池田大作のレビュー一覧
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ネタバレ目次
・御書は「末法の経典」
・誓願に貫かれた大聖人の御生涯
・立宗宣言
・立正安国(上)
・立正安国(下)
・一生成仏
・異体同心
・師子王の心
シリーズ3巻のうちの第一巻。サブタイトルは「人間主義の宗教を語る」であり、本稿は2002年に、仏法の専門誌「大白蓮華」に掲載された創価学会・池田名誉会長、同・斎藤教学部長(当時)、同・森中副教学部長(当時)の対談である。
「御書」とは、宗祖日蓮大聖人の論文・御手紙等が編纂された書。
「立宗」とは、日蓮大聖人が初めて宗教を起こしたこと。
その日蓮大聖人が時の執権・北条時頼に上程した書に、「立正安国論」がある。
「立正安国」という言葉も含め、 -
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人間革命第6巻は昭和27年が舞台である。
立宗700年祭を語る中では、大聖人の立宗について描かれている。
また、池田先生の結婚について描かれている。
しかし、多くのページを割かれていたのが、笠原慈行(小笠原慈聞)の事件である。
彼の神本仏迹論が、学会の弾圧につながり、牧口先生の獄死の原因になった。その意味で、戸田先生は彼の邪義を破折する機会を狙っていた。
しかし、この事件を通して、彼を僧職に復帰させたことや、戸田先生への処分など、宗門の体質が浮き彫りになっていく。
宗門はあくまで僧が上で、俗が下であると見なしていた。荒れ果てた大石寺を創価学会に再建してもらったにも関わらずである。そこにはベット -
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『人間革命 第1巻』のリライト版を初めて読んだ。昔読んだときは、歴史的な件にはあまり興味がなかったが、今読み返してみると、GHQによる日本の間接統治とその体制下で人々がどう生きたかということも学べて面白い。
敗戦の焼け野原の東京で、マッカーサーを「梵天くん」と呼び、「広宣流布のときが来た」と確信する戸田先生の決意がすさまじい。獄中で法華経を身で読み、法華経の生命哲理を会得した戸田先生は、日本の総体革命のため、人々の蘇生のため、世界の平和のために、日蓮仏法を打ち立てることを決意する。
「獅子は伴侶を求めず」文字通りたった一人からの戦いであった。しかし、事業化であり教育者であった戸田先生はうねりを -
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ネタバレ第9巻では、1964年(昭和39年)の広布の進展を知ることができる。
1964年は、10月には東京オリンピックが開催され、その開催に先立ち、東京モノレールが開通し、地下鉄日比谷線が全線開通し、また東海道新幹線も開通するなど、交通インフラが一気に整備された年である。また同様に、ホテルニューオータニやプリンスホテル等、ホテルの開業も目覚ましく、この東京オリンピックを契機として、日本の経済成長が最も著しく進んだ年に当たるのではないだろうか。
そのような華々しい時代にあって、地道に、着実に、未来への布石を一歩、一歩打ち続ける組織がある。周りの華々しさとは対照的かもしれないが、その着実な布石は、その -
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池田先生とロートブラット博士の対談集。
ロートブラット博士は2005年8月に96歳で亡くなった。2006年に発刊された本書が博士の遺稿となった。
ジョセフ・ロートブラット博士は、マンハッタン計画に参加した科学者の一人であったが、後に計画から離脱した。1955年、ラッセル・アインシュタイン宣言に署名した11人の科学者の1人であり、後にパグウォッシュ会議を立ち上げる。この功績により1995年にノーベル平和賞を受賞。
20世紀は科学の世紀であった。と同時に、戦争の世紀でもあった。科学と戦争。この2つには密接な関係がある。科学が大量殺戮兵器を生み、また戦争が科学を進歩させたからだ。
ロートブラット博士 -
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ゴルバチョフ対談の中巻。
二人の革命家の話は、だんだんと深いテーマに。そしてテーマが深まるのと比例するように、二人の対話が白熱していく。
率直な語らい。ゴルバチョフも縦横無尽に持論を展開する。受ける池田先生も、仏法の眼から明確な思想を返す。賛同するところは賛同し、否定するところは否定する。
例えば、ロシアのリーダーにべっとりと染み付いた「民衆を見下す思想」。池田先生はこの思想に、鋭く切り込む。池田先生は、民衆を見下し、愚弄するような思想は、絶対に許さない。
中巻の終盤、ゴルバチョフは教えを請う生徒のようになっていく。
下巻の展開が楽しみだ。 -
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まず、まえがきが素晴らしい。
「私たち二人は異なる文明に生き、異なる活動をしている。一方はロシア人でロシア正教の文明に育ち、他方は日本人で仏教文明に育ち、一方は政治を職業にし、他方は宗教者として活動している」
確かに、政治家・ゴルバチョフと宗教家・池田大作という、文化も職業も違う二人だが、その対談は、驚くほど響きあう。
実際の対談は、ゴルバチョフが大統領辞任後の、1994年頃から行われ、その後も日本やロシアで、会談を重ねることになる。
この二人がなぜ、ここまで響きあうのか。それは二人が革命家だからだ。
時代を背負い、世界を変えようという革命家だからこその共鳴なのだ。
まえがきの続きには、こうあ -
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「戦争ほど残酷なものはない」との冒頭のドグマ、悲惨で残酷なものは戦争より革命と内乱、そしてカルト(というより権力化した)宗教だろう。
「宗教に対する無知が、人類最大の敵である」古代国家はみな祭政一致であった。大日本帝国は欧米列強に見習った民主主義国家であったし、宗教でなく国家のアイデンティティとした国民のコンセンサス〈国家神道〉をカルト宗教と見て、それの打倒が平和へ直結とほざくのも一つのカルト宗教。
戦時は空襲と窮乏で都市部は悲惨だったが秩序はあった。全面降伏=奴隷化をル大統領が求めたから「まだ続いていた」ので「ミドウェー海戦敗北後は勝てる見込みがないからさっさと降伏すべき」とは空論/ドキ -
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第2巻は、山本伸一青年と戸田城聖の出会いである。
山本伸一青年の質問は3つ。
①正しい人生とは?
牧口先生の価値論で言えば「善」にあたるのが、この質問であろう。戸田先生の答えは「仏法を実践してみたまえ」であった。
何が正しいかは時代によって変化する。しかし、最善とすべきものがある。それさ生命である。
自分の生命の価値を最大に引き出す実践。その実践の人生。それが「正しい人生」であろう。
戸田先生はの返答は、逃げではない。まさにど真ん中の答えになっている。
②真の愛国者とは?
国と言っても社会と言っても、人である。
人を救う仏法の実践者が真の愛国者である。
③天皇の存在とは?
天皇も人である -
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最近トインビーに興味を持っている流れで、歴史の研究を全部読んでいくのはあまりに骨が折れるから、箸休めに読んでみた。
歴史が宗教から切り離せないからか、歴史家であるトインビーの思想には人間のないしは世界の精神性への強い志向が感じられる。
そこで池田大作との対談であるこの本は、両者の議論が噛み合ってなかなか実りのあるものだと感じられた。
仏教的な柔らかな宗教による統一体ないし権力の実現というのが両者の持つ野望であり、本書のメッセージのような気がするが、彼らが40年前に念頭に置いていた21世紀は現実とあまりが代わりがないように思えた。情報化のもたらしたミルフィーユみたいな現代にも、かわらず腐っ