アダム・スミスのレビュー一覧

  • 国富論(上) 国の豊かさの本質と原因についての研究

    Posted by ブクログ

    竹中平蔵の『経済古典は役に立つ』を読んだ勢いで、古典中の古典、アダム・スミスの『国富論』に手を出した。というか、出してしまった、、、。

    現在、上巻を読み終えたところであり、まだ中巻・下巻を残しているため、本書全体について評価する段階にはないのだけれと、率直な感想をまとめておきたい。

    読み始めは面白かった。分業によって生産性が飛躍的に高まり、それが社会全体の豊かさにつながるという説明は、250年以上前の著作とは思えないほど説得力があり、現代の企業経営や組織運営にも通じる考え方だと感じた。さすが後世まで残る名著。

    しかし、読み進めるにつれて辛くなってくる。同じテーマをさまざまな事例や視点から丹念に論じる構成は、理論を積み上げるうえで必要だったのだろうが、経済素人の私には細部にまで踏み込みすぎていてもどかしい。かなりの集中力を要する作業になってしまった。

    それでも、上巻だけでも「社会はなぜ豊かになるのか」という問いに真正面から向き合った古典の凄みは十分に感じた。この先、中巻・下巻を読み進めることで、より深く、アダム・スミスの思想を理解できるように、自分に期待したい。

    しかし、先は長い!!

    0
    2026年07月31日
  • 道徳感情論

    Posted by ブクログ

    人間道徳の本質は何なのか。そしてそこにおいて大きな役割を果たす共感とは何なのか。

    アダム・スミスはこの著作で明らかにしていきます。

    私がこの本を読んで驚いたのはアダム・スミスの観察力の鋭さでした。

    読んでいて思わず「よく観てるな~この人は」とうならざるをえない場面が何度もありました。


    これは名著です!ぜひ読んで頂きたい作品です!おすすめです!

    0
    2024年08月19日
  • 国富論(上) 国の豊かさの本質と原因についての研究

    Posted by ブクログ

    【メモ】
    第5章
    商品の真の価格と名目価格、労働価格と貨幣価格

    人が豊かだとか貧しいとかいうとき、どれだけものを手に入れる力があるのかを意味する
    ↓
    どれだけの量の他人の労働を支配可能か

    ※分業の確立に伴い自分の労働で生産可能なのはごく一部となる(他人の労働の成果)



    労働力→ ←労働力
    労働力→ モノ ⇆ モノ ←労働力
    労働力→ 交換 ←労働力

    (支配・購入出来る労働力の量)
    Ⅱ
    労働が真の尺度


    "労働"こそが当初の対価、本来の通貨
    (唯一普遍的)かつ(唯一正確)
    ※世界の全ての富は元来、労働により獲得
    ×金 ×銀 ではない

    トマス・ホッブス『リヴァイアサン』

    富の所有=購買力(富の大小は購買力に比例)

    (変動しない)
    真の価格:労働に対して支払われる生活必需品と利便品の量

    (変動する)
    名目価格=金銭の量



    商品 ー (労働量) (通貨)
    ⇅ 一定 ⇅ 不安定
    商品 ー (労働量) (通過)



    労働だけは価値が変化しない=最終的な比較手段

    ※ 地代 ー(穀物)安定
    ー(金・銀)不安定


    商品の種類・時期は場所の違いを超え比較可能








    0
    2023年05月12日
  • 道徳感情論

    Posted by ブクログ

    何とも言えない満足感が得られる書籍でした。ただ中身が非常に濃いので(ページ数も700ページほどある)、正直最初の方の議論がほとんど頭から抜けつつあり、なんとか時間を見つけて2度目に挑戦したいと思います。

