黛まどかのレビュー一覧

  • 私の同行二人―人生の四国遍路―(新潮新書)

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    山道を含む1600キロを歩き通す。生半可な気持ちで四国遍路に行くべきではないと、この本を読んで思い知らされる。でも同時に、自分もいつか歩きたいという思いも湧き上がってきた。特に印象に残ったのは17章の次の一文。「もはや一切の「境界」が無くなっている。自己と他者、内と外、人間と自然、この世とあの世、生者と死者、現在・過去・未来。」

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    2025年02月02日
  • 奇跡の四国遍路

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    2017年(平成29年)とのことなのでもう7年も前になるが、東京新聞に連載されていて夢中になって読んだ。当時も毎日読みながら一緒にお遍路しているような不思議な感動があった。今回やっと新書化されたものを読めたが、やはり今回も、一昨年亡くなった親友のことを想いながらお遍路を歩いているような気がして何度も涙が流れた。

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    2024年01月03日
  • 奇跡の四国遍路

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    歩き遍路エッセイとしては良本。

    著者が俳人と言うだけあって四国遍路の描写が上手い。
    読んでいると、自分が過去に歩いた時を思い出し、楽しく読めた。

    個人的には後半の質疑応答が要らなかった。
    後半は著者のスピリチュアルワールド強めな内容になっている。ただ、時折心に響く言葉も。

    著者が遍路中に出会った人たちの物語を、著者なりにもっと語ってくれた方が、四国遍路エッセイ本として、より魅力的な内容になっていたと思う。それくらい、著者の人物描写には惹かれるものがあった。


    ただどうしても気になった事が一つ、

    【サンティアゴ巡礼】

    が、ひたすら本書に登場する。

    同じ【巡礼】というカテゴリーで、著

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    2022年09月09日
  • 奇跡の四国遍路

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    2017年4月桜が綻び始めた頃、著者は全行程
    1,400㎞に及ぶ四国八十八ヶ所巡礼に旅立つ。

    全札所を徒歩で回る「歩き遍路」。著者が挑むのはぶっ通しの「通し打ち」。美しくも厳しい四国の山野を剥き出しの身体ひとつで四国を一周する。巡礼者は、弘法大師 空海の化身とされる金剛杖を突きながら歩く。『同行二人』と言われる所以である。その上部には梵字が描かれ、卒塔婆を模している。もし行き倒れになっても、それが巡礼者の墓標になる。かつては遍路=歩き遍路であり、遍路宿なども少なく野宿だっただけに、いかに通し打ちが過酷であったかを物語る。時代は移れど1,400kmには、遍路ころがし(難所・悪路)が待ち構え、荒

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    2019年09月18日
  • 俳句脳 ――発想、ひらめき、美意識

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     勉強になりました。
     堅物と呼ばれようと型は守ります。
     個性は自由にしていれば伸びるものではなく、型にはめられ押しつぶされてもはみ出てしまうものが真の個性であるとの思いを再確認しました。

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    2013年04月13日
  • 言葉で世界を変えよう 万葉集から現代俳句へ

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    タイトルだけを見ると、啓蒙的臭いも漂うが、著者が誰かをみればそんな本でないのは分かるはず。とにかく、スゴ本。

    脳科学者の言葉と俳人の感性が交歓し、奈良の路に広がる雄大な自然と悠久の記憶の中を、おおらかに駆け巡る。

    「言葉は身の丈」
    「思いつきというのはひらめきですから、言葉が生きている」
    「流通しない言葉は言葉ではない」
    「生命と言葉のあわい」

    次々に飛び出す深層水のごとき言の葉に心奪われ、茂木氏の言葉を使わせていただく。
    「意識の中に万葉時代が広がりました。その瞬間、確かに僕の中で時空概念の革命が起きました。」

    融通無碍の日本文化に深淵に触れて、あらためて日本人である誇りをもつと同時

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    2011年02月15日
  • B面の夏

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    誰かのいつかのカレンダーを勝手に見てしまったかのような気恥しさを覚えた。
    カレンダーというかスケジュール帳。

