あらすじ
スミスは資本主義社会における人間の本性と社会的生産力の全構造を究め、「見えざる手」に導かれる社会原理を明らかにして経済学に体系を与えた。この古典経済学と近代自由主義の原典に、独自の要約的小見出しや詳細な訳注を配して甦らせた邦訳の決定版。Ⅰ巻には先駆的労働価値論を展開する第一篇、資本蓄積を論じる第二篇を収録する。【全三巻】
定評あるロングセラー翻訳書を厳選し、読みやすくした新版
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Posted by ブクログ
アダム・スミスの「国富論」の1巻、古典経済学の祖である著者はグラスゴー大学で倫理学や道徳哲学の教授もしている。
第一篇で労働の生産力における改善の原因と、その生産物が国民のさまざまな階級のあいだに自然に分配させる秩序について、第二篇で資本の性質、蓄積、用途について論じている。
分業、貨幣の起源と使用、商品の真の価格と名目上の価格、労働は価値交換の真の尺度などなど、わかりやすい章題に加え、訳者の小見出しが秀逸で小見出しだけ読み進める事ができ、さらに注釈には解説まで交えてある。
時代背景の理解と当時の価値観、貨幣価値や貨幣単位の違いなどの知識が不足し、パッとイメージすることが出来ない箇所があった。特に11章の土地の地代についてでは、小麦1クォーターの価格の推移についての表があるのだが、貨幣の単位、銀貨金貨の交換比率や登場する国があっちこっちに飛ぶので頭が混乱し、ただただ文字を追うだけになってしまった汗
重商主義を批判する2巻、国家の経費、収入及び公債について論じる3巻も早く読みたい。今では反証されたものもあり、いわゆる主流派経済学ではないが、資本主義を理解する上で多くのことを教えてくれそうで楽しみだ。。。(また700頁か)
根底の考え方は「道徳感情論」にあるに違いなく、そちらもいつかチャレンジしたい。