【感想・ネタバレ】二十一世紀への対話(上)のレビュー

あらすじ

20世紀最大の歴史家アーノルド・トインビー博士と、池田名誉会長の対談集。対談は、1972年5月と翌年5月、のべ10日間、40時間にわたり行われた。二人の視座は、21世紀に向かう人類の課題を解決していく方途の探求に向けられ、西欧の歴史家と東洋の仏法者というそれぞれの立脚点の相違を超えて、「21世紀を人間革命の世紀にする」――など、実に多くの部分で意見の合致をみている。“21世紀の人類の教科書”ともいうべき本書は、これまでに世界20言語以上で翻訳され、各国の指導者が愛読し、大学の教科書にも使用されている。

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Posted by ブクログ

最近トインビーに興味を持っている流れで、歴史の研究を全部読んでいくのはあまりに骨が折れるから、箸休めに読んでみた。

歴史が宗教から切り離せないからか、歴史家であるトインビーの思想には人間のないしは世界の精神性への強い志向が感じられる。

そこで池田大作との対談であるこの本は、両者の議論が噛み合ってなかなか実りのあるものだと感じられた。

仏教的な柔らかな宗教による統一体ないし権力の実現というのが両者の持つ野望であり、本書のメッセージのような気がするが、彼らが40年前に念頭に置いていた21世紀は現実とあまりが代わりがないように思えた。情報化のもたらしたミルフィーユみたいな現代にも、かわらず腐ったイチゴみたいな重しがのしかかり続けているのである。

新奇性とは、創造か顕在化かという部分の両者の意見の相違は面白かった気がした。

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2010年02月10日

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