    恋をしたときのくすぐったさ、友達の前でした自分の行動への少しの後悔とか、細やかな感情を想起させる。

    俳句って個人的なことを書くには文字数が少なすぎるし人間(日本人)が古くから自然に対して持つ感覚的なものに訴えかけることに特化した表現方法なんだろうな、という勝手な思い込みがあったけど、そのイメージが壊れた。
    個人的すぎることの究極である恋を17音で表現出来ちゃうんだ、っていう驚き。
    あとがきを読んで黛さん本人の恋愛がそのまま俳句になっているんだと知り納得。

    渋谷って駅名が入る句もあ

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    2025年07月27日
  • 私の同行二人―人生の四国遍路―(新潮新書)

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    来週からの遍路の参考に。スペイン巡礼の著作は記念写真に?となったが、今回は素直に感動と畏敬の念抱く。自分は何故歩くのか、ちょっとだけ改めて考えたが「何事もシンプルに。頭人間にならないように」「成り行きに任せる。きっと計らいがあるはず」「未来のことを心配しすぎ。もっと“いま”を生きないと」に励まされ⁈出発しよう。「だったらよかった点を探す」「辛いときほど笑顔で」を心に刻んで。

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    2025年04月11日
  • 俳句脳 ――発想、ひらめき、美意識

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    ネタバレ

    季節を感じる。
    さまざまな人生経験を通し、余白を見る。
    日常のささいなこと。

    脳科学者である茂木健一郎氏と俳人である黛まどか氏。
    各々の俳句論と、対談が載せられた一冊。

    ******
    以下3点、自身の中で留めておこうと思った。

    ①日常のささいなことを大切に。

    日常から生じた言葉というひらめき。
    繊細な言葉を育んできた民族である日本人だからこそ

    「花冷え」:単に寒いでなく桜が咲くころの冷え。
    「花筵(はなみしろ)」「花衣」「花の客」「花の雨」桜:日本人にとって特別
    「遣らずの雨」
    :訪ねてきた人を帰らせないために降る雨 帰ってほしくないと大切な人

    「桜狩」「紅葉狩」「蛍狩」「虎が涙雨

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    2022年05月31日
  • 俳句脳 ――発想、ひらめき、美意識

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    知らず知らずのうちに身につけている日本人らしい美意識を自覚的に知る上で役に立つ。ぼんやりとわかっていても,ちゃんと言われると納得できる。「脳」をだすなら,もう少し科学的にしてほしい。

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    2020年02月29日
  • 奇跡の四国遍路

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    遍路。著者が行き着いたのは「自分との和解」。 孤独。五感が研ぎ澄まされる。縁。サイン。「絆と煩わしさはカードの裏表、どちらか一方は選べない。」 無数の人々の思いがつまった遍路道。何かあるに違いない。 ヨーロッパの巡礼街道は直線、日本のは円、というのも興味深かった。

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    2018年08月18日
  • 奇跡の四国遍路

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    俳人の著者による四国八十八か所巡礼の記録。「歩き遍路」の過酷さや、出会った人々の人情、不思議な出来事などが綴られている。外国人遍路との考え方の違いも面白い。この本と読むと巡礼に出たくなる。

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    2020年10月26日
  • 俳句脳 ――発想、ひらめき、美意識

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    俳句を習っているので、黛まどかさんの句作の話は、隅々までとても参考になった。なんとなくもやもや感じていたことが、明文化されていて、すっきり。
    「短歌は情熱の詩であり、俳句は諦めの詩である。短歌は懺悔の詩であり、俳句は祈りの詩である。」
    ものすごく納得した。

    茂木健一郎と黛まどかの対談もおもしろかったけど、何にでも○○脳と名付けるのは違和感。

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    2017年10月02日
  • 俳句脳 ――発想、ひらめき、美意識

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    ・第二部 ひらめきと美意識-俳句脳対談 多様性が文化を創造する
    橋本内閣が組閣した当時、ニューヨークタイムズ東京支局長が
    著者の一人である俳人・黛まどか氏を訪ね
    「新聞・週刊誌の短歌、俳句、川柳のコーナーへの投稿、
     お茶のペットボトルやキャンディの袋にまで詩が書いてあり、
     世界中で詩が低迷している昨今、こんな国はどこにもない」
    というようなことを言ったとのこと。

