北國浩二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
随分前に買ってあった積ん読を一冊読み終わりました。
やっぱり暇な時は読書に限りますね。
初めて読む作家さんでしたが、
なかなか読みやすい筆致で、サクっと読めました。
主人公がバンドマンで、未来予知ができてしまうライブハウスの店員と
元彼女の死の際の映像を見てしまうところから始まる
変速型のミステリーです。
超常的な素材を扱っているものの、
それが超常的であることが重要なファクターになっておらず、
あくまでそこで見たヴィジョンを元に
予知された未来を変えようと奔走する、
という点では、SFが好きで無い人でも普通に読めそうな作品でした。
仮に予知された未来というファクターを
別の何かに置き換 -
Posted by ブクログ
幼馴染で、現在は役所の福祉課で働いている野々村久江から、父親の認知症が進んでいると知った里谷千紗子は、林に囲まれた父の家に、世話をするために帰ってきた。しかし元々確執があった者を介護しなければならない苦痛もあり、少し羽を伸ばして久江と飲みに行った帰り道、久江は男の子を轢いてしまう。最初は罪を隠ぺいするために男の子を連れて帰った2人だったが、男の子の身体に残された痣や、両親の様子を見て男の子が虐待を受けていることを知った千紗子は、男の子の記憶がなくなっているのをいいことに、このまま自分の子供として育てていこうと決意する。
確かに千紗子が行ったことは犯罪だけど、このまま2人で問題なく暮らして -
Posted by ブクログ
警視庁捜査一課のエース・氷室はゴールデンタイムのドキュメンタリー番組で熱血刑事と紹介されたこともあるほど捜査員としての能力も高く、ルックスも良い刑事で、妻と息子と暮らしている。しかし氷室は車の中に子供用のワンピースを積んでいたことで職務質問をかけられ、警察署に連行された土谷という男から「氷室になら話すからここへ呼べ」と突然呼び出される。面識もなく、なぜ呼び出されたのかわからないまま上司に言われ取調室へ入ると、土谷は氷室以外を人払いをした後に自分自身の前歯を折り、血をまき叫んだ。はめられたとわかってから氷室は思い出す。土谷は中学時代の同級生であり、かつて自分がいじめていた相手なのだと。
ぐ -
Posted by ブクログ
ネタバレみんな嘘つきまくり。
孝蔵は娘に気付かぬふり
千紗子は拓未を子供にするための嘘
久子は飲酒運転事故隠蔽
犬養夫妻は虐待を隠す嘘
拓未は記憶喪失してるふり
拓未が嘘ついてるなーというのはなんとなくわかってしまったな。
久子の嘘はちょっと…
いくら千紗子との利害と一致しているとはいえ、ひどい、人間性疑う。
嘘に塗れたお話。
嘘を現実にしてしまうほど、千紗子と拓未はお互いが必要とし合っている。消したいくらい辛い過去の記憶を抱いた2人。なんの繋がりもない親子は幻想のまま、どこまで親子でいられるのかな。
一方認知症の記憶障害は悲しい。
もともと素直じゃない性格が故、娘を想う本心を伝えられないまま、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。
他の方の評価を見る前の個人的な感想。
拓未との関係が歪んで感じた。特に刑期中、どれほど拓未自身が望んだとしても、もっと親以外の世界とも交流せよ、と導くのが親の役割だとおもう。後半になればなるほど、イヤな気持ちで読んだ。
「略取も、殺人も、飲酒運転も、あくまで犯罪であること」
「主人公が、拓未に、第一子の面影を求め続けていること」
「自分に厳しかった父親を、見放そうとしたこと(そのような態度が母親を苦しめたと自覚しているにもかかわらず)」
「一方で、自分に従順な拓未を溺愛したこと」
この辺りで、感動の物語!と言うにはちょっと引いてしまった。例えば、『自分は介護から逃げた(極端な言