でした。
Posted by ブクログ
男性作家さんなのに、作風が女性っぽいなという感想を持った。
子どもを喪った母親にとって、子どもに対する異常な母性と執着は、本当にある。
自分が護らなければ、と躍起になる。
認知症を患った父親とのやり取りや関係性も、妙にリアルだった。
映画化されて当然、と思わせられる作品だった。
Posted by ブクログ
面白かった。
他の方の評価を見る前の個人的な感想。
拓未との関係が歪んで感じた。特に刑期中、どれほど拓未自身が望んだとしても、もっと親以外の世界とも交流せよ、と導くのが親の役割だとおもう。後半になればなるほど、イヤな気持ちで読んだ。
「略取も、殺人も、飲酒運転も、あくまで犯罪であること」
「主人公が、拓未に、第一子の面影を求め続けていること」
「自分に厳しかった父親を、見放そうとしたこと(そのような態度が母親を苦しめたと自覚しているにもかかわらず)」
「一方で、自分に従順な拓未を溺愛したこと」
この辺りで、感動の物語!と言うにはちょっと引いてしまった。例えば、『自分は介護から逃げた(極端な言い方をすると)が、きっと彼女の老後は拓未が世話をするだろうな』とか。描かれていないことだが、そういうグロテスクさを嗅ぎ取ってしまうのだ。
勧善懲悪とはゆかずとも、せめてもっと反省の色を見せて欲しかったというか。いや、そこは10年服役したのだから十分だろう、と読むべきか。
不安定さの中にも光は見出せる的なメッセージだったのだろうか?うーむ。
この本を肯定的に読むには、自分には読解力と、人生での昏い体験とがまだ足りないかもしれない。
※他の方の感想を幾つか拝見して追記
・肯定的な意見が多数で、やはり自分がややこしく考えすぎかもでした。
・「拓未に障害や暴力性があってもかわいがったのか疑問(概意)」と書いている方がいて、共感した。
・拓未の内面が描かれないために、“千紗子による洗脳”感が強かったのかもしれない。
元の家族との暮らしをどう感じていて、千紗子が抱える闇をどの程度理解しているか、そういう描写があれば、二人の関係性の不健康さも多少は薄まる(一層濃くなる可能性も、なくはない)。
作者としては「実は拓未は記憶がないフリをしていました」をオチにしたかったのだろうし、実際「最後の1行で驚いた、感動した」という感想も多いことを見ると、本文中では触れられなかったのか。
Posted by ブクログ
知人に勧められて手に取った1冊
読みやすかったし、あっという間に読んでしまった
そして泣けた
腹の立つ描写もいくつかあったけど、私はこの嘘ならついてもいいと思う。
いい結末だった
Posted by ブクログ
ラストの盛り上がりは胸打つものだったけど、児童虐待の話が絡むと自分には拒否反応がでるので、星3つ。
誰が一番の嘘つきだったか、最後の最後にわかった。でもそれは嘘ではなく、希望だったのだと思う。