    実に興味深い。
    ”詩”的な表現(?)だが、このときは通勤時で
    ちょうど奥田民生の「さすらい」がイヤホンから響いていた。


    「詩」とは何なのかとつくづく思った。
    すぐにgoogleに頼るのは悪しき習慣なので、pomeraという事

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    2013年06月15日
  • 俳句脳 ――発想、ひらめき、美意識

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    俳句というのは 季語 がとても大切なものだということが
    今回読みながら 痛感した。
    手紙を書いたりする時に 以前は時候の挨拶を書いていたが
    いまは、メールがほとんどなので 季節の言葉など
    あまり考えることもなくなったが・・・

    季語という 季節の移ろいを 17音の中に
    取り入れていくという 俳句の 厳しい規則と
    その言葉が 自然の破壊のなかで 
    少しづつ消えていこうとしている ということが
    ひたひたと・・・感じられる本だった。

    その季語が ある意味では 1000年近くの連綿とした
    歌詠みの世界が存在していて・・・
    その言葉が たくさんの歌人 そして俳人によって
    読み込まれることで よりくっき

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    2013年02月10日
  • 星の旅人 スペイン「奥の細道」

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    パウロ・コエーリョの〝星の巡礼〟に触発されて、俳人である著者がサンティアゴの巡礼路を歩き、旅で感じたことや、そこで出逢った人々のことを綴られています。
    まどかさんはクリスチャンではないそうですが、気持ちを素直に表現されているため、ご本家であるパウロの小説〝星の巡礼〟より、本書の方が共感できました。各章に記された俳句も胸に沁みます。この巡礼路をますます歩いてみたくなりました。

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    2012年10月14日
  • 俳句脳 ――発想、ひらめき、美意識

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    [ 内容 ]
    俳句と脳。
    日本人のひらめきの原点は俳句にあり。

    [ 目次 ]
    第1部 俳句脳の可能性(茂木健一郎)(言葉を持たない感覚 言語の不思議な営み 「五・七・五」という余韻 ほか)
    第2部 ひらめきと美意識-俳句脳対談(茂木健一郎 黛まどか)(俳句がひらめくときと脳 「はまる」メカニズム 俳句は革新の歴史 ほか)
    第3部 俳句脳-ひらめきと余白(黛まどか)(俳句の魅力 暮らしに俳句があった頃 日本人らしい日本人に ほか)

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    2011年05月24日
  • 俳句脳 ――発想、ひらめき、美意識

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    俳句とは、言葉と脳のバトルでしょうか。
    季語や切れなどのルールに従うと共に、それにも囚われないこと。
    「月日」、「蛍狩」、「花冷え」、「遣らずの雨」、「わたくし雨」、「薄紅葉」...
    日本には素晴らしい言葉がたくさんあります。

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    2010年06月23日
  • 俳句脳 ――発想、ひらめき、美意識

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    いきおいではじめていた俳句だけれど、いかんせん勉強不足。
    茂木さんと黛さんの会話も楽しいけれど、やはり黛さんの俳句への思いや考えかたに感銘。
    また、はじめてみようか。
    道端にしゃがみこんで、一瞬の心の動きや、生きるものへの感謝驚きを切り取ってみたいと、
    そんな風に思わせる良書。
    俳句入門の入門としてもお勧めです。

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    2009年10月04日
  • 俳句脳 ――発想、ひらめき、美意識

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    俳句というと、古風な日本の文化(文学)というイメージを持っていた。
    この対談やそれぞれの考えを読むにつけ、見事にそのイメージが一新された。
    なんと豊かな芸術であることか。
    制約の中に美を求める日本らしい芸術ではあるが、
    現在、世界に広まりつつあるこの俳句という世界は、
    生き方そのものなのだ。
    つまり、日々の生活の中に見出したものを表現するということは、
    芸術に生きるということ。生き方が芸術になるのだ。
    会ったことや、話す様子を見たことはあまりないけど、
    黛まどかという人からは何か凛としたものを感じる。
    それは芸術に生きているからなのだろう。

    俳句を通して、日本語の美しさも再発見させられた。

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    2009年10月04日