    冒頭にノーベル経済学賞受賞者でもあるアマルティア・センの序文がありますが、これだけでもお金を取れるレベルです。アダム・スミスの代表作である「道徳感情論」と「国富論」、表面的に読むと、同一人物が書いたとは思えない、あるいは互いに主張が矛盾しているという印象を持つ人は多いかもしれません。前者が「徳」「正義」「共感」などを論じているのに対して、後者はそのような感情を排した「利己心」を中心に経済メカニズムを論じているように見えるからです。しかし私自身は本書を読んで、道徳感情論こそがアダム・スミスの包括的な書であり、その中の「交換メカニズム」について詳細に分析したものが「国富論」であるという見方をしたいと思います。実は「道徳感情論」は、「国富論」に先立って執筆されましたが、その後亡くなる直前までスミスは「道徳感情論」を加筆・修正しています(日本語版も最終版をもとにしています)。つまり、アダム・スミスは若かりし頃に道徳や共感のメカニズムを本(道徳感情論)にしたけれども、宗旨替えをして利己主義が経済メカニズムの中心だ(国富論)と論じるようになったわけではないのです。むしろスミスの頭の中心には「道徳感情論」で書いたこと(あるいは書ききれなかったこと)があって、その中の極めて狭い領域について詳細に議論したのが「国富論」だと考えるべきです。

    センが指摘しているように、「道徳感情論」は「国富論」ほど注目されていませんが、その理由は、本書がカバーするテーマの包括性(幅広さ)にあるのではないかと感じました。取り上げているテーマの広さと、それぞれについて複数の説を丁寧に解説しているので、何冊もの専門書を一気に読んでいるような感じがする、つまり悪く言うとキーメッセージが頭に残らないのかもしれません(対照的に、国富論では見えざる手などのキーコンセプトが明瞭に頭に残ります)。逆に言えば本書からは、アダム・スミスの知識の恐ろしいほどの広さ、また視野の広さをうかがいしることができます。視野の広さを示す例として、本書でたびたび登場する「中立の観察者」があります。人が何か行動を行う際に、心の中にいる「中立の観察者」がそれをどう感じるか(称賛するのか、恥ずかしいことだと思うのか、やり過ぎだと思わないだろうか、など)を考えよということなのですが、センはこの概念を「開かれた中立性」と呼び、ジョン・ロールズの「公正としての正義」が論じている「閉じた中立性」よりも優れていると評価しています。

    資本主義の限界が議論されるにつれて、最近マルクスブームがまた起こっているようです。マルクス主義者がマルクスの再評価を試みる本が巷にあふれていますが、私自身ははっきりいって食傷気味です。マルクスではなく、むしろアダム・スミスこそが再評価されるべき人物である、そして「道徳感情論」の中に資本主義の進路変更の答えがあると私は思います。

    1
    2023年05月06日
  • 国富論(上)

    Posted by ブクログ

    1776年時点で、現代でも納得感のある、分業・貨幣・価格・元本・地代・富裕の構造が導き出されてるすごさよ。長すぎて死んだけど、読んでよかったと思える本。

    0
    2021年12月09日
  • 国富論(上)

    Posted by ブクログ

    経済学部を卒業したが、経済学の起こりとなるアダム=スミスの国富論を手にしたことがなく、初めて読んでみた。
    星5評価をしているが、凄いと言われているからであって、個人的にこの本を評価できるほどは読み込めていない。
    上巻のみで読み切るのに3ヶ月半かかった。
    国富論を半分読んで分かったのは、大学で習う経済学の数式や図でまとめられた単純なものを国富論が示していたわけではないこと。経済学の授業は国富論の内容を簡略化したものであり、実際にこの本を読むと違ったニュアンスが多数ある。
    自由主義を推奨してはいるが、それは市場に全てを委ねることを勧めているわけではないことがわかる。経済学というより、哲学に近い内容である。
    少し休憩して、下巻もきちんと読み終わりたい。

    0
    2020年09月21日
  • 道徳感情論

    Posted by ブクログ

    『国富論』の著者で、資本主義の元祖とも言えるアダム・スミスの著。『国富論』の内容から無秩序な自由競争を推進したように批判されることもあるスミスだが、そんな見方が間違っていることを教えてくれる一冊。驚異的とも言える人間社会の洞察力が見て取れる。

    スミスや資本主義について勉強するなら『国富論』はもちろん、合わせて『道徳感情論』を読んで欲しい。

    何十年後か分からないが、必ず再評価される本だ。

    0
    2016年12月12日
  • 国富論(上) 国の豊かさの本質と原因についての研究

    Posted by ブクログ

    学生時代になんとなく習った気がするけど、よく思い出せない代表例がアダム・スミス『国富論』であろう。国富論といえば「神の見えざる手」という表現が有名であり、マーケットメカニズムよって国民が欲するあらゆるサービスが提供されるので、国家の権限は治安維持や国防、司法に限定すべきであるといった新自由主義的文脈に援用されることが多い。

