【感想・ネタバレ】二十世紀の精神の教訓(上)のレビュー

あらすじ

ゴルバチョフ元ソ連大統領と創価学会名誉会長・池田大作氏との対談集。
米ソ冷戦を終結させた哲人政治家と、世界的な仏教指導者。人間愛と哲学に満ちた二人の語らいは、世界に大きく反響を広げ、世紀を超えて輝き続けている。両者の共通の立脚点は「人間主義」。イデオロギーや国家の名のもとに「人間」が蹂躙されてきた二十世紀――その教訓を明らかにし、ヒューマニズムが勝利する二十一世紀の道を断じて切り開こうとの両者の信念が、対談の全編に熱くみなぎっている。
二十一世紀の平和創造への確かな指針となる一書。
上巻には、「人間、歴史、運命」「人類史の新しき舞台で」が収録。

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Posted by ブクログ

まず、まえがきが素晴らしい。
「私たち二人は異なる文明に生き、異なる活動をしている。一方はロシア人でロシア正教の文明に育ち、他方は日本人で仏教文明に育ち、一方は政治を職業にし、他方は宗教者として活動している」
確かに、政治家・ゴルバチョフと宗教家・池田大作という、文化も職業も違う二人だが、その対談は、驚くほど響きあう。
実際の対談は、ゴルバチョフが大統領辞任後の、1994年頃から行われ、その後も日本やロシアで、会談を重ねることになる。
この二人がなぜ、ここまで響きあうのか。それは二人が革命家だからだ。
時代を背負い、世界を変えようという革命家だからこその共鳴なのだ。
まえがきの続きには、こうある。
「もし、思想信条を異にする私たち、すなわち、ソ連共産党の最後の書記長と日本最大の宗教運動の指導者が対談のテーブルにつくための共通の精神基盤を見つけることができ、そして二十世紀の最も顕著な出来事を理解するための接点を見いだすことができるとすれば、それは、とりもなおさず、二十世紀の人類が経験したすべての出来事が深い意味をもつことになり、地上に生を享け、現代という時の流れに身を置く、個々の人間の存在をつらぬく共通項があることの証左となろう」

※追記
2022年8月30日ゴルバチョフが亡くなった。91歳であった。プーチンがウクライナを侵略しているこのときにゴルバチョフが亡くなったのは感慨深い。

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2012年04月25日

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