    しかし、アダム・スミスはそんなことは一言も言っていない。自由放任主義によって個人の利己的な行動が市場の調整機能によって全体の経済を豊かにするという内容は出てくるものの、むしろ主題にしているのは道徳経済論という理性や責任に基づいた経済活動の重要性である。

    そしてこのような古典がどうしてこれまで頭に入ってこなかったのかといえば、翻訳が大仰かつ回りくどかったからであろう。その意味において、この新約は口語体で分かりやすく、読み進めやすくなっている。労働、分業、商品、貨幣、資本、土地、利子、税といった現代の経済を取り巻く諸要素を体系的に理解する上で、まったく古びていない内容である。

    0
    2025年10月06日
  • 国富論I

    Posted by ブクログ

    アダム・スミスの「国富論」の1巻、古典経済学の祖である著者はグラスゴー大学で倫理学や道徳哲学の教授もしている。

    第一篇で労働の生産力における改善の原因と、その生産物が国民のさまざまな階級のあいだに自然に分配させる秩序について、第二篇で資本の性質、蓄積、用途について論じている。

    分業、貨幣の起源と使用、商品の真の価格と名目上の価格、労働は価値交換の真の尺度などなど、わかりやすい章題に加え、訳者の小見出しが秀逸で小見出しだけ読み進める事ができ、さらに注釈には解説まで交えてある。

    時代背景の理解と当時の価値観、貨幣価値や貨幣単位の違いなどの知識が不足し、パッとイメージすることが出来ない箇所があった。特に11章の土地の地代についてでは、小麦1クォーターの価格の推移についての表があるのだが、貨幣の単位、銀貨金貨の交換比率や登場する国があっちこっちに飛ぶので頭が混乱し、ただただ文字を追うだけになってしまった汗

    重商主義を批判する2巻、国家の経費、収入及び公債について論じる3巻も早く読みたい。今では反証されたものもあり、いわゆる主流派経済学ではないが、資本主義を理解する上で多くのことを教えてくれそうで楽しみだ。。。(また700頁か)


    根底の考え方は「道徳感情論」にあるに違いなく、そちらもいつかチャレンジしたい。

    0
    2025年06月07日
  • 国富論(下) 国の豊かさの本質と原因についての研究

    Posted by ブクログ

    下巻では、国家の防衛費や司法費、公共に関して、また財政収入、とくに税に関連することについて語られる。加えて『国富論』の解説では、これまでの内容の流れや本書の著者アダム・スミスの経歴が端的にまとめられている。

    0
    2025年05月11日
  • 国富論(中) 国の豊かさの本質と原因についての研究

    Posted by ブクログ

    中巻では主にマクロ経済に関して語っている。ローマ帝国崩壊後のヨーロッパ、いくつかの植民地の言及、重商主義、重農主義の批判、貿易収支、通商条約など、国家の政策にかかわることを他国と比較しながら考察する。

    0
    2025年05月04日
  • 国富論(上) 国の豊かさの本質と原因についての研究

    Posted by ブクログ

    著者は冒頭で生活の必需品、利便品ともに労働によって生み出されることを主張している。また労働の生産性を飛躍的に向上してきたのは分業の結果といい、それと関連して、通貨の起源、普及の過程について語る。

    0
    2025年05月04日
  • 国富論(下) 国の豊かさの本質と原因についての研究

    Posted by ブクログ

    プロの翻訳家 山岡洋一による新しい訳で読む国富論、とても有名な本ですが、なかなか最後まで読むのは難しい本でもあります。とりあえず、巻末にあります、根岸隆の解題から読み始めております。★四つ

    0
    2023年06月18日
  • 道徳感情論

    Posted by ブクログ

    アダムススミスの主著であり、以前から読みたかった本。難解で、正直意味が分からないながらも、どうにか最後まで読み通すことが出来た。

    0
    2020年10月03日
  • 道徳感情論

    Posted by ブクログ

    国富論に並ぶアダム・スミスの主著。

    「道徳感情論」と「国富論」前提となる人間観が、共感的か、エゴイスティックかということで矛盾しているみたいに言われることもあるが、「道徳感情論」の初版は、「国富論」出版前だが、「道徳感情論」の第6版は、「国富論」の出版後に出ていることから、アダム・スミスとして、この2冊には、一貫した人間観があると考えて良いはず。

    実際に読んでみると、人間の共感性を基本としているが、同時にエゴイスティックな面やしょうもないまでにセコイところ、とほほな面もしっかり観察している。

    そして、そういうしょうもなさも含めて、自然、神の大きな意思(見えざる手)のもとでは、全体としてOKなんだとおおらかに包み込む感じ。

    個人的には昔の哲学は、言葉の定義から初めて、そこから演繹的に展開していくイメージがあるが、ここはイギリス経験論の世界。日常の観察を積み上げながら、論を一つ一つ進めていく感じですね。(なので、この議論って、MECEなんだろうか?とか思ってしまう)

    親しみやすい卑近な例も多いが、時代的になんとなくピンとこないところも。

    色々な日常的なお話の積み上げだし、18世紀のイギリスと21世紀の日本の文脈の調整をする必要があるので、なかなか全体が見晴らせない。

    とりあえず全体を通読したが、まだまだ、その偉大さは見えてこない感じ。

    でも、スミスさんって、いい人だったんだろうな〜、みたいな人柄は伝わってくるな〜。

    次は、「国富論」に進め、もう一度、「道徳感情論」に戻ることとする。

    0
    2018年08月04日
  • 道徳感情論

    Posted by ブクログ

    岩波以外になかなかでなかった訳がこのほかにまもなくもう1冊出るようだ。有り難い限りだが、そこまで需要があるのかな。ちょっと不思議。まあ、老後の楽しみのつもりが少しはやくよめるようになった。

    0
    2014年03月17日
  • 道徳感情論

    Posted by ブクログ

    「共感」という切り口から、人間の感情を深く考察したもの。著述そのものはとても意味深いが、訳が悪いのかとにかく読みづらい。

    0
    2013年09月04日
  • 国富論I

    Posted by ブクログ

    見えざる手による人間が持つ本性を見極め、経済学に影響を与えた古典。
    なかなか読みでがあり、何度読み返しても理解しがたいところもあります。

    0
    2022年07月21日
  • 道徳感情論

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人間は、他の人のことを心に懸けずにはいられない。“経済学の父”が、『国富論』に先立って構想した、「共感」原理に基づく道徳哲学を読み解く書籍。

    私たちは、他人が悲しんでいると自分も悲しくなる。
    それは想像力の働きによって、自分の身を他人の身に置き換えて考えるからだ。想像こそが、他人を思いやる気持ちの源である。

    私たちは、友人に喜びよりも悲しみをわかってもらいたいと願う。
    不幸な人は、共感が得られたら悲嘆を引き受けてもらったと感じる。この時、相手は悲しみを分かち合ったと言える。

    私たちは自分の富を誇示し、貧しさを隠そうとする。それは、人間が悲しみよりも喜びに共感する傾向があるからだ。

    栄達を求めず、何者にも頼らず、ひたすら自由に生きる。
    そのための方法は、野心を抱かないこと、そして人々の注目を独占する支配者と自分を比べるような愚を犯さないことだ。

    人々の尊敬と賛美に値するようになるための道は、2つある。
    「富と権力を手に入れる道」と「知恵を究め、徳を実践する道」だ。そして、大多数の人間は、前者に惹きつけられる。

    生活の程度が中流~下流の人の場合、堅実な職業的能力を備え、注意深く、不正を犯さず、慎み深く振る舞えば、失敗しない。「正直は最善の処世術である」という諺の通りである。

    幸福は、心の平穏と楽しみの中にある。心が穏やかであれば、たいていのことは楽しめる。不幸に陥る大きな原因は、他者と自分の境遇を比べ、その差を過大視することにある。

    個人にとって有用な資質は「理性と理解力」「自制心」だ。この2つの資質が「思慮」という最も有用な徳を形成する。

    0
    2022年02月27日